以前にも何度か書いたように、私にとって理想的な趣味グルマというのは、シンプルで小型/軽量なスポーツカーです。まぁ色々な意味で私の身の丈にあったクルマっていうことですね。
で、色々と考え合わせた結果、この下の画像のクルマ、ジネッタG15スーパーSこそが最高、セカンド・ベストはアルピーヌ・ルノーA110 1600SCとデ・トマゾ・ヴァレルンガという結論に達しました。この順位は、もう十数年変わってませんね。ところが、実は最近になってもう一台、とても気になるクルマが現れてしまいました。そのクルマとは・・・・・・
ブラジルのプーマGTシリーズ!。ブラジル製の空冷VW (正確にはカルマンギアTC)用のプラットフォームをベースに、スポーツカー風のFRP製のボディを被せたクルマです。
このクルマ、昔からその存在は知っていたものの、B級どころかC級のインチキ臭いクルマっていうイメージが強くて、とても自分が購入する対象として意識できるような存在ではありませんでした。しかし、ひょんなきっかけからこのクルマについて調べてみたところ、初期型は中々美しいスタイリングの魅力的なクルマであることを知ってびっくり。こりゃ、悪くなさそうだなぁ。何となくインチキ臭いところも、むしろ私のキャラクターには合っているかも知れなしぞ。だんたん欲しくなってきたよ。
と、いうわけで、今回は知られざる?プーマGTについて、簡単に解説してみたいと思います。
最初のプーマGTは1967年に登場しました。しかし、この最初のモデルはDKWの981cc、3気筒、2ストローク・エンジン(60PS)を搭載して前輪を駆動するというレイアウトを採用していました。何となく、サーブのソネットⅡを思わせるようなクルマですね。
ボディのサイズは全長3990mmX全幅1630mmX全高1160mm。車両重量は820kgで、最高速度は140km/hと発表されています。
しかし、DKWがVWに吸収されたことなどもあり、ベースをVWに変更することになります。これがプーマがDKWエンジンからVWエンジン(1403cc、60PS)に変更された最初の市販モデルである68年モデルの広報写真です。
当初はプーマⅡ GT1500と呼ばれていました。単体の写真では分からないでしょうが、ボディ・サイズは全長3960mmX全幅1580mmX全高1160mmという非常にコンパクトなクルマでした。車両重量は680kgで、最高速度は150km/hと発表されています。この最初期モデルはバンパー下のスリットが縦で、センターロック風のホイールキャップが付いてます。
そしてこれが69年モデルの広報写真。フロントバンパー下のスリットが横になりましたね。マグホイール風ですが、実はこれもホイールキャップです。この年から排気量を1584cc、70PSに変更し、名称もプーマGT1600となりました。
これが69年モデルのカタログ。カタログの写真を見ると、ボディ・カラーが黄色だったことが分かります。
これは70年モデルのカタログ。小さい割にはデザインに破綻がないと思いませんか?
これは71年モデルの広報写真。名称は1600GTEへと変更されています。。まだフロントのマーカーはパンバーの下にありますね。輸出仕様なので、前後フェンダーのサイドにも四角いマーカーが追加されています。またホイール・キャップのデザインが変わっています。
この年、オープンモデルのGTEスパイダーが追加されました。
この年、オプションとして1796cc、90PSのエンジンも追加されています。
そして、これが71年モデルのカタログ。広報写真と同じクルマ。モノクロでは分かりませんでしたが、これもボディカラーは黄色だったんですね。プーマは原色が良く似合うクルマのようです。
72年モデル以降になると、それまでバンパー下にあったフロントのマーカーが、バンパーより上に移動してしまいます。私としては、どうせ手に入れるなら初期のモデルがベターだと思っていますが、それは無理ならこの辺りのモデルでも悪くないと思っています。
そしてこちらが72年モデルのカタログ。
73年モデルになると、ドアハンドルの形状が変更され、シンプルなプッシュ・ボタン・タイプになります。ノーズとフロントフード上にあったプレスライン風の凸部も消滅してシンプルなデザインとなりました。カタログ上の表記を見てもお分かりの通り、オープン・モデルがGTSと呼ばれるようになるのは、この73年モデルになってからのことでした。
しかし77年モデルに於いて、ベースがカルマンTCからブラジリアに変更になったのに伴い、スタイリングに大きな手が入れられることになりました。これがその77年モデルのカタログです。
ウ~ム・・・・・・何となくボテッとした印象になりましたね。ボディのサイズも全長4000mmX全幅1665mmX全高1200mmと一回り大きくなりました。車両重量は750kgと発表されています。
エンジンは1600ccのままでしたが、当時の公称データでは最高出力は90PS、最高速度182km/hという非現実的な数字が発表されていました。
リア・クォータがエア・アウトレット用のスリットじゃなくて、このようなウィンドウに変更になりました。
好みの問題もあるのでしょうが、私的にはこれではちょっとNGです。レース用にモディファイされたクルマは結構好みなんですけどね。
このプーマGT、75年にチェッカー・モータスが輸入していたことがあるものの、現在日本国内で生き残っているクルマは大半が北米経由の並行輸入で入ってきた77年モデル以降のクルマのようです。初期型が欲しかったら、海外から輸入するしかないでしょう。
最後にオマケ。私の所有しているプーマGTのモデルカーです。スケールは1/33程度かな。
もちろんブラジル製ですよ。でも、裏に “PUMA” って書いたなかったら、何だか分からないでしょう。
いっそのこと、実車の方もVWニュービートルRSiとプーマGTのペアにして、中南米産のクルマのスペシャリストを目指そうかな(笑)。
で、色々と考え合わせた結果、この下の画像のクルマ、ジネッタG15スーパーSこそが最高、セカンド・ベストはアルピーヌ・ルノーA110 1600SCとデ・トマゾ・ヴァレルンガという結論に達しました。この順位は、もう十数年変わってませんね。ところが、実は最近になってもう一台、とても気になるクルマが現れてしまいました。そのクルマとは・・・・・・
ブラジルのプーマGTシリーズ!。ブラジル製の空冷VW (正確にはカルマンギアTC)用のプラットフォームをベースに、スポーツカー風のFRP製のボディを被せたクルマです。
このクルマ、昔からその存在は知っていたものの、B級どころかC級のインチキ臭いクルマっていうイメージが強くて、とても自分が購入する対象として意識できるような存在ではありませんでした。しかし、ひょんなきっかけからこのクルマについて調べてみたところ、初期型は中々美しいスタイリングの魅力的なクルマであることを知ってびっくり。こりゃ、悪くなさそうだなぁ。何となくインチキ臭いところも、むしろ私のキャラクターには合っているかも知れなしぞ。だんたん欲しくなってきたよ。
と、いうわけで、今回は知られざる?プーマGTについて、簡単に解説してみたいと思います。
最初のプーマGTは1967年に登場しました。しかし、この最初のモデルはDKWの981cc、3気筒、2ストローク・エンジン(60PS)を搭載して前輪を駆動するというレイアウトを採用していました。何となく、サーブのソネットⅡを思わせるようなクルマですね。
ボディのサイズは全長3990mmX全幅1630mmX全高1160mm。車両重量は820kgで、最高速度は140km/hと発表されています。
しかし、DKWがVWに吸収されたことなどもあり、ベースをVWに変更することになります。これがプーマがDKWエンジンからVWエンジン(1403cc、60PS)に変更された最初の市販モデルである68年モデルの広報写真です。
当初はプーマⅡ GT1500と呼ばれていました。単体の写真では分からないでしょうが、ボディ・サイズは全長3960mmX全幅1580mmX全高1160mmという非常にコンパクトなクルマでした。車両重量は680kgで、最高速度は150km/hと発表されています。この最初期モデルはバンパー下のスリットが縦で、センターロック風のホイールキャップが付いてます。
そしてこれが69年モデルの広報写真。フロントバンパー下のスリットが横になりましたね。マグホイール風ですが、実はこれもホイールキャップです。この年から排気量を1584cc、70PSに変更し、名称もプーマGT1600となりました。
これが69年モデルのカタログ。カタログの写真を見ると、ボディ・カラーが黄色だったことが分かります。
これは70年モデルのカタログ。小さい割にはデザインに破綻がないと思いませんか?
これは71年モデルの広報写真。名称は1600GTEへと変更されています。。まだフロントのマーカーはパンバーの下にありますね。輸出仕様なので、前後フェンダーのサイドにも四角いマーカーが追加されています。またホイール・キャップのデザインが変わっています。
この年、オープンモデルのGTEスパイダーが追加されました。
この年、オプションとして1796cc、90PSのエンジンも追加されています。
そして、これが71年モデルのカタログ。広報写真と同じクルマ。モノクロでは分かりませんでしたが、これもボディカラーは黄色だったんですね。プーマは原色が良く似合うクルマのようです。
72年モデル以降になると、それまでバンパー下にあったフロントのマーカーが、バンパーより上に移動してしまいます。私としては、どうせ手に入れるなら初期のモデルがベターだと思っていますが、それは無理ならこの辺りのモデルでも悪くないと思っています。
そしてこちらが72年モデルのカタログ。
73年モデルになると、ドアハンドルの形状が変更され、シンプルなプッシュ・ボタン・タイプになります。ノーズとフロントフード上にあったプレスライン風の凸部も消滅してシンプルなデザインとなりました。カタログ上の表記を見てもお分かりの通り、オープン・モデルがGTSと呼ばれるようになるのは、この73年モデルになってからのことでした。
しかし77年モデルに於いて、ベースがカルマンTCからブラジリアに変更になったのに伴い、スタイリングに大きな手が入れられることになりました。これがその77年モデルのカタログです。
ウ~ム・・・・・・何となくボテッとした印象になりましたね。ボディのサイズも全長4000mmX全幅1665mmX全高1200mmと一回り大きくなりました。車両重量は750kgと発表されています。
エンジンは1600ccのままでしたが、当時の公称データでは最高出力は90PS、最高速度182km/hという非現実的な数字が発表されていました。
リア・クォータがエア・アウトレット用のスリットじゃなくて、このようなウィンドウに変更になりました。
好みの問題もあるのでしょうが、私的にはこれではちょっとNGです。レース用にモディファイされたクルマは結構好みなんですけどね。
このプーマGT、75年にチェッカー・モータスが輸入していたことがあるものの、現在日本国内で生き残っているクルマは大半が北米経由の並行輸入で入ってきた77年モデル以降のクルマのようです。初期型が欲しかったら、海外から輸入するしかないでしょう。
最後にオマケ。私の所有しているプーマGTのモデルカーです。スケールは1/33程度かな。
もちろんブラジル製ですよ。でも、裏に “PUMA” って書いたなかったら、何だか分からないでしょう。
いっそのこと、実車の方もVWニュービートルRSiとプーマGTのペアにして、中南米産のクルマのスペシャリストを目指そうかな(笑)。
辛い!
プーマは元々品質の低いガソリンにも対応できるように圧縮比は低いので、もしハイオクがなくなったら、レギュラーに合わせてセッティングを変えて使います。
以前から 「100馬力を超えたら手に余る」 と豪語?してきたこの私なので、パワー的にもこの程度のクルマで十分です。
半谷
いつも楽しみに拝見させていただいております。
すごく懐かしい車です。1983~85年頃に代車で借りて何度か乗らしてもらったことがあります。当時は出来の悪いDINOのレプリカ(パチもん)みたいに思っておりました。
レギュラーガソリンを入れていた記憶があります。
半谷さん、正しい!!
DINO風というと、もしかしたらプーマじゃなくてケルマーク(KELMARK)かもしれませんよ。いずれにしても、運転したことがあるなんて羨ましいなぁ。私は運転席に座ったことさえありません。
半谷
私としては、パワーや速さと楽しさは比例しないというのが結論です。34馬力のVWビートル1200スタンダードでも、別に実用上困ったことは一度もありませんでした。
半谷
その代車を貸してくれてた車屋さんはいろんな変わった車(ルノー5 TURBO、ランチャβスパイダーザガート、フィアットX1-9、ラダ ニーヴァ、セアト イビーザ等)を貸してくれ、今では良い思い出ですが、それでハマってしまい、今では変態街道まっしぐらです。
いえいえ、私のほうが勝手に勘違いしていただけですよ。
それにしても、ルノー5 TURBO、ランチャβスパイダーザガート、フィアットX1-9、ラダ ニーヴァ、セアト イビーザ……よくもまた変なクルマばかり(笑)。それでちゃんと商売になっていたんでしょうか?
私はすっかり更正したつもりだったのですが、ちょっと油断すると妙な虫がうずき出すので用心しています。
半谷
中米のグアテマラで売りに出てます。 3000ドルちょっとなそうです。
プーマ、母国のブラジルにPUMAのクラブもあり、まだ私好みの初期型のフルオリジナルの個体がかなり沢山残っているので、実は気になるクルマの資料を取り寄せようと思っているところです(笑)。
南アフリカでは今でも新車!、しかも右ハンドル版を作っているのですが、年式がネックになって輸入してもナンバーを付けるのは困難でしょう。
日本に輸入に輸入してナンバー付けることを考えると、やはりガス検不要の1973年モデル以前のクルマでないとコスト的に厳しいと思っています。
半谷