’08/10/02の朝刊記事から
韓国が42年ぶり 14人を拉致認定
【ソウル1日共同】韓国統一省は1日までに、1966年に黄海で失踪した韓国漁船「吉竜号」が北朝鮮警備艇に拿捕されたと確認し、船員14人を42年ぶりに拉致被害者と認定した。
これで韓国の拉致被害者は494人に増えた。
統一省当局者は、60ー70年代の拉致被害は全容が不明確で、今後も認定者が増える可能性があると話している。
吉竜号は15人乗りで「中国の武装船に追われている」との連絡を最後に消息をたった。
当局は当時、中国に拿捕されたと発表した。
しかし別の韓国漁船に乗って拉致され、2001年に北朝鮮を脱出した男性(67)が北朝鮮で吉竜号の船員と会ったと証言。
04年には船員の一人が韓国の家族に手紙を送ってきた。
政府は手紙を出した船員だけを拉致被害者と認定してきたが、昨年成立した「拉北被害者支援法」に基づき、別の14人のうち4人の家族への慰労金支給を9月30日に決定。
14人全員を被害者と認定した。
'08/08/31の朝刊記事から
韓国で逮捕 北朝鮮の女スパイ
工作活動 恋に揺らぐ 指示守らず大尉と半同居
【ソウル30日共同】北朝鮮脱出住民(脱北者)を装った北朝鮮の女スパイが、韓国軍将校らから機密を入手したとされる事件。
国家保安法違反罪で起訴された元正花被告(34)が大胆な活動の末に工作対象の大尉と恋に落ち、共に逮捕されるという映画のようないきさつが徐々に明らかになっている。
検察発表や韓国紙の報道によると、被告は北朝鮮北東部・清津生まれ。
生後間もなく工作員の父は韓国に潜入して射殺され、継父(63)や弟、妹も工作機関に所属する。
15歳の時から銃や毒針での殺人術を含む工作員教育を受け、1999年から3年間、中国東北部で脱北者の摘発に従事。
韓国当局が把握していない韓国人の拉致も供述した。
韓国に亡命した黄長燁・元朝鮮労働党書記らに関する情報収集の指令を受け2001年、中国の朝鮮族と偽り韓国に入国。
実は脱北者だと「自首」し審査を通過した。
自分の父は北朝鮮の対外連絡部幹部だと吹聴し、軍や情報機関の要員が「父」の情報を求め次々と接触。
軍部隊で北朝鮮の内実を講義する講師に抜擢され、複数の将校らと関係を持ち情報引き出したとされる。
中でも今回共犯として逮捕された陸軍大尉(26)とは公安当局も「本当に恋に落ちた」と見ている。
北朝鮮の上司は被告に韓国情報機関要員の殺害を指示したが実行せず、最近は処罰を恐れ自宅に鍵を4つ掛けるなどおびえていた。
大尉は被告がスパイと知りながらも半同居生活をおくり、自首を勧めていたという。
被告は昨年から3回にわたり仙台を訪問。
重要情報を持って脱北し日本に住む女性の所在地把握を命じられたが、最後の訪日ではあっせん業者を通じ見合いを3回した。
被告は、日本の永住権を得た後、大尉を呼んで在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に加入させ、北朝鮮に連れて行きたかったと話したという。
'08/08/28の朝刊記事から
「韓国版マタ・ハリ」女を逮捕 脱北者装いスパイ活動 日本入国3回
【ソウル27日井田哲一】韓国の捜査当局は27日、北朝鮮からの脱出住民(脱北者)を装って韓国で暮らしていた女が、北朝鮮の工作員として活動し、韓国の軍事情報などを北朝鮮側に送っていたとして、国家保安法違反容疑で逮捕、起訴したと発表した。
発表によると、女はウォン・ジョンファ容疑者(34)。
2001年に韓国に入り、4人程度の軍将校らに接近。
一部と性的関係を持ち、軍施設の写真や地図、兵器情報などを入手し、中国にいる北朝鮮の公安機関、国家保衛部関係者に電子メールなどで伝達していた。
韓国内の脱北者の情報も収集。
昨年以降、日本にも3回入国し、結婚情報の業者などを利用して脱北者の住所などの情報を集め、北朝鮮側に伝えていたという。
ウォン容疑者は北朝鮮でスパイ教育を受けており、聯合ニュースは、第一次世界大戦当時のドイツの女性スパイとして知られる「マタ・ハリを連想させる」と報じた。