今日のひとネタ

日常ふと浮かんだことを思いのままに。更新は基本的に毎日。笑っていただければ幸いです。

「日本沈没」知ってますか?

2004年03月27日 | 日本沈没

  知ってるかと聞けば、40代以上の人はみんな「知ってる。」と答えるでしょう。では皆さん、小説は読みましたでしょうか? 実は私も映画とドラマは見ましたが、小説は読んでませんでした。それで今回読んでみたのですが、結構いいですね。なにしろ、映画を見たのは小学生の頃で、その時は地震であちこち壊れる映像にばかり注目してました。大人の人たちは、いしだあゆみのヌードにばかり注目してたような気が…。

 ですが、読んでみて凄い話だなぁと思ったのは、国土とは?、国家とは?、安全保障とは?と、考えさせられる事ばかりで、こういうのを考えついて、なおかつ書き上げた小松左京は尊敬に値します。子どもの頃は「日本が沈没するんなら、家族と一緒にありったけのお金持って外国行けばいいじゃん。」と思ってたのですが、日本っていう国がなくなったら円の価値があるわきゃないし、家族っても自分の家族と親兄弟と妻の親兄弟と、とか言ってみんな一緒に行けるんか?という問題も。それより何より、難民になってしまうわけで、イスラエルとパレスチナとか他人事でなくなるわけです。

 この小説の中でも、国民を海外に退避させるべくオーストラリアに移民の受け入れを要請したり、与野党合同の対策本部では野党の党首が首相に「最も近い国々に移民を要請できないような外交しかやってこず…」と絡む場面があったり。それを考えると、あれから30年経っても韓国、北朝鮮、中国とはまともに付き合ってないですから、今同じ物語を作っても同じセリフが出るかもしれません。

 映画の公開は1974年か75年かそれくらいだったでしょうが、私はその頃この物語の本質が100分の1もわかってなかったと、今になって気づいたのでした。ちなみに、ラストは映画と小説は違います。(日本が沈没する事に違いはないですが。) また、最後は「第一部 完」となっており、続編の「日本漂流」に続くような構想もあったようですが、今となってはもう期待できないのが残念です。現在は、文庫本で入手できますので、興味のある人は読んでみては? 私は終盤「小野寺!かっこいいぞ~!」と、心の中で叫びながら読みました。ど~ですか、お客さん。