投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2019年 8月28日(水)13時53分8秒
日本において宗教学を学問として確立したのは姉崎正治(嘲風、1873-1949)ですが、佐木秋夫は姉崎門下の最左翼ですね。
磯前順一・深澤英隆編『近代日本における知識人と宗教─姉崎正治の軌跡─』(東京堂出版、2002)には、「(姉崎に)学んだ者の政治的傾向を見ても、左木秋夫【ママ】のような左翼陣営から、大川周明・蓑田胸喜のような極右思想家に至るまで実に多彩である」(p98)とありますが、大川周明(1886-1957)・蓑田胸喜(1894-1946)と並ぶとなかなかの大物感が醸し出されますね。
1906年生まれなので、佐木の二十代は戦前の共産主義運動の全盛時代であり、ウィキペディア情報ですが、佐木も「日本戦闘的無神論者同盟、唯物論研究会に拠って著作をなす」とあります。
この「日本戦闘的無神論者同盟」というのはちょっと気になるので、後で調べてみるつもりです。
佐木秋夫(1906-88)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E6%9C%A8%E7%A7%8B%E5%A4%AB
さて、佐木は「守る会」で特に役職についていないにも拘らず、「Ⅳ 回顧と展望<座談会>」に参加しています。
この座談会のメンバーは、
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出席者(発言順)
原告/控訴人・被上告人 関口精一
宗教学者 佐木秋夫
日本キリスト教団社会委員会幹事 戸村政博
被上告人代理人弁護士 今村嗣夫
被上告人代理人弁護士 小池健治
宗教学者 日隈威徳
新教出版社出版部 西川重則(司会)
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となっています。(p343)
この中で、戸村政博氏は熱心な政治活動で有名なプロテスタントの牧師ですね。
また、西川重則氏も「政教分離の会」事務局長を務めるなど、プロテスタントの政治運動家として有名な人です。
戸村政博(1923生)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%B8%E6%9D%91%E6%94%BF%E5%8D%9A
西川重則(1927生)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%B7%9D%E9%87%8D%E5%89%87
弁護士の今村嗣夫氏は、リンク先サイトによれば、
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1932年生まれ。弁護士。韓国・朝鮮人元BC級戦犯者の戦後補償裁判、津地鎮祭違憲訴訟、自衛官「合祀」拒否訴訟、定住外国人の指紋押捺拒否裁判など国家と宗教、少数者の人権、外国人と憲法に関わる裁判を多数担当。主な著書に、『象徴天皇制と人権を考える』(日本キリスト教団出版局、2005)、『一匹の羊の教え―いま問われる少数者の人権』 (共著・日本基督教団出版局、2000)、『戦後補償法―その思想と立法』(共著、明石書店、1999)、『アイデンティティーへの侵略―いま高校生と語る戦後補償・人権』(共著・新教出版社 、1995)、『こわされた小さな願い―自衛官〈合祀〉拒否訴訟』(キリスト新聞社 、1989)などがある。
http://gendainoriron.jp/vol.05/feature/f07.php
という経歴の方ですね。
小池健治氏については、ネットでは次のような記事がありました。
http://www.shinshuren.or.jp/page.php?id=371
http://www.naganolaw.co.jp/attorneys/koike.html
また、「日本キリスト教団 百人町教会」サイトによれば、今村嗣夫氏と小池健治氏は同教会の会員だそうですね。
http://hyakunincho-church.com/
http://hyakunincho-church.com/6column/aso/hncc-as132.html
ということで、座談会参加者はプロテスタントが戸村政博・今村嗣夫・小池健治・西川重則の四名、共産党系の無神論者が関口精一・佐木秋夫・日隈威徳の三名という組み合わせです。
座談会記録を通読した印象としては、「守る会」の実態は「国家神道」の復活に対して抵抗する(神社神道を除く)全宗教勢力の連合体というよりは、共産党系の無神論者と政治活動に熱心な一部プロテスタントの集まり、といったところのようです。
日本において宗教学を学問として確立したのは姉崎正治(嘲風、1873-1949)ですが、佐木秋夫は姉崎門下の最左翼ですね。
磯前順一・深澤英隆編『近代日本における知識人と宗教─姉崎正治の軌跡─』(東京堂出版、2002)には、「(姉崎に)学んだ者の政治的傾向を見ても、左木秋夫【ママ】のような左翼陣営から、大川周明・蓑田胸喜のような極右思想家に至るまで実に多彩である」(p98)とありますが、大川周明(1886-1957)・蓑田胸喜(1894-1946)と並ぶとなかなかの大物感が醸し出されますね。
1906年生まれなので、佐木の二十代は戦前の共産主義運動の全盛時代であり、ウィキペディア情報ですが、佐木も「日本戦闘的無神論者同盟、唯物論研究会に拠って著作をなす」とあります。
この「日本戦闘的無神論者同盟」というのはちょっと気になるので、後で調べてみるつもりです。
佐木秋夫(1906-88)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E6%9C%A8%E7%A7%8B%E5%A4%AB
さて、佐木は「守る会」で特に役職についていないにも拘らず、「Ⅳ 回顧と展望<座談会>」に参加しています。
この座談会のメンバーは、
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出席者(発言順)
原告/控訴人・被上告人 関口精一
宗教学者 佐木秋夫
日本キリスト教団社会委員会幹事 戸村政博
被上告人代理人弁護士 今村嗣夫
被上告人代理人弁護士 小池健治
宗教学者 日隈威徳
新教出版社出版部 西川重則(司会)
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となっています。(p343)
この中で、戸村政博氏は熱心な政治活動で有名なプロテスタントの牧師ですね。
また、西川重則氏も「政教分離の会」事務局長を務めるなど、プロテスタントの政治運動家として有名な人です。
戸村政博(1923生)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%B8%E6%9D%91%E6%94%BF%E5%8D%9A
西川重則(1927生)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%B7%9D%E9%87%8D%E5%89%87
弁護士の今村嗣夫氏は、リンク先サイトによれば、
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1932年生まれ。弁護士。韓国・朝鮮人元BC級戦犯者の戦後補償裁判、津地鎮祭違憲訴訟、自衛官「合祀」拒否訴訟、定住外国人の指紋押捺拒否裁判など国家と宗教、少数者の人権、外国人と憲法に関わる裁判を多数担当。主な著書に、『象徴天皇制と人権を考える』(日本キリスト教団出版局、2005)、『一匹の羊の教え―いま問われる少数者の人権』 (共著・日本基督教団出版局、2000)、『戦後補償法―その思想と立法』(共著、明石書店、1999)、『アイデンティティーへの侵略―いま高校生と語る戦後補償・人権』(共著・新教出版社 、1995)、『こわされた小さな願い―自衛官〈合祀〉拒否訴訟』(キリスト新聞社 、1989)などがある。
http://gendainoriron.jp/vol.05/feature/f07.php
という経歴の方ですね。
小池健治氏については、ネットでは次のような記事がありました。
http://www.shinshuren.or.jp/page.php?id=371
http://www.naganolaw.co.jp/attorneys/koike.html
また、「日本キリスト教団 百人町教会」サイトによれば、今村嗣夫氏と小池健治氏は同教会の会員だそうですね。
http://hyakunincho-church.com/
http://hyakunincho-church.com/6column/aso/hncc-as132.html
ということで、座談会参加者はプロテスタントが戸村政博・今村嗣夫・小池健治・西川重則の四名、共産党系の無神論者が関口精一・佐木秋夫・日隈威徳の三名という組み合わせです。
座談会記録を通読した印象としては、「守る会」の実態は「国家神道」の復活に対して抵抗する(神社神道を除く)全宗教勢力の連合体というよりは、共産党系の無神論者と政治活動に熱心な一部プロテスタントの集まり、といったところのようです。