昨日の続きです。
鳥居をくぐり、石畳の参道の中心を歩き、本殿前に望む位置で135度左に曲がり、本殿と正対し、真っ直ぐに本殿に向かい歩き始めました。
この時は、
『神様の正中線とは、本殿の中心から真っ直ぐ正面に引いたときの線をさしますが、この線は大変重要で、人間が踏むことをあまり良しとはしないのです』
何て事は全く知らずに、手と口を清め、神の正中線を踏みつけながら本殿へと向かいました。
先ずは、阿吽の狛犬をちらりと眺め、石段を上がり、お賽銭をあげ、「二拝二拍手一拝」してお参りです。
お参り後、狛犬の鑑賞です。ブロンズ製の狛犬、なかなかデザインです。全体に力強さがあり、顔の表情も凛々しく、睨みが決まっています。
吽形の狛犬を鑑賞していると、「おャ? 何だこれは?」右脚の付け根に「接合」したような「筋」を発見したのです。
明らかに、切断して継ぎ足した様に見えます。
もしかして? 「それでは」と、思い吽形の狛犬を見ると、
こちらは、阿形よりハッキリとした「接合線」がありました。
何故なんだろう? どうして何だろう? と阿吽の狛犬を見つめ考えたのです。
ブロンズ像の制作工程で、溶かした青銅が脚の先端に巧く充填出来ず、脚だけを別に作り、後で接合した?
しかし、こんな事は、制作者としても納得がいかないだろうし、奉納される側の神社としても認めることはしない筈です。
それでは、何故、どうして・・・・・・と、考えつつ、暫く境内を散策していると、別の狛犬を見つけました。
こちらは「石造り」です。阿形は左前脚を「球形の鞠の様な物」に乗せています。
吽形は右前脚を「岩」の上に乗せています。
もしかして、先ほどのブロンズ製狛犬も、前脚が何かのポーズをとっていた可能性があります。
そこで閃いたのです。実はあの狛犬、前脚部分がかなり大胆にデザインされていたのでは?と、思ったのです。
最初は神社側も、その大胆なデザインに躊躇していたのですが、制作者の熱意に負け、そのデザインを受け入れたのです。
しかし、実際に本殿前に置かれると、周囲の風景とは違和感があり、結局は取り付け後、神社側の要請でデザイン変更がなされた・・・・・・、そんな背景が頭に浮かんできました。
それに対して、完成後のデザイン変更に制作者がなかなか納得せず、あの不完全な「接合筋」として、その気持ちを表現したでは? そんな気がしてきました。
それにしても、石の狛犬も、ブロンズの狛犬も、台座とは年代的にズレが有るように見受けられます。
どちらも、台座の方がかなり古く、同時代のものではありません。以前は別の狛犬がのっていた可能性が高いようです。
脚の接合部の事ばかり考え、制作年の確認を忘れてしまいました。もしかして、その辺の経緯の手がかりになりそうな、そんなことが台座に記されていたかも知れません。
兎に角、前脚接合狛犬は、それは、それとして「面白かった」です。
愛宕神社には、まだ面白いものがあります。
それではまた明日。
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