’08/02/08の朝刊記事から
返還反対集会 実施せず
サハリン 経済協力を重視
【ユジノサハリンスク7日津野慶】7日の「北方領土の日」にちなみ、北方四島を管轄するロシア・サハリン州の州都ユジノサハリンスクで5年連続で開かれてきた「領土返還に反対する集会」が、今年は開かれなかった。日本との経済協力を進める上で、対立をあおるのは「非建設的」と判断したためで、対日関係を重視するプーチン大統領の意向もあるようだ。
返還反対集会は、昨年まで日本総領事館前で行われ、前回は州議会議員や若者など約250人が参加。「千島列島はロシアの領土」などと気勢を上げた。今年は、反対集会に参加していた団体や政権与党「統一ロシア」の幹部らが同日、ユジノサハリンスク市内で日ロの経済協力をテーマにした円卓会議を開催。サハリンの経済発展には、日本との善隣関係が不可欠という方針を確認した。
ただ、領土返還に賛成する声はなく、円卓会議の司会を務めた統一ロシアのイーゴリ・アンドレーエフ・サハリン州調整担当は、「領土問題の解決策は外交官や法律家が検討すること。私たちはプーチン大統領の計画に沿って、北海道をはじめ、日本との善隣関係を発展させることを考えたい」と述べた。