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’08/05/23の朝刊記事から
米産牛肉危険部位混入1カ月
輸入条件緩和は遠く
米国産輸入牛肉に牛海綿状脳症(BSE)の特定危険部位・脊柱が混入した問題が発覚し、23日で1カ月。
市場は冷静に反応しているが、米国産の輸入条件緩和への動きは当面、停滞しそうだ。
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問題の牛肉を保管していた牛丼チェーン、吉野家ホールディングスによると、問題発生直後、牛丼の売り上げは10%減ったが、現在は回復傾向という。
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東京都中央卸売市場でも、米国産牛肉と競合する国産乳牛の枝肉価格は横ばいで、特に影響は出ていない。
ただ、今回の問題で米国の調査報告はまだなく、参院農水委員会は13日、輸入停止の検討も含めた厳正な対応を政府に求める決議を行った。
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政府は米国産牛肉輸入の月齢条件緩和を検討中だが、農林水産省の白須敏朗事務次官は22日の会見で「米国には脊柱混入問題できっちり対応していただきたい」と慎重な姿勢を示した。
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輸入条件緩和が遠のくとの見方から、市場関係者は肉牛主産地の道内を含め、「国内生産者の牛の繁殖意欲は高まる」とみている。
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