朝父から電話があった。 おばさんの訃報
おばさんと言っても 祖母の妹だからそんなに私に近い人ではないのだけれど 縁あって同じ町に暮らすようになったので 近い親戚として 時々 おじゃましていた。 母がこの町に来る理由にもなっていた。
祖母がとてもかわいがり 愛した妹だった。 おばさんも祖母をとても頼りにしていた。
若いときに とある町で 手広く工務店を営み 羽振りが良かった。 いつもお店のなまえが入った沢山のトラックが町を行き来しているのを見るのは嬉しかった。 おじさんの交通事故をきっかけにお店は傾き 夜逃げ同然にこの町に住むようになった。
それでも 子供達に大事にされて幸せな日々を送っていた。なのに 娘夫婦を 交通事故でなくし(脇見運転のトラックに乗用車が挟まれて 家族みんな生きたまま焼かれて亡くなった) 今想像するだけでも 自分なら耐えられないだろうと思われる波乱の人生だった。
晩年は 静で穏やかな日々だった。 長い間家を離れていたいとこも帰ってきて とても母親を大事にしたので 幸せそうだった。
ここ何年かは呆けてきて いつも童女の様だった。
私が行くと 「誰だった?」
ってきく。 「○○○だよ・」って言うと「良く来てくれたね。」って言ってみんなに 得意げに「○○○ちゃんだよ。」と話す。
次にあうときは またゼロからやり直し そんな時とても嬉しそうに はにかんで 何度も何度も同じ話を自分の中で反芻しているかのように繰返す。お嫁さんも 其れを受け入れて根気に相手をしてくれていたので 本当に幸せそうだった。
心臓が悪くて 毎月病院に通っていたものの ここまで長生きできたことは幸せだったのかな? 悲しいこと多かったけれど 同じくらいみんなに愛されて幸せな一生を遅れたおばさんを 思いながら 自分の最後を思う。
まだまだ頑張るつもりだけれど 私の周りが少しずつ欠けていっていることは確かで 寂しい限り。 お葬式は 幸い私の休日。 両親も来てくれるし 最後のお別れに一緒に行ってこよう。