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観応半済令

2018-09-01 | Weblog

一味公認半分を。
観応半済令)(美濃近江)(尾張


[point]

1.観応(かんのう)の半済令は、美濃近江尾張の3国に限られた。

[解説]

1.幕府は、観応の擾乱(南北朝の動乱の初期、1350(観応元)年~)中、地方武士を動員するために、守護の権限を大はばに拡大した。

2.足利尊氏の幕府は、観応の半済令(1352)で、守護に軍費調達のため、一国内の荘園や公領の年貢の半分を1年限り徴発する権限を、動乱の激しかった近江美濃尾張の3国に限定し、認めた。


3.守護の得た権限強化の効果は大きく、守護はこれを利用して国内の荘園や公領を侵略し、これを領域内の武士たちに分けあたえて、彼らを統制下にくり入れていった。


4.応安半済令1368)以降、全国的に、また永続的におこなわれるようになり、しかも年貢だけでなく、土地(下地)そのものを分割するようになった。


2016上智大・法(地球)済(営)総人(社福)

問9 下線部g「守護」の権限はしだいに強大化し、半済令もその適用範囲が拡大していった。1352年に発令された半済令が、当初対象としていた国はどこか。次の中からlつ選びなさい。

 1山城(1国のみ)
 2山城・丹波の2国
 3大和・紀伊の2国
 4山城・大和・近江の3国
 5近江・美濃・尾張の3国

(答:5)〉

2016立命館大・全学部

〔2〕一、寺社本所領の事 6)観応三・七・廿四御沙汰
諸国7)擾乱に依り、寺社の荒廃、本所の牢龍、近年倍増せり。而るに適静謐の国々も、武士の濫吹未だ休まずと云々。働て守護人に仰せ、国の遠近に依り日限を差し、施行すべし。承引せざる輩に於いては、所領の[ D ]分の一を分ち召すべし。所帯無くば、流刑に処すべし。(中略)
 
次に[ E ]三ヶ国の本所領半分の事、[ F ]所として、当年一作、軍勢に預け置くべきの由、守護人等に相触れ訖(おわ)んぬ。半分に於いては、宜しく本所に分かち渡すべし。若し預人(あずかりにん)事を左右(そう)に寄せ、去(さり)渡さざれば、一円に本所に返付すべし。
                                                           (『[ G ]』)

問h 下線部6)に関連して、この年の通達ののちに足利義満が3代将軍となった年にも、天皇領と殿下渡領を除く荘圈の下地を、無期限に折半する内容の法令が出されている。この法令が出された、もっとも適当な西暦年を下から一つ選べ。


 あ 1352年 い 1359年
 う 1368年 え 1394年


問i 下線部7)は、ある人物が、将軍派の武将として権勢をふるい将軍の弟との対立を深めていくなかで生じた内紛である。「ある人物」は、のちの管領にあたる役職を帯びていた。この役職名を答えよ。


問j 空欄[ D ]にあてはまる、もっとも適当な漢数字を答えよ。


問k 空欄[ E ]にあてはまる語句の組み合わせとして、もっとも適当なものを下から一つ選べ。


 あ 越前・近江・美濃   い 近江・美濃・尾張

 う 美濃・尾張・三河   え 山城・越前・加賀

問l 空欄[ F ]にあてはまる、もっとも適当な語句を答えよ。


問m 空欄[ G ]は、御成敗式目を基本法として継承した、室町幕府の法令集である。これにあてはまる、もっとも適当な出典名を漢字6文字で答えよ。


(答:hう(史料は観応の半済令だが問うているのは応安の半済令)、i執事(ある武将とは高師直)、j三、kい、l兵粮料(所)、m建武以来追加)〉

2013早大・文:「
 室町幕府が施行した半済令について正しく説明したものを1つ選び、マーク解答用紙の該当する記号をマークしなさい。


ア 1352年、足利尊氏は大和・河内・摂津に半済令を施行し、南朝の京都侵攻に対処した。

イ 半済令は、室町幕府に反抗した守護についても降参した後、その半分の年貢取得を認めるものであった。
ウ 半済令は観応の擾乱に際して、足利尊氏が関東諸国の守護を味方につけるために施行したものである。
エ 1368年の応安半済令以降は荘園の下地まで分割されることとなり、事実上無期限となった。
オ 応仁の乱以降、半済令により守護は水田一段ごとに五貫文の銭貨を徴収できるようになった。)」

(答:エ ※ア×近江・美濃・尾張の3国の誤り、オ×一定額の銭貨ではなく半年貢である)〉


守護権限拡大

2018-09-01 | Weblog

守護の権限の拡大

大使仮断然主

犯(たいぼん)三か条・刈田藉(かりたろうぜき)取締権)(使節遵行(しせつじゅんぎょう)(済(はんぜい)・段(たんせん)・守護(しゅごうけ))


[ポイント]

1.守護は、従来の大犯三か条に加え、刈田狼藉取締権使節遵行を獲得、さらに半済地の支給権・守護段銭徴収権・守護請を獲得して、守護大名へと成長していった。

[解説]

1.鎌倉時代初期の守護権限は、守護がその職務をテコとして国ごとに自立することのないように、大犯三か条に限定されていた。しかし幕府は南北朝内乱・観応の擾乱を鎮めるため、大犯三か条を超える権限を守護に付与した。この職権拡大により守護は、従来国衙がもっていた行政権を吸収してゆき、一国の支配権を確立した。さらに同時に幕府からの自立もすすめ、守護による領国支配(守護領国制)へと進んだ。
                   
2.刈田狼藉取締権の 「刈田狼藉」は、収穫以前の他人の田の作物を刈り取る行為。多くはその領地をめぐって争う両者の一方が収穫を先に確保する目的で行う。この田地紛争を取締る権限                                    

3.使節遵行は、室町幕府が出した判決を強制執行する権限。幕府が守護の権限拡張を容認して与えた権限。将軍の使節となって判決を遵守実行を容認させるということ。

4.半済地支給権は、領国内の荘園・公領の年貢の半分を武士に分配(半納)する権限。南北朝時代、足利尊氏が兵粮料所(軍費調達)として、近江美濃尾張3国に1年限りで半済を承認した(観応の半済令、1352)。これが制度的な年貢の半済(半納)のはじまりである。やがて全国化、恒常化。また応安半済令(1368)以後下地(土地)そのものの分割まですすむ。

5.守護段銭は、田地1反(12a)単位、棟別銭は家屋の棟数によって課せらた銭・夫役の賦課 臨時税。従来段銭の賦課は朝廷や幕府の権限で、守護を通じて全国から徴収していた。次第に守護が私的かつ頻繁に課すようになり、既得権化したもの。             

6.守護請は、荘園・公領の年貢納入を一定額で請け負う。武士勢力による年貢横領に苦しんだ国司・荘園領主が年貢確保を目的に守護の実力に期待して依頼したもの。        

〈2016早大・文化構想

問5 下線c守護の権限に関連して、室町時代の守護の権限として正しいものはどれか。2つ選べ。

 ア使節遵行 イ地下検断 ウ刈田狼藉 エ段銭の徴収 オ宗門改め」


(答:ア・エ ※ウ×守護権限は「刈田狼藉」の取締権であって刈田狼藉ではない。引っかけのウの後ろに正解のエを隠してある。常套的作問法です、引っかからないように)