
’08/08/13の朝刊記事から
ロ大統領 作戦停止
欧米の包囲網 奏功
【モスクワ12日加藤雅毅】ロシアのメドベージェフ大統領が12日、グルジア・南オセチア情勢に関して軍事作戦停止を表明したが、大統領の決断は、欧米の「ロシア包囲網」を強く意識した格好だ。
当初はグルジア、ロシア双方に自制を求めていた欧米は、このところロシア側の戦線拡大に対する非難を強めていた。

戦線拡大で非難集中
北京五輪開幕と同時期の軍事衝突は当初、グルジア側の攻撃で始まったとされ、グルジア、ロシア双方に自制を促す声が米国を含めて強かった。
だが、グルジアのサーカシビリ大統領が先手を打って軍事行動停止を表明したこともあり、欧米の矛先は、戦線を拡大するロシアに次第に集中。
欧米に対決姿勢で臨むことが多かったプーチン前大統領(現首相)と違い、メドベージェフ大統領は強調路線を打ち出したばかりだったが、ブッシュ米大統領は11日の声明で「米国や欧州との関係も台無しになる」とロシアを批判。
ブラウン英首相もロシアの軍事介入を「正当化されない」と非難、対応を求めていた。

同日には、欧州連合(EU)議長国のフランスのクシュネル外相が停止した停戦案にグルジア側が合意。
ロシアが軍事行動を続ければ、さらに欧米からの批判が強まる可能性もあった。
メドベージェフ大統領が軍事作戦停止を表明したのは、フランスのサルコジ大統領が停戦仲介のためモスクワへ向かっている最中だった。