'08/11/12の朝刊記事から
「政治迫害」と抗議 陳前総統 強気崩さず
【台北11日時事】「私は台湾のバスチーユに入獄する。皆さんさようなら」ー。
総統府機密費横領やマネーロンダリング(資金洗浄)などの疑いで逮捕手続きの進む陳水扁前総統。
11日午前、大勢の支持者に囲まれた陳氏は、フランス革命前の政治犯収容所「バスチーユ監獄」に例えて「政治迫害」であると訴え、最高検から連行される際には手錠を掲げて講義、強気の姿勢を崩さなかった。
陳氏の政治家人生は2000年の総統就任で頂点を極めた。
しかし、独立志向を強めていき、その極端な言動や経済政策の失敗などで人心の離反を招き、支持率の低迷が続いた。
陳氏の失政は、3月の総統選で民進党が国民党の馬英九氏(現総統)に大敗する要因にもなった。
陳氏は今年8月に資金洗浄疑惑が発覚してから、公の場に頻繁に登場し、自らの潔白を主張してきた。
会場には陳氏の支持者が多数集まり、その驚異的なカリスマ性をあらためて見せ付けた。
資金洗浄疑惑では夫人のほか、長男やその妻が関与している疑いも浮上、一族が逮捕される可能性も指摘される。
陳氏は11日、「塀の中で残された月日と命を使ってみんなと頑張りたい」と訴えた。