081127 ムトウハップ製造停止

'08/11/27の朝刊記事から

ムトウハップ製造停止

　八十年の歴史を持つ武藤鉦製薬(名古屋市中区)の薬用入浴剤「六一〇(ムトウ)ハップ」が製造を停止したことが分かった。
今年相次いだ硫化水素自殺の影響で売り上げが落ち込んだのが原因で、同社は「想定外のことで、昔からの商品を断念せざるを得ず、悔しい」としている。

　ムトウハップは硫黄などを含み、硫化水素を発生させる材料の一つとして使われた。
日本チェーンドラッグストア協会が今年五月、自殺対策として硫黄成分の入った製品の販売自粛を加盟店へ要請する事態に。
ムトウハップも出荷量が昨年の三分の一以下に減り、返品も相次いだ。

　自粛要請は七月に解除されたものの、「危険物」とのイメージが広がってしまい、同社は回復が見込めないと判断。
十月末に愛知県清須市の同社工場での製造を停止した。

081127 タイ軍司令官 首相に国会解散要求 市民連合は占拠継続

'08/11/27の朝刊記事から

タイ軍司令官　首相に国会解散要求
　市民連合は占拠継続

【シンガポール26日斎藤正明】反政府団体「民主市民連合」の抗議行動で混乱が続くタイの政情をめぐり、アヌポン陸軍司令官は二十六日、首都バンコクで記者会見し、事態の収拾策として、ソムチャイ首相に下院解散と総選挙の実施を求めた。
アヌポン氏は同時に、バンコク国際空港などの占拠を解くよう市民連合に訴えた。

　タイで絶大な権力を持つ陸軍トップが、政府と市民連合の双方に譲歩を迫った形だ。

　これに対し、ソムチャイ氏は同日夜、テレビ演説で「選挙で選ばれた政府は最後まで任務を遂げる」と述べ、軍の要求を拒否。
二十七日に緊急会合を開いて対応策を協議する。





　市民連合の指導者の一人、チャムロン元バンコク知事も二十六日夜、要求を拒否、国際空港などの占拠を継続する方針を表明した。

　収集策についてアヌポン氏は「タイが深刻な危機に陥ることを防ぐ方法だ。政府は議会解散後も正統性を持ち続ける」と説明。
市民連合には「重要施設から速やかに退去するべきだ」とし、八月下旬からの首相府占拠も中止するよう求めた。

　市民連合側は軍部によるクーデターを期待しているが、アヌポン氏は「これはクーデターではない」と言明し、拒否した。

　これに先立ちアヌポン氏は、軍幹部や経済界の要人らと、二時間半にわたる緊急協議を行った。

　一方、市民連合のメンバー数千人は同日も国際空港を占拠。
運航は全面停止され、約一万人に影響が出た。





バンコク便　すべて欠航
　日航、全日空

　タイのバンコク国際空港を反政府市民団体が占拠し、空港閉鎖となっていることを受け、日本航空と全日本空輸の日本とバンコクを結ぶ便は二十六日、すべてが欠航した。

　日航は成田、中部国際、関西国際とバンコクを結ぶ十便が欠航。
これに伴い、約千七百人に影響が出た。
二十七日も成田とバンコクを結ぶ二便の欠航が決まっており、この便だけで約四百七十人に影響する。
一方、全日空は二十六日の成田発着四便が欠航。
このうち一便はいったん成田を出発したが、引き返した。
同日の欠航による影響は約七百七十人。

081127 ソマリアで撃沈 「海賊船」は漁船 インド海軍誤認

'08/11/27の朝刊記事から

ソマリアで撃沈
　「海賊船」は漁船　インド海軍誤認

【シンガポール26日共同】国際海事局(IBM)海賊情報センター(クアラルンプール)は二十六日、インド海軍がソマリア沖で十八日に「海賊船」として撃沈した船が、タイの水産会社に所属するトロール漁船(五六六トン)だったと明らかにした。
乗り組んでいたカンボジア人一人が救助されたが、タイ人一人が死亡、十四人が行方不明になっているという。

　ソマリア沖では海賊事件が続発し、各国海軍がパトロールを強化、日本でも海上自衛隊派遣論が出ているが、今回は海賊に乗っ取られた漁船を海賊船と誤認して攻撃したとみられる。

081126 バンコク空港閉鎖 反政府デモ隊が突入

'08/11/26の朝刊記事から

バンコク空港閉鎖
　　反政府デモ隊が突入

　【シンガポール25日斎藤正明】タイのソムチャイ首相の退陣を求めている反政府団体「民主市民連合」は25日、首都バンコクで大規模な抗議デモを続行。
同日夜には数百人がバンコク国際空港に突入し、同空港は閉鎖された。
治安当局との衝突は起きていないが、政府支持派との摩擦で少なくとも11人が負傷。
市民連合はバンコクの政府施設周辺で26日もデモを続ける構えで、緊迫した状況が続いている。

　同空港には約二千人が集まり、一部が空港ターミナルのドアを壊すなどして侵入した。
到着予定の便はチェンマイなど他空港に振り分けられた。
市民連合は、ペルーで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)から26日に帰国するソムチャイ首相を待ち受けるため、同空港に集結していた。





　これに先立ち、市民連合の約一万人が25日未明から、臨時首相府が置かれているバンコク郊外のドンムアン空港を取り囲んだ。
予定されていた定例閣議は26日に延期。
市民連合の一部はビル内に入ったが、同空港を発着する国内線の運航に影響は出ていない。

　警察は、空港周辺をはじめとするデモを事実上、放置している。
十月七日のデモ鎮圧で約五百人の死傷者が出たことに批判が集中したため、二の舞いを恐れているとみられる。

　一方、市民連合に同調する政府系機関の労組が二十五日の実施を呼びかけたストによる影響は、ほとんどみられなかった。

081124 サハリン２ LNG 2月19日出荷開始

’08/11/24付朝刊記事から

サハリン２ LNG　2月19日出荷開始

【ユジノサハリンスク23日津野慶】ロシア・サハリン州の大規模石油・天然ガス開発事業「サハリン２」で、同州南部プリゴロドノエ基地から日本への液化天然ガス(LNG)の出荷が、来年2月19日から始まる見通しになった。

　ノーボスチ通信によると、ロシア政府系の天然ガス独占企業ガスプロムのメドベージェフ副社長が22日、滞在先のペルーで明らかにした。
同社は、サハリン２を進めるサハリンエナジー社の筆頭株主。

　年間960万トンのLNGを生産、約６割は日本向けで、日本の総輸入量の約１割を担う。
原油は12月から通年出荷を始める。