観て来たのは先週の日曜日、2月2日の日でした。
この日は連れ合いとふたり、180数席のところに観客は20数名といった入り、観客のほとんどが私たちと同じ年代です。第1回目の上映で10時10分と早かった所為もあるかも。
あれからもう一週間、印象は少しずつ薄らいできたいるような、でも、しかし、書き進むにつれて、いろいろな場面が、いろいろなセリフが、いろいろな登場人物が、いろいろと蘇ってくる筈。でも、なかなか蘇らない時も・・・。
見終わって直ぐ、何か書きたくなるほど、強烈な印象が無かった事も・・・、それに、この間、いろいろとあったりして、そんな気持ちになれなかった事も・・・。
兎に角、当日、見終わって、一番最初の感想は、二人揃って、『女中“布宮タキ”がヨカッタ!』でした。若いときのタキを演じた『黒木華』です。主役は“若き日のタキ”で間違い無い。
黒木華、初めて見る、初めて聞く女優です。とても昭和の顔をしていて、とても懐かしいのです。衣装や、化粧や、演技や、演出もありますが、素の部分でもきっと昭和の匂いがする方だと、それでこそのキャスティグだったと思うのです。
控え目で、純朴で、優しくて、可愛くて、常に腰を曲げ前傾姿勢で、奥様に仕える姿が、とても、とても印象的でした。
それに対して、背筋を伸ばし、和服で、きりりとした立ち姿の奥様、平井時子役の“松たか子”これは、これで、とても魅力的でした。
36歳いい女優になってきました。
都会のお嬢様育ちの『平井時子』、東北の貧しい農村育ちの『布宮タキ』、対照的な二人の女が出会い、戦争を背景として織りなす微妙な三角関係の物語。
これまでは“正しい男と女、正しい夫婦、正しい家族”を描いてきた山田監督としては、珍しいと云うか、初めてと云うか、いろいろあっての物語なのです。
それでも、やっぱり、当然ながら、激しくも、狂おしい愛欲場面はありません。そんなところが山田洋次で、それは、それで、リアリティーなのです。
がぁ、でも、どこか、何か、綺麗事に見えたりして、印象が薄くて穏やかで、松竹大船調で、教科書的で、物足りなく思ったりして・・・・・、ちょっと言い過ぎでした。
まあ、それは、それとして、この作品で、山田洋次監督の戦争に対する歴史観が、もしかして、変化したのでは、と、思いました。
『母べい』では、暗くて、“特殊な時代”として戦前戦中を描いていましたが、今回の作品では、明るくて、普通な人達の、普通な時代として、戦前戦中を描いています。
過去の時代を、今、この時代に描くと云うことは、当然、あの時代と、この時代、共通する事柄があるとの認識です。
時代に、危うさを感じる監督、いまの世の中、庶民の、インテリの、文化人の、マスコミの、企業家の、政治家の、官僚の、危機感の無さ、と、世の中の表層の明るさから、もしかして、あの頃も、そうだったのかも・・・。
そして、このままでは、みんな、みんな、普通に、普通に、明るく暮らして、もう一度、破局を迎えるのでは・・・。
で、『小さなおうち』を制作した?まあ、そんな作品だと思いました。
まあ、偉そうに云わしてもらえば、『母べえ』より、『東京家族』より、ストーリー展開はずっと、ずっと、面白く、時代背景の解釈も、教科書的、オールド左翼的では無いところが、とてもヨカッタです。
自分で書いていても、褒めているのか? 貶しているのか? 何だかよく解らない感想になってしまいました。
明るくも暗く、普通で異常な、単純で複雑怪奇な、表と裏とホンネとタテマエと、一筋縄ではいかない、そんなところが、生きていて、面白くも、悲しい・・・、何て、思ってしまう作品です。
まあ、そう云う事で?今日のところはお終い。
次回からは、パンフ等をじっくり読んで、いろいろと、書き綴っていこうと思います。
それでは、次回。
この日は連れ合いとふたり、180数席のところに観客は20数名といった入り、観客のほとんどが私たちと同じ年代です。第1回目の上映で10時10分と早かった所為もあるかも。
あれからもう一週間、印象は少しずつ薄らいできたいるような、でも、しかし、書き進むにつれて、いろいろな場面が、いろいろなセリフが、いろいろな登場人物が、いろいろと蘇ってくる筈。でも、なかなか蘇らない時も・・・。
見終わって直ぐ、何か書きたくなるほど、強烈な印象が無かった事も・・・、それに、この間、いろいろとあったりして、そんな気持ちになれなかった事も・・・。
兎に角、当日、見終わって、一番最初の感想は、二人揃って、『女中“布宮タキ”がヨカッタ!』でした。若いときのタキを演じた『黒木華』です。主役は“若き日のタキ”で間違い無い。
黒木華、初めて見る、初めて聞く女優です。とても昭和の顔をしていて、とても懐かしいのです。衣装や、化粧や、演技や、演出もありますが、素の部分でもきっと昭和の匂いがする方だと、それでこそのキャスティグだったと思うのです。
控え目で、純朴で、優しくて、可愛くて、常に腰を曲げ前傾姿勢で、奥様に仕える姿が、とても、とても印象的でした。
それに対して、背筋を伸ばし、和服で、きりりとした立ち姿の奥様、平井時子役の“松たか子”これは、これで、とても魅力的でした。
36歳いい女優になってきました。
都会のお嬢様育ちの『平井時子』、東北の貧しい農村育ちの『布宮タキ』、対照的な二人の女が出会い、戦争を背景として織りなす微妙な三角関係の物語。
これまでは“正しい男と女、正しい夫婦、正しい家族”を描いてきた山田監督としては、珍しいと云うか、初めてと云うか、いろいろあっての物語なのです。
それでも、やっぱり、当然ながら、激しくも、狂おしい愛欲場面はありません。そんなところが山田洋次で、それは、それで、リアリティーなのです。
がぁ、でも、どこか、何か、綺麗事に見えたりして、印象が薄くて穏やかで、松竹大船調で、教科書的で、物足りなく思ったりして・・・・・、ちょっと言い過ぎでした。
まあ、それは、それとして、この作品で、山田洋次監督の戦争に対する歴史観が、もしかして、変化したのでは、と、思いました。
『母べい』では、暗くて、“特殊な時代”として戦前戦中を描いていましたが、今回の作品では、明るくて、普通な人達の、普通な時代として、戦前戦中を描いています。
過去の時代を、今、この時代に描くと云うことは、当然、あの時代と、この時代、共通する事柄があるとの認識です。
時代に、危うさを感じる監督、いまの世の中、庶民の、インテリの、文化人の、マスコミの、企業家の、政治家の、官僚の、危機感の無さ、と、世の中の表層の明るさから、もしかして、あの頃も、そうだったのかも・・・。
そして、このままでは、みんな、みんな、普通に、普通に、明るく暮らして、もう一度、破局を迎えるのでは・・・。
で、『小さなおうち』を制作した?まあ、そんな作品だと思いました。
まあ、偉そうに云わしてもらえば、『母べえ』より、『東京家族』より、ストーリー展開はずっと、ずっと、面白く、時代背景の解釈も、教科書的、オールド左翼的では無いところが、とてもヨカッタです。
自分で書いていても、褒めているのか? 貶しているのか? 何だかよく解らない感想になってしまいました。
明るくも暗く、普通で異常な、単純で複雑怪奇な、表と裏とホンネとタテマエと、一筋縄ではいかない、そんなところが、生きていて、面白くも、悲しい・・・、何て、思ってしまう作品です。
まあ、そう云う事で?今日のところはお終い。
次回からは、パンフ等をじっくり読んで、いろいろと、書き綴っていこうと思います。
それでは、次回。