’08/08/07の朝刊記事から
聖火リレー 厳戒態勢の中 北京市民熱狂
【北京6日酒井信太郎】物々しい警戒態勢の中、北京市民が熱狂した。
6日、五輪の聖火リレーが始まった北京市内。
五星紅旗がはためき、聖火到着を歓迎する祝福の声が響く沿道で、厳重な警備が威圧感を与える。
祭典の開幕を祝う儀式の成功に躍起となる当局と、地元開催を純粋に喜ぶ市民の姿とが、リレーの終着点で対照的に交錯した。
聖火リレーは午前、明・清朝の皇帝が暮らした「故宮」を出発し、天安門広場周辺を巡った。
ルートには警察官、治安関係の市民ボランティアが立ち並び、ランナーを守るように壁をつくった。
この日の午前中、天安門広場近くのバス停と地下鉄駅は、市民が乗降できないようにするため、 バスと列車は素通り。
沿道に集まった群衆は、事前に当局が身元を確認済みの動員組のようで、一般の人たちは排除された形になった。
午後、聖火は故宮から5キロほど南にある回族が多く住む地区へ向かった。
回族は、4日に爆弾テロが起きた新疆ウイグル自治区のウイグル民族と同じイスラム教徒。
テロの連鎖を警戒して、交差点には警察官が人間バリケードをつくった。
だが、そんな分厚い警備態勢を上回ったのが市民の盛り上がりだった。
沿道は関係者と一般市民を隔てるようにロープで二重に仕切られていたが、聖火が近づくと、付近に住む回族の市民らがコース脇に殺到し、抑えきれなくなる場面もあった。
撮影機材
Kodak DC4800