歩く・見る・食べる・そして少し考える・・・

近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

「海街diary」鎌倉で父と云う男を見つめる“四人の女の物語”そして風吹ジュンのヒラヒラの衝撃

2015年08月05日 | 映画の話し
前回の続きです。

それで、三姉妹の母親なんですが、厳格な教育者の一人娘?ですから、当然に、まさに、両親を反面教師として、その対極を求めたと思うのです。

かなり自由と云うか、いい加減と云うか、手間を掛けない、煮込まない“シーフードカレー”的?な人なのです。

そんな、煮込まない、手間を掛けない、女の選んだ男も“シーフードカレータイプ”でした。当然、厳格な両親と対立し、二人の関係も、それなりに煮詰まることなく破局し、二人は別れ、家族を捨て、別々の人生を歩むのでした・・・・・・。

まあ、そんな、こんなで、祖父母に育てられた三姉妹、両親の影響は直接的に無いと思いますが、きっと、きっと、祖父母を通しての両親像を、何度も、何度も、聞かされつつ育った筈です。

長女は、ものごころ付いてからですから、捨てられた意識は強く、両親への反発も一番強く、真面目に、地道に、看護師の道を選んだのでした。

次女は、信用金庫勤めですから、それなりに真面目なのですが、異性にはかなり、かなり、ゆるく、そんなところは両親に似ているのかも。

三女は、まったく、祖父母にも、両親への反発もなく、影響もなく、かなり、かなり、自由な性格。

それで、見逃したのか、聞き逃したのか、父が、母が、家を出て行ったのはいつ頃なのか、よく判らなかったのです。それなりに重要なので、それなりの台詞があったような、無かったような・・・・・・。

それで、原作者ですが、女性?だったと思いますが、父が再婚して生まれた子供も女の子、最初の子供も、三人すべて女の子。これは、父と云う男を、女の目をとおして描き、そして、その事で、“四人の女の物語”になっている・・・・・・。

まあ、そんなところが、おじさんとして、男として、作品の中に入り込まず、かなり第三者的に眺めていた・・・、そんな気がします。でも、じんわりくる作品です。

四人の女性、ひとり一人を主役に、四つの作品が作れそう。そして、また、海猫食堂の主人(風吹ジュン)と、山猫カフェの主人(リリーフランキー)との恋も面白そう。まあ、いろいろ詰め込まれている作品です。

原作が女性?で、女の視点で描かれた物語を、男性の視点で描く? 原作とは、かなり異なる展開なの?

まあ、それは、それとして、腹違いの妹“すず”を引き取る三姉妹。

“すず”が健気に父を最後まで看病したことを知った幸。

それで、幸が“すず”の事をどうして知ったのかがよく判らなかったのです。次女が長女に向かって『さすが・・・??????・・・だね』の台詞がよく聞き取れなかったのです。

かなり後になって長女の幸が看護師で、同業者として、父の入院先に電話を入れ、それなりに様子を聞き出していたと納得したのです。

それで、一緒に暮らす事を言い出したのは長女の“幸”でした。“すず”が父親に抱く思いに、自分の知らない父の姿を探し、それなりに理解したかったのでしょう。

父としても、それなりの反省を踏まえての再婚。娘への接し方も、思いも、それなりに素直になっていたと思います。“すず”の爪にペイントはしないのです。

“すず”と暮らした日々こそ、父の一番幸せで、父らしい人生の日々で、想いを残す鎌倉で食べた“シラストースト”を作り、“すず”と一緒に食べ、幸せを噛みしめていたのです。

そんな父が大好きだった“すず”。

そんな“すず”を見て、父への想いが少しずつ変化していく“幸”。

そんな物語が、鎌倉を舞台にして、描かれるのです。

父の葬儀、海猫食堂の女主人(風吹ジュン)の葬儀、祖父?祖母の?法事、人の死で、その儀式で、人生と云うものを、それなりに語りかけてきたりするのです。

お寺、葬儀、お墓、そんな事が近くなったてきた今日この頃、いろいろと、人生なんて事を考えたりするのです。

鎌倉で、法事で、葬式で、お墓で、これだけで、かなり見ていて飽きないのです。鎌倉の風景に物語を感じてしまうのです。


それで、風吹ジュンが半袖で、店先で手を振るシーンなんですが、二の腕の弛みが、アップで映し出されるのです。弛んだ肉ならまだしも、弛んだペラペラの皮膚がヒラヒラと揺れるのです。

これは、もう、衝撃!でした。老いたるとは云え、あの“風吹ジュン”を知る世代として、絶対に許せないカットです。

死を間近にした姿を、あのヒラヒラで表現した?そうだとしても許せません! もう少し考えろ是枝!

ちょっと興奮して感情的になってしまった。

兎に角、見終わって、暫く椅子に座って、その余韻を楽しめる、とてもイイ作品です。


それでは、また。


本日も暑い!





コメント
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