有馬記念を直前に、ちょっとこじつけのような事を書きますが・・、
最近「映画ファンド」なるものを散見するようになりました。映画ファンドとはどういうものか?から説明しないといけないので、「日本初の個人向け映画ファンド」を募集した映画「忍-SHINOBI」を例に見てみましょう。
映画「忍-SHINOBI」の場合・・、
投資額は一口10万円から。何口でも申し込めます。 映画ファンドで集められた資金は、「忍-SHINOBI」の製作費などに充てられ、劇場収入とビデオ収入から利益を還元します。 さらに、投資金額に応じて、特別試写会への招待状、特別限定メイキングDVD、スタッフジャンパーなど豪華特典が手に入ります。しかも、映画のエンドクレジット、DVDへ名前を載せることができます。
・・とのことで、・・その概要は、
1、投資額は10万円からとします。一口10万円で、何口でも申し込みできます。投資家から集めた資金は、「忍-SHINOBI」の製作と配給の費用へ充てられ、映画の完成後、興行とビデオグラムの事業収益から一定割合で、投資家へ還元します。
2、リスク限定型の2つの商品
映画特有のリスクを一定範囲内に抑えるため、事業成績が不振な場合でも、元本の一定割合が確保されます。元本の60%が確保されるタイプと、元本の90%が確保されるタイプの、2種類の商品を提供します。
3、シミュレーション
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10万円を投資した場合のシミュレーションは以下の通りです。償還日の受取額は、元本、金利、分配金の合計です。 例えば、興行収入5,000百万円、レンタル1,050百万円、セル1,575百万円の場合、元本60%確保のタイプへ10万円投資した投資家は、151,825円を受け取ります。元本90%確保のタイプへ投資すると、112,956円を受け取ります。 |
・・・とのことです。ま、単純に言えば、「映画製作のために出資して、映画が当たればその利益が返ってきて儲かる」ということです。エンドクレジットの名前が出るというのは映画好きにとっては夢みたいなものですが、実際はた~~~~くさんの名前が画面上をど~~~~~っと流れるだけでしょうから、自分の名前を見つけるためには映画館ではほぼ不可能で、後からDVDを買ってスローで確認しなければならないのかもしれません。そのDVDの売上からも還元されても自分で買ったうちのほんの少しが配当として返ってきても腑に落ちないのかもしれません。もっとも出資者にはDVDの1枚ぐらい無償で配布してくれるのでしょうが。
さて?それが競馬とどう繋がるのか?とお考えの方が多いでしょう。それは・・・
まだ日本では始まったばかりの映画ファンド、そのファンドの結果がどうだったのかは映画館での上映が終わっても、DVDなど関連の商品が一定期間でどれぐらい売り上げたかのデータが出ないとはっきりしません。そして、出資者にいくら還元されたかの発表を待たないといけないので、公開してすぐに結果が出るものでもありません。
しかし、今後その結果データが増えてくるにつれ、誰がディープインパクトで?誰がサンデーサイレンスなのかがわかってくるようになるはずです。つまり、どの俳優さんが出ると映画が当たるのか?誰が監督をやると当たるのか?原作者が誰だといいのか?脚本が誰だと当たるのか?脇役は誰がいいのか?そして、それによってファンドから還元された、つまり配当で儲かったのか?のデータが揃ってくるようになります。
誰がディープインパクト(主演俳優)で?誰がサンデーサイレンス(映画監督)で?誰が池江調教師(脚本家またはプロデューサー)で?誰が武豊(助演俳優または共演女優)だと映画が当たるのか(G1レースで勝てるのか)?ということです。
そのデータが揃ってくると、ファンド募集開始直後から予想配当率(競馬でいえばオッズ)が算出され、それによって人気を集めてさらに資金が幅広く集まり、リスクも分散されるが配当のうまみも減ったり(ディープインパクトの単勝1.0倍のように)するのです。
そのうち、その映画ファンドの証券を売買する市場が形成されるかもしれません。ヒット確実な女優が出演することが決まっていて高配当が見込まれたはずなのに、ある日突然その女優が結婚を発表して、相場が暴落したりするかもしれません。そしたらそのファンド証券証書を売りに出したり、逆に安くなったから買い集めたりということも。婚前旅行に突然出発した矢田亜希子のようなのがいると相場は乱高下したりして。
さらに一般化すれば、スポーツ新聞芸能欄に「ファンド展開予想」なる評論家による配当予想なんかが載るようになり、だんだん競馬新聞化してくるんじゃないかと。そんな気もします。
現在はまだ、「映画ファンの夢を募集する」ようなスタンスですが、なんせお金が絡む事業です。儲かるとなれば、「村上映画ファンド」が映画会社を乗っ取ったりするかも?しれまえん。今後の市場成長が見ものでもあります。