’08/06/16の朝刊記事から
イラン誘拐 中村さん8カ月ぶり解放
きょう帰国の途に
【テヘラン15日共同】イラン南東部で昨年10月、武装集団に誘拐された横浜国立大4年、中村聡志さん(23)が14日、約8カ月ぶりに解放された。
中村さんは15日、イラン南東部ザヘダン郊外の政府施設から首都テヘランに空路で到着、在イラン日本大使館員らが保護した。
空港に到着した中村さんは白い半袖シャツ姿。
大使館員に日本語で声を掛けられると、さっぱりした表情で笑顔を見せた。
報道陣の問いには答えずに、迎えのワゴン車に乗り込んだが、外務省幹部によると「ほっとしている」と話したという。
中村さんの父、淳貴さん(54)によると日本時間14日午後11時半ごろ、自宅に中村さんから電話があり、「心身共に非常に元気です。申し訳ない」と話したという。
小野寺五典外務副大臣と淳貴さんは15日、中村さんの引き渡しを受けるためイランへ出発。
一行は16日に帰国の途に就く予定。
国営イラン通信によると、モホセニエジェイ情報相は14日、中村さんが誘拐後に隣国パキスタンに連行されていたことを公式に確認。
イラン南東部の地元関係者によると、中村さんはパキスタン領内で解放され、14日夕までにイラン当局に保護されたという。
武装集団は麻薬密輸組織シャハバフシュとされ、解放の条件として当局に拘束された仲間ら数人の釈放を要求。
当局は有力部族を仲介に立てるなどして説得に当たっていた。