学問空間

「『増鏡』を読む会」、第9回は2月22日(土)、テーマは「上西門院とその周辺」です。

「小さな霊場や聖地」

2012-02-29 | 東日本大震災と研究者
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2012年 2月29日(水)22時22分32秒

>筆綾丸さん
>8千万人
これは割とよく耳にしますが、元をたどると国立社会保障・人口問題研究所の発表に基づくもののようですね。
直近の推計では「平成72(2060)年の人口は8,674万人、65歳以上人口割合は39.9%」だそうです。

http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/newest04/point.pdf
http://www.ipss.go.jp/

私は赤坂憲雄氏とは関心を持つ対象がかなり重なっています。
例えば以下の記述のうち、前半は全く同じ現象に着目していますね。

------------
 海沿いを歩くと、いたるところに、小さな霊場や聖地が生まれつつあります。草むらのなかに卒塔婆が立っていたり、堤防の脇に花やお菓子が供えられている。一瞬にして奪われたたくさんの命、それぞれの思いや記憶が行き場もなく浮遊しているのです。2万人の魂を鎮め慰めるというのは、たいへんな仕事です。既成宗教はみな、うまく応答することができずにいますね。だからこそわたしには、人も獣も魚も草や木も「すべての命」の供養のために、という鹿踊りのメッセージが深く響いてくる予感があるのです。それはたぶん、浄土思想によってデザインされた平泉という中世都市にも存在した、どこか東北的な命の哲学を宿しているのです。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120123/art12012308120002-n2.htm

ただ、「浄土思想によってデザインされた平泉という中世都市にも存在した、どこか東北的な命の哲学を宿している」には賛同しかねますし、「深く響いてくる予感がある」といった深刻そうなレトリックも苦手です。
ま、私も多少哲学的なことを考えたりもするのですが、とりあえずは無理にまとめようとはしないで、「小さな霊場や聖地」を淡々と記録しておこうと思っています。
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歴史科学協議会主催シンポジウム

2012-02-29 | 歴史学研究会と歴史科学協議会
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2012年 2月29日(水)21時45分45秒

歴史科学協議会主催シンポジウム「原発震災・地震・津波―歴史学の課題―」

石橋克彦氏 「史料地震学と原発災害」
渡辺治氏「戦後史のなかで大震災・原発事故と復旧・復興を考える」
西村慎太郎氏「文書の保存を考える」
 司会:保立道久氏

【日時】3月24日(土)13時開始(12時30分開場)
【会場】学習院大学南3号館201教室(JR山手線目白駅下車)
【資料代】500円

【シンポジウム概要】
津波が奪った多くの人命、福島第一原子力発電所の事故、避難を余儀なくされた人々、広範囲に飛散した放射性物質。昨年3月11日に発生した東日本大震災がもたらしたものは、かくも厳しいことでした。
あれから1年たとうとしています。歴史学に携わる私たちも、この情況のなかで何をなすべきか、深く再考する必要があるのではないでしょうか。今回、石橋克彦さん、渡辺治さん、西村慎太郎さんを報告者に迎え、あの大震災が投げかけた課題に私たちがどう向き合うべきかを考える機会を持つことにしました。

※シンポジウム当日は、被災史料救援活動への募金をあわせて行います。ご協力をお願いいたします。
※事前申し込み不要です。非会員の方でもご参加いただけます。

お問い合わせは
 一般財団法人 歴史科学協議会
  〒114-0023 東京都北区滝野川2-32-10-222
http://www.maroon.dti.ne.jp/rekikakyo/

歴史学研究会と比べて歴史科学協議会はイデオロギー色がかなり強いような感じがして、私は同会の行事には一度も参加したことはないのですが、テーマがテーマですし、司会者が保立道久氏だそうなので、できれば行ってみたいですね。
歴史研究者が行っている復旧・復興に関わる活動というと、今のところ「宮城歴史資料保全ネットワーク」等の団体が行っている資料レスキュー以外、特に
耳にしませんが、震災から一年が経過し、さすがに若い研究者の間では別の形態の活動の検討もなされていると思うので、そのあたりを質問してみたいですね。
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