’08/02/09の朝刊記事から
なまはげ 厳重監視 秋田・女湯乱入騒動
一人ずつ警備係配置
秋田県男鹿半島に伝わる民俗行事「なまはげ」と神事を組み合わせ、家内安全や五穀豊穣を祈る「なまはげ柴灯(せど)まつり」が8日、男鹿市の真山神社で3日間の日程で始まった。なまはげに扮した男が女性浴場に乱入した昨年末の騒動を受け、主催する同市観光課は、なまはげにそれぞれ一人ずつ警備係の職員を付けるなど対応に追われた。
祭りでは、なまはげが太鼓演奏や踊りを披露。午後7時すぎ、たいまつを持ったなまはげ15体が「ウォー」と雄たけびを上げながら雪山から一斉に下りてくると最高潮に達した。
なまはげは神の使いで、人をいさめるために暴れ回るとされ、地元では「昔は少しぐらい女性に触っても問題にならなかった」との意見が根強い。市観光課は「観客にも行事を正しく理解してもらわないと、祭りができなくなる」と危機感を募らせている。
切り貼り帳
’08/02/09の朝刊記事から
ギョーザ中毒 協議わずか3回 / 従業員の話聞けず
日中調査団 連携遠く
殺虫剤の混入経路解明が焦点の中国製ギョーザ中毒事件。日本、中国の調査団がそれぞれ相手国を訪れるなど、「日中協力」の旗印の下で原因究明の努力が続くが、関係者からは「形式だけ」との冷めた見方も出ている。捜査も、国境を越えてスムーズに連携できるか不透明だ。「だんだんと核心に迫ってきている」と国会で答弁した福田康夫首相。その言葉通りに事態は進展するのか。
来日した中国の検疫当局代表らと日本側の関係省庁担当者らの協議は3日、東京で始まった。「日中が協力して原因究明に当たりたい」。初会合の冒頭、堀田繁・内閣府官房審議官が挨拶し、中国側も賛同した。
「安全」を強調
だが「(中国最大の行事の)春節(旧正月)も気にせず滞在し徹底調査する」(李春風・国家品質監督検査検疫総局輸出入食品安全局副局長)との意気込みとは裏腹に、協議は3回で終了。大半は日本側の状況説明に費やされ、情報交換のため連絡担当者を双方に置くことだけが決まった。
すべての協議を終えて、6日に開かれた記者会見。李副局長は「中国当局の調査では生産体制に問題はなく(今回の殺虫剤混入は)個別の案件だ。中国の食品は安全です」と言い切った。
「協議でそんな話は出ていない。最初からそれを言うのが目的だったのだろう」と冷ややかな日本側の出席者。政府関係者も「迅速な対応を印象付けに来ただけ」と解説してみせた。