備 忘 録"

 何年か前の新聞記事 070110 など

080511 可燃ごみ 98%燃料化 白老町が今夏 バイオマス施設

2014-09-09 14:27:24 | 技術
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’08/05/11の朝刊記事から

可燃ごみ 98%燃料化 白老町が今夏 バイオマス施設
新技術の実証成功 安全、均質に製造


【白老】胆振管内白老町は今夏、日本製紙白老工場内に可燃ごみの98%を固形燃料化することができる「バイオマス燃料化施設」を建設する。
高温高圧でごみを処理する新技術を導入、町内で発生する可燃ごみ全量の処理が可能で、年間1万1千トンの燃料を製造し、同工場に売却する。
来年4月から稼働の予定で、道も「安全性の高いバイオマス燃料化事業のモデルケース」(環境生活部循環型社会推進課)と注目している。


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新技術は、可燃ごみを最大30気圧、235度で加圧・加熱処理して、炭になる一歩手前の状態に変える。
同町と北大、クボタ環境サービス(東京)などが連携して開発を進めていた。
昨年12月から始めた実験プラントでの実証実験では、約15トンのごみから燃料約7トンを生成した。
ペレット状にした燃料は1グラムあたり5500カロリー以上の熱量があり、重油や石炭より低いが、「ポイラー燃料としては高い水準」(関係者)を確保した。


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可燃ごみの燃料化は、従来の製造法では、工程が複雑で、発酵ガスによる爆発事故で死者が出たり、燃料の品質が一定しないなどの問題が発生。
このため、既存施設では生ごみなどを分別し、原料に混入しないようした上で燃料化しているところも少なくない。


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一方、新技術はごみを分子レベルで炭化状態にするため、原材料を問わず約5時間で均質な燃料ができる。
生成過程でダイオキシン類が出ず、保管中も発酵ガスの発生がない。
ごみに混入した不純物などを除き、生ゴミを含めてほぼ完全に燃料化できるという。


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080215 肝臓、胃からも万能細胞

2012-11-01 21:33:51 | 技術

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’08/02/15の朝刊記事から

肝臓、胃からも万能細胞 京大・山中教授らマウスで成功
がん化の危険低く


さまざまな組織に成長できる万能細胞の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、マウスの肝臓と胃粘膜の細胞からつくることに京都大の山中伸弥教授らが成功し、14日の米科学誌サイエンス電子版に発表した。

iPS細胞の作製には、発がん性が否定できない特殊なウイルスを使うが、肝臓や胃からできたiPS細胞は、皮膚由来のiPS細胞よりがん化の危険が低いことが判明。細胞の種類や手法の工夫によってこのウイルスを使わない道も可能になりそうで、山中教授は「臨床応用に向けて前進した」と話している。

山中教授らは、これまで人やマウスの皮膚から作製に成功。今回は肝臓や胃粘膜の細胞に4種類の遺伝子をウイルスで組み込み、iPS細胞をつくった。

これらは皮膚由来のiPS細胞と比べると、ウイルスが細胞の染色体に入り込む個所が少なかった。またiPS細胞をマウスの受精卵に混ぜて成長させる実験で、皮膚由来のものは約4割に腫瘍ができたが、肝臓と胃のiPS細胞ではほとんどできなかった。

iPS細胞をめぐっては、ウイルスがもとの細胞が持つ特定のがん遺伝子を刺激しているとの仮説があった。山中教授はデータを分析してこの説も否定。「今後は血球細胞などでも試し、安全性を高めたい」と話している。

安全な細胞作製に意義
国立成育医療センター研究所の阿久津英憲室長の話

肝臓や胃粘膜などの上皮細胞は分化が進んでいて、iPS細胞などをつくるのに不向きだと考えられていたので驚きだ。肝臓と胃、皮膚由来のiPS細胞に、発がん性など性質の違いがあることが分かったのも興味深い。ウイルスの挙動にも大きな違いがあり、詳しく調べることで、より安全で治療目的に近い万能細胞をつくるのに役立つだろう。


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080129 パソコンで新物質発見

2012-06-27 20:45:12 | 技術

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’08/01/29の朝刊記事から

パソコンで新物質発見
京大、スズ酸化物で


原子の振る舞いをパソコンで仮想的に再現することで、これまで知られていなかった新たな2種類のスズ酸化物の合成が可能なことを、京都大の田中功教授らが突き止めた。2月1日付の米物理学誌フィジカル・レビュー・レターズに発表する。

産業応用を目的とした新物質探しは、勘や経験を頼りに合成してみるのが主流だが、今回の手法を使えば手間を大幅に省略できる。田中教授は「計算科学の新たな可能性を示せた」としている。

田中教授らは、電子の動きを通じて原子の振る舞いを予測するプログラムを作成。パソコン約50台を使い、スズと酸素の原子がどのようにつながるかを2カ月かけて計算した。その結果、既存の酸化物のほかに「三酸化二スズ」「四酸化三スズ」の2種類が安定して存在できることを突き止めた。田中教授は「合成できれば安価な半導体が作れるかもしれない」と話している。

財団法人ファインセラミックスセンター(名古屋市)との共同研究。


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110726 肝臓がん 血液1滴判定5時間

2011-07-26 22:01:39 | 技術
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’07/10/23の朝刊記事から

肝臓がん 血液1滴判定5時間
北大チーム特定糖鎖の存在解明


北大大学院先端生命科学研究院の西村紳一郎教授と同大学院医学研究科の藤堂省教授らの研究チームは22日、肝臓がんの存在を高精度で判定できる生体物質を発見したことを明らかにした。
細胞表面にあり、病気になると構造が変化する物質「糖鎖」の特定の組み合わせが、肝臓がん患者に特異的に存在することを突き止めた。
糖鎖の自動分析器も企業と共同開発し、数時間で少量の血液から対象の糖鎖を識別する方法も確立した。

独立行政法人科学技術振興機構(JST)のプロジェクト研究で、30日に東京で開かれる研究会で発表する。


糖鎖は遺伝子が生み出すタンパク質の情報を伝達・制御する物質で、がんや糖尿病などの疾患に関与しているとされる。
北大の研究チームは肝臓がん患者83人と健常者20人の血液中の細胞の糖鎖を分析したところ特定の4種類の糖鎖による3通りの組み合わせが、肝臓がん患者の方に健常者より10倍前後多く存在することを発見した。

肝臓がんの判定には、AFP(αーフェトプロテイン)という物質がよく使われるが、肝臓がんではない肝炎患者らにも反応してしまうことがあった。
研究チームが今回発見した肝臓がんの判定は103例のサンプルで誤差はゼロだった。

糖鎖の分析は従来、濾過や濃縮を繰り返し、多量の採血と4、5日以上の時間が必要だった。
西村教授は糖鎖の識別原理を基に樹脂メーカーの住友ベークライト(東京)、塩野義製薬(大阪)などと共同で糖鎖自動分析器の試作機を開発。
1滴の血液で1度に30-50種類の糖鎖を約5時間で調べられるという。

患者の負担が軽減されるほか、他の種類のがんに特徴的な糖鎖のパターンを迅速に見つけ易くなる。
研究チームは膵臓や大腸がんなどの研究にも着手、「より早期のがんや糖尿病など他の病気と、糖鎖の変化との関係分析にも当たりたい」(西村教授)としている。


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110715 いずし食中毒の原因 ボツリヌス菌 毒素によろい

2011-07-15 19:13:38 | 技術
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‘07/10/21の朝刊記事から

いずし食中毒の原因
ボツリヌス菌 毒素によろい
東農大網走グループ解明


【網走】致死性の高い食中毒を引き起こすボツリヌス菌を研究している東京農業大生物産業学部(網走市)のグループは、菌の毒素の立体構造を世界で初めて解明した。
毒素本体を三本足の「よろい」のような構造が守る形で、毒が胃酸で分解されずに腸にまで到達するメカニズムと密接に関係しているとみられる。
食中毒の予防薬開発などに役立つとみられ、専門家も重要な成果として高く評価している。
研究成果は米国生化学会機関誌最新号の巻頭論文として紹介された。

3本足で胃酸防ぐ 予防薬開発に道
日本で最も発生例が多いボツリヌス菌の型は、北海道や東北地方の海岸の砂中に広く分布しており、しばしば「いずし」の材料を汚染して食中毒を引き起こす。
このため、国内でのボツリヌス菌の研究は北海道が先進地となっている。

研究グループは、大山徹教授(生物化学)と、今春、東農大大学院を卒業し、東京の科学機器製造会社に勤める長谷川仁子さんら。
大山教授らはボツリヌス菌を培養し、遠心分離器で毒素を抽出。
倍率5万倍の電子顕微鏡とコンピューターで形状を分析する作業を3年間にわたり続けた。

その結果、毒素は14個のタンパク質からできているが、大きく分けると①毒素本体②3本足の構造体ーからなることがわかった。

また、本体だけだと胃酸で分解されるのに、3本足の構造体を付けていると分解されないことも確認できた。

大山教授らは、3本足の構造体が毒素を守る「よろい」のような役割を果たしているのではないかと推論。





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