備 忘 録"

 何年か前の新聞記事 070110 など

080225 食料自給率 回復への鍵

2013-01-27 20:28:30 | 政治

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’08/02/25の朝刊記事から

法政大教授 田中 優子



食料自給率 回復への鍵
地方単位で持続形社会に


私のゼミでは「日本をさらに都市化すべきか」「食料輸入をさらに増やすか否か」という課題でディベートを行っている。事前に資料を集め、グループごとに意見を述べる。一通りの議論の後、個々がリポートにまとめるのである。

私のゼミは「未来のための江戸学」をテーマにしているので、こういう議論もするのだ。大都市の出現と自然環境の変化は、すでに江戸時代に起こっている。それにどう対処したか、学ぶことはいくらでもある。

江戸の合理性
江戸は世界最大の都市人口を抱えていた。都市では排せつ物やごみが問題になる。解決策は、それらを利用し尽くすことであった。不要物の行き先は三通りある。一番目は、それを使って異なるものを作る。二番目は燃料にする。三番目は土壌の栄養源として田畑に戻すことである。この三通りの過程すべてを通るかどうかは、物によって異なる。

例えば、紙はすき返される。再生紙は戯作本の印刷に使われ、さらにちり紙となる。すき返せば質が落ちるので異なった使い方をされるのだ。燃やす過程では燃料となり、残った灰は畑の養分となる。着物もほどかれて幾度も変身し、やはり灰となって畑に戻る。これらは三通りすべての過程を通るが、排せつ物や風呂の残り湯、魚を洗った水や爪や髪、生ゴミなどはすぐに土の養分となる。このように、生活のなかで消費されるあらゆるものが循環する。

そこで不思議なのが今回の再生紙偽装問題である。再生の流れがこのように決まっていれば、規制も必要なく偽装もあり得ない。しかし今回は古紙が大量に中国へ流れたことで循環が崩れた。閉じられていないリサイクルなら、簡単に輪は崩れる。これが今日のリサイクルの矛盾の一つ目である。また、再生紙はインクを洗うため膨大なエネルギーを使う。リサイクルは用途を変えることで成り立つ。同じ目的に使おうとすればエネルギーを消費するのは当たり前なのだ。これが矛盾の二つ目である。

用途を変えることの中には燃料にするという方法も含まれるのだが、現状では石油に依存しているので、他のものを燃料や電気にする工夫が進まない。これが矛盾の三つ目である。さらに、肥料として使える物が残っても、農地の減少と大量の化学物質の使用によって、それを吸収する土壌もない。これが問題の四つ目である。

これらの問題は食べ物にも及んでいる。江戸時代は食料自給率100%、農民人口80%だった。しかし農村の工業化も進んでいて、原材料を生産するだけでなく、布や紙やろうなどの加工品も生産していたのである。藩士たちの指導によって職人技術が農村に普及し、現金収入もあり、教育機関(手習い)も増えていった。森林は全国で伐採制限が打ち出され、育林政策がとられた。

こういう状況は江戸時代から1965年あたりまで徐々に変化しただけで、大きく変わっていない。農業人口が激減し食料自給率が39%まで急落したのは、この40年ほどの出来事だ。日本は歴史始まって以来の変化を迎えているのである。

現代は綱渡り
食品偽装や食品汚染の根本原因は、食料を輸入することで工業製品を輸出し、外国との賃金差を利用することで利ざやを稼ぐ、という綱渡りの方法をとったことである。その結果、日本の輸入食料の重量と輸送距離を掛け合わせたフードマイレージは世界一になった。これは日本人が他のどの国民より、毎日の食事で環境を汚染しているという意味である。その上、諸外国の食料の値段が急騰したり食料不足になれば、いち早く飢餓がやってくる。

これらを克服するには、どう考えても自給率の回復以外に方法がないように思う。今なら間に合う。地方が小さな単位を形成し、食料や原材料の生産地というだけでなく加工、流通、広報、教育、そして石油以外の電力生成をはじめとする持続可能社会の構築の拠点になる、という方法があるはずだ。地方が豊かになることで市場は国内に開かれるだろう。日本のこれからは、自給率にかかっている。


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080224 iPS細胞の開発で山中教授にコッホ賞

2013-01-21 20:28:28 | 社会

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’08/02/24の朝刊記事から

iPS細胞の開発で山中教授にコッホ賞

ドイツのロベルト・コッホ財団は23日までに、同国最高の国際的医学賞である今年のロベルト・コッホ賞を、さまざまな組織に成長できる万能細胞「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を開発した山中伸弥京都大教授ら、計3人に授与すると発表した。

共同受賞者は、いずれも幹細胞研究で成果を挙げた米スタンフォード大のアービング・ワイスマン教授と、ドイツのマックスプランク研究所のハンス・シェラー教授。授賞式は11月14日にベルリンで行われ、3人に賞金10万ユーロ(約1600万円)が贈られる。

山中教授は、受精卵を材料にする胚性幹細胞(ES細胞)と同様の万能性を持つiPS細胞を、人の皮膚から作製することに成功。再生医療を大きく進展させる成果として、世界的に注目された。

コッホ賞は2006年に河岡義裕東京大教授、04年に審良(あきら)静男大阪大教授が選ばれるなど、日本人の受賞が近年増えている。


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080224 皇太子さま御所訪問

2013-01-20 21:41:41 | 社会

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’08/02/24の朝刊記事から

皇太子さま御所訪問

皇太子さまは48歳となった23日午前、皇居・御所を訪問し、天皇、皇后両陛下に誕生日のあいさつをした。

午後は東京・元赤坂の東宮御所で、宮内庁長官らから祝賀を受けた。

夕方には両陛下が東宮御所を訪れ、夕食を共にした。


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080224 ロス市警 三浦和義容疑者を逮捕

2013-01-20 16:44:05 | 社会

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’08/02/24の朝刊記事から

ロス市警 三浦和義容疑者を逮捕
81年の妻殺害容疑


【ロサンゼルス23日共同】米ロサンゼルス市警は23日、1981年11月ロサンゼルスで起きた銃撃事件で妻を殺害したとして、殺人と共謀の容疑で三浦和義容疑者(60)が米国自治領のサイパン島の空港で22日午後、事件から約27年ぶりに逮捕されたと発表した。日本の捜査当局によると、米国の捜査当局者は「新証拠が見つかり、逮捕に踏み切った」と述べた。米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)は23日、ロサンゼルスで裁判を受ける可能性があると伝えた。日本の政府関係者と捜査当局も逮捕を確認した。米国の法律では殺人罪に時効はない。


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080223 新幹線弁当で消費期限偽装

2013-01-15 19:28:28 | 社会

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’08/02/23の朝刊記事から

新幹線弁当で偽装
JR東海 消費期限、恒常的か


JR東海の子会社ジェイアール東海パッセンジャーズ(東京)は22日、消費期限を意図的に遅らせて偽装した駅弁やサンドイッチ、おにぎりなど1日分約1万5900食を東海道新幹線の車内などで販売したと発表した。

社内規定で製造開始から14-18時間以内と決められている消費期限を、最大で5時間40分過ぎた弁当もあった。健康被害の報告はないという。新幹線車内のほか、東京―新大阪間の各駅などで売られていた。

大阪市保健所と大阪府茨木保健所が22日夜、大阪市と摂津市の工場にそれぞれ食品衛生法に基づき立ち入り検査した。

同社のお客さま相談室に21日に匿名の通報があり、内部調査で偽装が判明したが、同日中は商品を回収せず販売を続けていた。不正は1年以上前からほぼ毎日恒常的に続けていたとみられる。駅弁などは、大阪の2工場のほか、東京都江東区、名古屋市の計4工場で製造。工場長4人全員が不正を認識していたという。


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