古いニュースから。ずっと書こうと思ったまま放っておいたものです・・(“古い”のに“ニュー”とはこれいかに)・・
全国18団体がブラックバス包囲網 駆除イベントも計画
2005年12月30日
水辺の生態系保護に取り組む全国18の市民団体が「全国ブラックバス防除市民ネットワーク」を結成し、ブラックバスが壊した生態系を本来の状態に戻そうと活動を始めた。ブラックバスが今年6月施行の外来生物法で特定外来生物に指定され、飼育や移動、放流などが原則禁止されたことを受け、全国的に駆除に乗り出す。来年5月には各地で駆除を目的にしたイベント「全国ノーバスデー」を催す。
元環境省自然環境局長で水生生物保全研究会代表理事の小林光さんや、写真家で生物多様性研究会代表の秋月岩魚(いわな)さんらが呼びかけ、「琵琶湖を戻す会」や「ゼニタナゴ研究会」など全国15団体が11月に東京で発起人会を開いた。その後、さらに3団体が加わった。
駆除には、産卵できるかごを設置して卵と親魚を一網打尽にしたり、電気ショックを与えて船の周辺の魚を一時的に気絶させてブラックバスのみを捕まえたりする方法がある。加盟団体間で情報を交換し合って駆除に乗り出し、市民にも冊子などで駆除の必要性を啓発する。学生や自治体職員を対象にした駆除の研修も計画している。
「ノーバスデー」は来年5月28日。加盟団体が各地で市民に参加を呼びかけ、シンポジウムも開く。駆除目的で湖沼などのブラックバスを釣ったり、地引き網を入れたりする。
事務局長を務める小林さんは「地域の生態系を守りたい、取り戻したいという一心から活動を始めた」と話す。同ネットへの参加などの問い合わせは、事務局を兼ねる水生生物保全研究会(03・5332・3362)へ。 (asahi.comより)
さて、私は魚釣りをほとんどしないし、環境問題などについては自分にできる範囲のことぐらい(ゴミをポイ捨てしないとか)しかしないから・・・(ロハスってとっても都合のいい言葉かも。責任がテキトーで。)・・・自分が食べないブラックバスがどうだとか、それによって在来種の魚がどうなろうとあまり関係ない。
上記のニュースなどに現れる問題は、バス釣り愛好家にとっては「大きなお世話」であり、清水国明などが全面に出て「ブラックバス駆除」に反対を唱える団体や個人も多い。
私は「生態系」という名を借りて、やれ「バランスが崩れる」とか、「生物の多様性が乱れる」だとかいうのも、“な~にエラそうなこと言ってやがるんだ”と思うこともしばしばだ。なぜか・・・
だって、生態系が云々ってのは、「人間が住む環境」が脅かされることを恐れて、または「人間が食べるもの」への影響を恐れているだけのような気がするから。いかにも全ての生物に思いやりを見せているかのようで実は自分たちの都合だけで議論してるんじゃないだろうかと。
もちろん地球温暖化など、海水面が上昇し、さんご礁の島々などが水没するだとか(ウチだって海面が4m上昇すればウチの周りはベニスのようになってしまう)、異常気象が多発するだとかいうのは困る。だからといって、ブラックバスがその繁殖力ゆえに在来種が生育できなくなっても、私はほとんど関係ない。淡水魚なんてアユ意外はほとんど食べないし。
ブラックバスが壊した生態系を本来の状態に・・・というのだが、「本来の状態」ってのはじゃぁどういう状態なのか?湖沼には、いわば観光のための、つまり観光客が落とすお金が目的のために魚を放流して育てるところだってある。その人工的な放流は「生態系を乱し・・」てはいないのだろうか?湿地帯を埋め田んぼを作り米を育て、山を切り開いて果樹園を作るのは・・つまり、農業や林業、養殖や放流での水産物育成は「生態系を乱して」・・はいないのか?湿地帯にだって雑草とはいえ「本来の生き物である」草も生え、カエルやミズスマシや昆虫だっていただろうに。そこへ米を作って農薬で虫をやっつけているのはいいのか?
スギ花粉だってどこもかしこも山にスギを植えたのが原因ではないのか?釣りの楽しみのために勝手にあちこちにブラックバスを放流したのもいけないとは思うが、だからといって、さんざん地球をいじくり回した後になっていまさらそんなこと言ったって、じゃぁ人間が食えなくなってもそれは「正義」なのか?農業や養殖をやめて生産量が落ちて食べ物の値段が高騰し、人間が食べ物を買うのも大変になっても、それでもいいのか?そもそもの議論の発端が人間のエゴだけのような気もしないでもない。
もっと広い視野で見れば、たとえ「生態系の乱れ」によって絶滅するものがあったとしても、それは「地球の歴史上のホンの些細なこと」なのかもしれない。今になって「誰がアメリカザリガニを持ち込んだんだ?」とか「誰がミドリガメを放したんだ!」とか言っても始まらないし、「恐竜が滅びたんだから生態系が乱れたんだ!生態系を取り戻せ!」とも言わないだろう。
そして、よく「恐竜は地球に巨大隕石が衝突して始まった氷河期によって絶滅した」とか言われるが、もしそれが正しければ、「どんなに生態系維持、または生態系回復」に努力をしても、“隕石一発で全てブチ壊し!”になってしまう可能性だって無いとは誰も言えない。本当に隕石がぶつかるとしたら予想はできても巨大隕石を破壊し衝突を回避することは現代の科学ではまだムリだ。
そして、これからまたそういう「天変地異」が起こったとしても、それはそれで単に「地球の歴史の1ページ」でしかないのかも。だからブラックバスがどうのこうのと騒ぐのも「何をいまさら・・」と私は悲観的に考えている。
だからまぁ人間が食える範囲内でテキトーにやるしかないんじゃ?全ての場所で生態系を取り戻したら、それこそ人間が暮らしていけなくなる。
そして・・氷河期の後には自然は回復した。自然は自然に回復した。放っておいても。
実は地球の生態系にとってそのバランスを取り戻す一番良い方法は、「それをかき乱す人類が絶滅すること」じゃないだろうか?