俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

亀鳴く

2019-03-26 | 俳句・春・動物




亀鳴くや池に一艘舟ありて




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春も夕暮れの頃、雄亀が雌亀を慕って鳴くというが、実際に

は鳴かない。







情緒的な季語。







藤原為家の題詠歌「河ごしのみちのながぢのゆふやみに

なにぞときけばかめぞなくなる」(『夫木和歌抄』)に

よるといわれる。







春の夕暮れの感じと相俟って俳人に好まれる季語である。







池の隅に一艘の舟が繋がれてあった。

岩には亀が三匹乗っていて、正に亀鳴くという感じであった。






八つ橋を渡つてをれば亀鳴けり




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春の雲

2019-03-25 | 俳句・春・天文




原つぱに来て深呼吸春の雲




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春の雲は初春、仲春、晩春により多少の違いがある。







初春は冬雲に近く、晩春は夏雲に近い。







仲春の雲が最も春らしい雲といってよい。







空全体に白く刷いたような雲や好天にふわりと浮いた綿雲が

いかにも春らしい雲である。







原っぱにやってきて深呼吸をした。

空には白い春の雲がぽっかりと浮いていた。






春の雲浮けば足取り軽かりき




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木五倍子(きぶし)の花

2019-03-24 | 俳句・春・植物




自転車の少年ふたり花きぶし




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キブシ科の落葉低木。

山地に自生する。







三~四月、葉に先立って多数の花穂を垂らし、淡黄色の

小花を密につける。

雌雄異株で、雄株は黄、雌株は緑色を帯びる。







種子はタンニンを多く含み、ヌルデの五倍子(ふし)の代用に

黒色染料として用いたことからこの名がついた。

江戸時代には、お歯黒の材料としても利用された。







木五倍子の花が多数垂れていた。

その近くを二人の少年が乗った自転車が通って行った。






木五倍子咲く夕べの鐘を遠くにし




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木瓜の花

2019-03-23 | 俳句・春・植物




公園の自転車道や木瓜の花




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バラ科の落葉低木。

中国原産。







観賞用に庭木として栽培され、園芸品種も多くある。







三~四月頃、葉に先立って鮮やかな五弁花をつける。

一重と八重咲きがある。







花の色は、濃紅、淡紅、白、紅白の混じったものなどがある。







公園には自転車専用道があり、その近くに木瓜の花が咲い

ていた。

午後の日差しに紅が鮮やかであった。






塀の上(へ)の焔の如き緋木瓜かな




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落椿

2019-03-22 | 俳句・春・植物




落椿夕日明りのなかにあり




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散り落ちた椿の花をいう。







山茶花のように花が散るのと違い、花全体がぽとりと落ちる。







木の下に円形に落ちることもあり、また、苔の上に落ちた椿

は美しい。







椿の花が幾つか落ちていた。

その落椿には夕日が横から当たっていた。






日を受けて地に咲く如し落椿




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