米国:住宅バブル崩壊 100万軒が差し押さえに
ちょっと引用が長いけど、全文あったほうがわかりやすいと思うので・・↓
米国のサブプライム住宅ローン(信用度が低い借り手用の融資)が破綻(はたん)し、世界経済を揺るがせている。カリフォルニア州などで住宅バブルがはじけたのがきっかけ。ローン返済が滞り、競売にかけられた住宅数は7月だけで全米で約18万軒。今年末までに100万軒が差し押さえられるという。一体、何が起こったのか--。【米カリフォルニア州ストックトンで、毎日新聞・國枝すみれ】
サンフランシスコから車で東に2時間、銀行の差し押さえ率全米一のストックトン。市中心部にある裁判所前で始まった競売はわずか5分で終了。約30件の不動産が差し押さえとなった。ブドウ畑に接する新興住宅地では真新しい家に「大幅値下げ」の看板がかかる。
サンフランシスコやサンノゼの高所得者が投資目的でセカンドハウスを購入したため、不動産価格は00年から毎年10%超も上昇。04年には前年度比43%、05年には63%も急騰した。住宅ローンは「頭金2割、30年」の固定金利が基本だが、金融機関は「頭金なし、最初の1~3年間は金利のみ」、またはごく低利の金利のみを払えばいい変動金利ローンを設定し、投機ブームをあおった。
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不動産業のクレア・キティラスさん(30)は04年初め、33万6000ドル(約3860万円)で家を購入。1年たらずで56万ドルに値上がりしたため、変動金利ローンに借り換え、借入金の一部を2軒目の家(56万ドル)の購入費用に充てた。当初は30年固定金利ローンで支払いは月1600ドルだったが、変動金利に変えたため今年は2軒分で月5800ドル。価格は下がり、転売もローン借り換えも不可能になった。「どうせ30年も住まないし、価格は上昇し続けると思っていた」と唇をかむ。
地元の不動産ブローカーのルイス・マウーツアさん(37)は「悪質なのはサンフランシスコなどのブローカー」と前置きしたうえで、具体的な取引例を明かしてくれた。「預金も良い仕事も信用もなし、家が欲しい気持ちだけがある、という市民に貸し付けた。完済能力があるのは2割だった」(※注1)
借り手に現金がないため、ローン申請書に借り手の偽の収入証明書を添付するブローカーも。銀行側も気にしなかった。
住宅ローンは証券化され、結局損をしたのはヘッジファンドや海外の投資家だ。マウーツアさんは振り返る。」(※注2)
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サンフランシスコやニューヨークのマンハッタンは居住空間が限られているために不動産価格が下がりにくいが、ストックトンの周囲には農地が広がる。シリコンバレーのような地場産業もない。価格はあと2年は落ち続けるとみられる。
マウーツアさんは「政府は救済のために税金を投入すべきではない。バブルはまた起きる」とみる。調査会社のハウジング・プレディクターによれば、米国人の8割が同意見だそうだ。(※注3)
毎日新聞 2007年9月15日 9時57分 (最終更新時間 9月15日 11時19分)
え~と・・、先に(※注1)、これを・・「預金も良い業務内容も信用もなし、ゴルフ場やリゾートホテルが欲しい気持ちだけがある、という企業に貸し付けた。完済能力があるのは2割だった」と置き換えれば日本のバブルそっくりじゃないか?
そして(※注2)、これも「欲にまみれた借り手、非倫理的な方法で仲介したブローカー、きちんとしたガイドラインがないくせに貸した銀行。」と置き換えれば日本のバブルそのもの。「責任は全員にある」はずなのだが・・・で、(※注3)、日本は銀行を助けるために大量の税金を投入した。ちゃんと返した銀行もあったが返せないで破綻したところもあった。返した銀行・・って言ったって、返すまでの間は「貸し渋り、貸し剥がし」、さらには預金者には超低金利で利息は払わず、手数料だけどんどん上げて、おつり用に紙幣から貨幣への両替も手数料を上げて儲けてた・・・まぁ、ここまではいい。でも未だに業界の平均給与が日本のトップ水準ってのは関係ない市民はバカにされてたみたい。勝手に損したぶんを市民から吸い上げて税金を返した。
もっともあちこちの銀行が破綻したらもっと混乱はあっただろうけど、税金で助けてもらった銀行はもっともっと給与を下げるべきなんじゃないの?今からでも遅くない、それで浮いた分を預金者に還元せよ!
そして、ストックトン。この名前、清水の人は聞いたことあるよねぇ? そう!旧清水市の姉妹都市の相手なんだよねぇ~!港湾道路の「宗徳橋」は英語表記だと“ストックトン・ブリッジ”だからね。こんなことで名前が出るとはね。