Fit in fits

たまに富士山を撮影しています。「富士山と乗り物のコラボ」を撮ることが多いです。他のネタはほんの少し。

22%が・・・!!

2005-08-04 00:18:29 | 雑記帳
 先日、深夜にFNS系列でのドキュメンタリー番組での優秀作品を放送していました。そのなかで、確かUHB(北海道文化放送)の制作だったと思うのですが、その中で、ある意味衝撃でもあり、またある意味「ま、そんなもんか・・」と思えるデータを示していました。

 その番組は栃木県にある黒羽刑務所をドキュメントリーで追っていました。先にその“衝撃のデータ”を紹介すると・・


 「日本全国で刑務所に収監されている者の22%は軽度の知的障害者」

・・だということ・・。

 一般に知れ渡った事件例としては、東京で「レッサーパンダのぬいぐるみの形をした帽子をかぶった若者が、路上で突然若い女性を襲い、路地裏へ引きずり込み馬乗りになって何十箇所も包丁で刺し殺害させてしまった」という事件がありました。あの犯人がまさにこの例に該当するのだそうです。

 その障害ゆえに、普通の(この基準は人それぞれだが)仕事に就いてもその仕事をこなせず、またなかなか長続きせず、結果収入も低く、生活も苦しくなり、うっかり遊びなどを覚えてしまってお金を使うことの楽しさを味わってしまうと、結局お金がなくなり、カネ欲しさにモノを盗んだり、人を襲って奪ったりということで警察に捕まり、しかし軽度の知的障害のために事の「善悪の判断」はできるため「責任能力アリ」と判断され、裁判で懲役刑を受け、刑務所に入るもその作業能力が低いために黒羽刑務所へあらためて収監される人が多いということです。

 (これはあくまで私の推測ですが、普段は健常者と同じように過ごせても、切羽詰った時やキレてしまった時に、その障害ゆえに“歯止めが効かない”状態になり犯罪を犯してしまうのかもしれません)

 重度の知的障害なら違う道があるだろうし、その前に罪に問われないのかもしれません。しかし、責任能力アリと認められた軽度の知的障害者には裁判所はおかまいなしに懲役刑を課します。でもそういう人はその懲役をこなす能力すらないのです。でもそれをしないと出てこれません。

 では、刑務所で何をするのか?

 そういう人を集め収監する場もある黒羽刑務所では、例えば、紙ひもを1日中同じ長さに切るだけの仕事や、絡まった輪ゴムを1日中ほぐすだけの仕事で一応形だけは懲役をこなしているようにして刑期が終わるのを待つんです。


 ちょっと話を戻しますが、“22%”という数字は私は異様に高い数値だと考えました。その番組でも触れていましたが、それは「再犯率が高い」ということでもあります。一度刑期を終えてもすぐに戻ってきてしまう・・・。

 “人権屋”には大変申し訳ないのですが、私個人としては「このような人、特に前科があるこのような人は、(昨今いわれているような性犯罪者と同じように)一定の管理下に置き、その動向を(警察とは言わないが法務省の管轄のどこかで)把握する必要があると考えています。罪もない一般市民が何の前触れも無く犯罪被害に遭うというのは、事前に危険がある程度予測できる者もいるのにそれから被害を被るのは、納得がいかないからです。

 でも、その議論は今回は「置いといて」にします。
一番の問題は・・・、

 例えばその黒羽刑務所の中のそういうところで(誤解を招きそうなので書きますが、黒羽がすべてそういう人たちではありません)、その状態がわかっている人でも、刑期を終えると、また一般社会へと、文字通り「放り出される」ということです。

 出てきたところで普通の仕事はできないのですから、暮らしが成り立っていけるわけがありません。(懲役刑ではその労役から支度金を積み立てておき出る時に一時金として受け取るらしいですが)あげくにまたお金がなくなり再犯を犯す確立が高くなってしまいます。そのような経歴の人はアパートだってなかなか借りられません。生活のベースを築けないまま社会に“放り出される”のです。逆に言えば「それなら刑務所にいるほうがマシ」と考える人も多いとのこと(その方が「社会も安全」というのは語弊があるのでしょうか)。

 刑務所では、そんな人を再教育したり、職業訓練する制度や施設はありません。ただ刑期を消化するためだけの施設だからです。だから同じことの繰り返し・・。法改正がなされ「心神喪失などで重大犯罪を犯した者を専門病院で入院治療を行う」ことに7月になりましたが、まだほとんど対応できる施設がないのが現状です。しかも軽度の知的障害者はこれにも当てはまらないで収監されているのです。

 これでは軽度の知的障害者の収監率が高いのは「当たり前」です。

 悲惨な犯罪を防ぎ、悲しい被害者をこれ以上出さないために、その教育システムと復帰支援を根本から考え直さないといけないところへもう日本は来ていると思います。もちろん社会の受け入れ体制や国民全体が“それを受け入れる考え方”ということも含めてです。

 その番組の最後に刑期を終え出所する人の短いインタビューがありました・・。

取材者「いよいよですね。出所できてうれしいですか?」
出所者「いや、ものすごく不安です。これからどうやっていけばいいのか・・・」

 これが真実でしょう。


「バカは死ななきゃ治らない」だけではマズイ。

 ああ、この書き方は「危ない」かなぁ・・・。それとまさか「22%」が“低い”っていうひとはいませんよね?
コメント (8)
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