今日のひとネタ

日常ふと浮かんだことを思いのままに。更新は基本的に毎日。笑っていただければ幸いです。

スペクトラムのギターについて考える

2007年02月10日 | スペクトラム(ブラスロックバンド)

 ReSPECTっつーバンドをやってるんですが(って、どっかで見たような書き出し)、今日は本家本元スペクトラムのギターについて語ってみましょう。とはいえ、奏法についてではなく純粋に楽器というか物体というかのギターについてです。なので例によって「ついて来られる奴だけ読め」という内容ですのであしからず。

 ライブに関してですが、初期のステージ写真を見ると全てB.C.リッチのイーグルでした。(イーグルがどんなのか知らない人はここでも見て下さい。) テレビ番組では24時間TVも夜のヒットスタジオもヤングオーオーもそうだったのですが、ボディの色が違うので西さんはどうも複数台所持していた様子。

 それがデビュー翌年の夏ごろからはレスポールになりました。(レスポールがどんなのか知らない人はここでも見て下さい。) 初期はイーグルでなおかつワイヤレスシステムで演奏してたのが、中期~後期は全てレスポールでワイヤレスは使わずだったので、多分音質的に何か思うところがあったのでしょう。

 お手元にライブDVDがある方は見てもらうとわかりますが、レスポールについてはこちらもまた複数台所有していた様子。色はゴールドトップ(その名の通り金のギター)とサンバーストがあるようです。

 ちなみに渋谷公会堂のライブとファイナルの武道館ではギターが違います。渋谷の方はソープバーとも言われるP-90というピックアップが搭載されているゴールドトップで、武道館は普通のハムバッカー付きのギターです。さらにファイナルの「Night Night Knight」ではやはりP-90搭載のゴールドトップを使ってますが、ブリッジとテイルピースが一体型の奴ですので(54年モデルかな?)、渋谷のライブのギターとは違います。NHKのレッツゴーヤングに出たときもこちらのモデルだったので、多分お気に入りだったのでしょう。かなり高価なモデルだと思いますが。

 また当時の雑誌記事によると、80年の西武球場でのJAPAN JAMではグレコのスーパーリアルも使ってたようです。(スーパーリアルというのはグレコが当時発売してたギブソンのコピーモデルですが「これはコピーじゃなくてレプリカだ」というのが宣伝文句でした。知らない人はどっかで調べて下さい。) 当時西さんはグレコのパンフとか広告でブギーというギターを抱えている写真もあったので、モニターかなんかやってたのかもしれません。(ステージでブギーを使ってる写真は見たことありませんが)

 あとは楽譜集「パーフェクトコピー」の写真では、ステージにストラトキャスターが置いてあるのが確認できますが実際にステージで使ったかどうかは知りません。TBSの「サウンド・イン・S」では、これら以外にテレキャスターやギブソンのSG、オベイションのアコギも使ってました。

 一方レコーディングでは、ファーストアルバムはES-335のみ。(もちろんクレジットを100%信用してのことですが) あの軽やかなカッティングが全編これだったとは意外ですがその辺はプロの技でしょう。ファイナルのDVDをお持ちの方はリハーサルでの「Memory」で使用されてるのが確認できます。このブラウンサンバーストの335は、2ndアルバムのレコーディングや3rdアルバムのレコーディング写真でも見られますので、音質については一番のお気に入りなのかもしれません。

 2ndアルバムからはギターの種類も増えて、ストラトも使えばイーグルも使ってる様子。またクレジットにあるグレコのSVというギターは335のコピーモデルのようです。あまり見かけないギターではありますが。

 ソロアルバムからはグレコのスーパーリアルのクレジットもありますし、ギブソンのレスポールも確認できます。これもまた歌詞カードのクレジットを信用しての事ですが。

 さて、コピーバンドをやっているものとしては当然ながらライブで同じギターを使いたいと思うのが人情。しかし、イーグルは元々凄く高価なギターで当時は軽く40万くらいしたはずです。特に「ハワイアンコア」という希少な木材が使われているモデルは高いし希少価値あるんですよねぇ。

 それならそれで最近のモデルはどうかというと、85年くらいに職人が離脱してしまったらしくB.C.リッチのイーグルはまともに手に入りません。一応B.C.リッチブランドでイーグルの形をしているギターは売ってますが、これが派手な色彩でボルトオンネックでボディはバスウッドで多分韓国製。定価が3万くらいなので新品でも2万弱で売られてます。実際に弾いた事はありませんがなんにしてもあの色だけは許せません。

 高級なモデルはたまに見かけますがやはり相当高いです。当時は国産のコピーモデルがアリア、フェルナンデス、グレコなどから発売されてましたが、それでも定価10万程度。約30年経った現在ではどうかというと、あまり出てこない上にやはり10万くらいします。

 例えばベンチャーズについては「コピーやるならモズライト」というイメージがありますが、実際ノーキー師匠はテレキャスがメインですし、ジェリーマギー先生はストラトですし、ドンさんもジャズマスター使ってます。ノーキー師匠のインタビューによると「我々は一時期モズライト社の社員だったので使ってた。ギターとしてはテレキャスターの方が優れている。」との事でしたが、あくまでもイメージの問題ですのでファンがモズライトに憧れる気持ちもよくわかります。(上記のコメントはプレイヤーのインタビュー記事を100%信用してのものですが)

 そういう意味でスペクトラムファンにとっては、ギター=イーグルなんですよね。実際は現存するライブビデオではレスポールがメインであってもデビュー当時の鮮烈なイメージが焼きついてて。

 まぁしかしそんな事情を考慮すると、現実的な選択としては「やっぱりレスポールですかねぇ」と思ってるのですが、これも本物は高いし国産のコピーモデルも近年のジャパンヴィンテージブームに乗ってなかなか競争が厳しいのが現実。70年代後半に5万くらいだった国産のコピーモデルが今でも5万くらいでは売れます。30年前のギターはフレットとかナットとか糸巻きとか電気系統とかそれなりにメンテナンスしないと使えない可能性が高く、安易に手を出しづらいのですが。

 なので「さぁどーする」と困っとる次第です。今はリハもライブもセッションもストラトだけで出かけてますが「スペクトラムのコピバンでストラトでもないでしょう」という気持ちは強いです。それにしてもレスポールの重さくらいは辛抱するとして、あのギターで高い方のフレットって弾きづらいんですよね。西さんは鮮やかに弾いてましたが。

 ま、そんなこんなですが久しぶりにギターの事ばっかり思いきり書いたらすっきりしました。最後までついて来られた人が何人いるやら…。もちろん「わしの秘蔵のイーグルをあなたに譲りましょう」という人が名乗り出て下さればありがたく頂戴いたします。ここで書いたからといってまったく期待はしておりませんが。