学問空間

「『増鏡』を読む会」、第9回は2月22日(土)、テーマは「上西門院とその周辺」です。

微妙に面白い『平清盛』

2012-02-06 | 歴史学研究会と歴史科学協議会
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2012年 2月 6日(月)00時19分20秒

昨日の第4回の再放送に引き続き、今日も大河ドラマ第5回を見てしまいました。
最初の方は鳥羽上皇(三上博史)・待賢門院(檀れい)・美福門院(松雪泰子)のドロドロ愛憎絵巻で、故角田文衛博士のようなネチネチ・ネバネバした油っぽい老人好みの変態的世界でしたが、私にとってはどうでもよい話でした。
中盤、松山ケンイチと玉木宏・藤木直人(佐藤義清=西行)の青春ドラマに変わり、ついで西海の海賊退治の準備段階を経て、巨大な海賊船との接近遭遇で「続く」となりました。
上川隆也(47歳)が「鱸丸」という若い役をやっているのが若干奇妙な感じがしたのですが、出世魚の鱸丸は後に平盛国になるんですね。

実は私、スカーフ制作の工程を身近に経験したこともあって、ストーリーではなく、衣装にばかり注目していました。
「人物デザイン監修」柘植伊佐夫氏によれば、衣装の古びた感じは着物に「ストーンウォッシュ」をかけて作ったものだそうで、小汚いだとか貧乏くさいだとかの批判はあるでしょうが、私は好きですね。
http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/special/cd/02.html

また、「透け感」も興味深いですね。

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1年間に渡って放送するドラマで、いつも黒いものが頭の上に乗っていると、画面構成上も重たくなるし、ドラマを見ている方々も圧迫感を感じるはずです。それを解消するのは、透けさせるしかないと考えました。問題は、どのくらい透けさせるかです。少しだと重いままだし、透け過ぎると様式として重みが損なわれてしまう。
そこでたどり着いたのが、光が順光だと反射して透けないけれど、逆光だと透けるというギリギリのポイントです。この透け感の烏帽子はアイデアを形にするのに3か月間くらいかかりました。
逆光だと、人物の頭はそこにあるのに、烏帽子を通して奥にある美術セットや景色が見えるという、一瞬距離感がわからなくなるような不思議な映像効果がうまれます。そこが、すごくおもしろいですね。
http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/special/cd/03.html

私は事前にこの解説を読んでいたのですが、それでも平忠盛(中井貴一)の烏帽子が透けて見える場面では、一瞬、ハッとしました。
実に鮮やかでしたね。
『北条時宗』の時はストーリーにしか関心がなくて、ぶーたらぶーたら文句ばかり言っていたのですが、自分の関心の持ち方が変わると大河ドラマの見方も違ってきますね。
まあ、普通の歴史ファンとはあまり共有できない部分が多いでしょうが。

>筆綾丸さん
保立氏の問題は、同氏が事務局長を務めていた歴史学研究会全体の問題でもありますね。
保立氏が言及している『歴史学研究』の東日本大震災特集号の諸論文は、史料レスキューに直接関係するもの以外は変な論文が多いですね。
歴史学研究会は、「科学運動」を標榜する団体にしては、総じて「科学」理解の水準が低すぎます。
後で具体的に検討してみるつもりです。
コメント
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