登山口まで悪路を越えて 辿り着いた。 ここから榑ガ畑の廃村を通って汗拭き峠にでる。
廃村といえども 昔の村人が育てていた花があるだろう・・・せまい土地に家が建つのがやっとの様子 どんな暮らしをしていたのだろうか? 耕作の気配はみじんほども感じられなかった。それでもささやかに花を育てて愛でていたに違いない。
苔むした道に 椿が落ちている。何だか寂しい。どんな生活があったんだろう? 夕餉のにおいはどんなんだったろう? 子ども達の声は響いていたのだろうか?
ヨゴレネコノメ ミヤマカタバミ があちこちにみられる。
日が射さないので カタバミも 下を向いて顔を見せてくれない。
カナヤからジグザグに登っていく。 ウバユリの若芽が目立つ。 ミスミソウも咲いている。
一緒に歩いているうちに 私は決定的な花調べの違いに気付いた。
私は 何か無いかな? とやたらきょろきょろして歩く。それで そこそこに花を見つけてきた。
Bさんとピーちゃんはそうでは無かった。この斜面ではこんな花が見られるはず。土の種類も同じだし 北側斜面だし・・・とか 日が当たるから・・とか いつも条件を当てはめて花を探していた。至極当然かもしれないけれど 私にはそれがなかった。 一緒に歩き始めた頃 花をほとんど見つけられなくて いつも珍しそうに喜んでいたピーちゃんは今では花探しの達人になっていた。何とすばらしい人なんだろう? 花のすべてを受け止めている。
で 「この辺りは ミスミソウ通りだね?」「どうしてか杉の木の下にあるんだね」「種が流れるのか 上から一直線に花が 葉が続いているね。」の会話が弾む。
ジンチョウゲの仲間らしい。 ジンチョウゲのような しかし少し大きめのクリーム色の花が咲いている。 香りはあんまり無い。
おにしばり さほど大きくならないらしいのだけれど その強さはなかなかで これで鬼を縛るのだとか・・・おもしろい名前だね 絶対忘れない。
とうだいぐさ 人様のサイトでこの花をみたことあるけれど こんなに小さいものだとは知らなかった。
葉っぱを巻いたようなのが花で 色は緑なので目立たない。 毒があるそうで 茎を切ると乳汁が出 それに毒が含まれるとか。
地味だけれど なかなか可愛い姿をしているんだよ。
春を探しに来たのに 華やかなのがドカーンと無くて 笹原に突入しかけたとき
「ん? 葉っぱの種類が変ってきたねぇ」とピーちゃん。 「あ~~っ あ~~っ これ~~」
と言うわけで 念願の福寿草に出会う。
花は 開ききっていないものが多かったけれど 一枚一枚が蝋細工のように美しくて 感動。
開ききると 葉っぱに似合わない大きな花になり その頭でっかちな感じがユーモラスで好きなんだけれど。
三ヶ月ぶりの山歩きで 時間をみると 私の体力では 近江展望台の方まで行くのは無理だろうな?と思っていたので ここで福寿草に出会えたことは 本当に嬉しかった。
尻切れトンボに終わったような霊山の花だったけれど 二人で行ってもらった山頂直下の福寿草群生地のお土産写真を当てにしながら ノラリクラリと笹原を歩き お虎が池で 二人の帰りを待っていたのです。
来年は頑張って体をつくり 周回コースまわりたいな。