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「新型コロナウイルス感染症対策 緊急要望」を発表 小池書記局長・田村政策委員長が会見【要望書全文転載】

2020-04-07 21:10:39 | 転載
(写真)記者会見する小池晃書記局長(右)、田村智子政策委員長=6日、国会内
日本共産党の小池晃書記局長と田村智子政策委員長は6日、国会内で記者会見し、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う党国会議員団の「緊急要望」を発表し、田村氏が同日、政府に届けました。

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(全文)
2020年4月7日(火)
新型コロナウイルス感染症対策 緊急要望
2020年4月6日 日本共産党国会議員団
 日本共産党の小池晃書記局長と田村智子政策委員長が6日の記者会見で発表した党国会議員団の「新型コロナウイルス感染症対策 緊急要望」の全文は次の通りです。

1、自粛要請と一体に補償を行うこと――苦境に陥っている事業者・個人に感染防止対策として思い切った補償に速やかに踏み出す
 イベントや外出の自粛要請により、収入が途絶える、激減する事業者・個人が広がっている。収入減への補償に踏み出してこそ、自粛要請にこたえて安心して休業することができ、感染拡大防止の実効性を確保できる。感染防止対策として「自粛要請と一体に補償を行う」ことを、一刻も早く政府の基本方針にすえるべきである。憲法29条は「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる」としている。この精神にたつなら、感染拡大防止という公共のために起きた損失を国が補償することは、憲法上の要請である。

(1)緊急に、すべての国民を対象に1人10万円の給付金を支給すること。
 現金給付は、「1人10万円」を求める。一刻も早く届けることを最優先にする。さまざまな条件をつけることによる事務手続きの煩雑化などを避け、すべての国民(日本に居住している外国人を含む)を対象にする給付を急いで行う。高額所得者は新型コロナ終息後に所得税の増税で実質的に返納してもらうなどを検討する。これはあくまで緊急の措置であり、一回きりの現金給付でおわりにせず、賃金・収入補償の仕組みを急いでつくる必要がある。

(2)賃金・収入の8割以上を補償する手だてをとること。
 雇用保険加入者か否かにかかわらず、非正規雇用労働者、フリーランス、自営業者も含め、通常の賃金・収入の8割以上を補償し、速やかな支給ができる手だてをとること。

(3)「自粛」による倒産・廃業をさせないために、固定費などへの補償、税・社会保険料の減免を行うこと。
 自粛要請によって直接・間接に影響をうけているすべての中小・小規模事業者に対して、家賃・地代・水光熱費・リース代などの固定費への直接助成をはじめ、自粛要請による損失を補償する。また、国保料(税)の緊急減免をはじめ税・社会保険料の減免や消費税納税の猶予を行う。

(4)イベント中止などにともなうキャンセル料・必要経費の補償を行うこと。
(5)無担保・無利子融資を当面20兆円以上の規模にするとともに、速やかに受けられるようにすること。
 中小・小規模事業者が資金繰りのために、無担保・無利子融資を速やかに受けられるようにすること。そのためにリーマン・ショック時の20兆円を上回る規模を確保し、受付窓口の体制を強化するとともに審査の迅速化をはかる。

(6)リストラ解雇を起こさないよう、経済界・大企業に雇用責任を求めるとともに、万全の体制を講じること。
 リーマン・ショック時に、大企業で、特別の融資を受けながら解雇リストラを行うことが横行した。経済界・大企業に雇用責任を果たすよう求めるとともに、特別融資の要件として、雇用の維持を明記する。

 リーマン・ショック時のような「派遣切り」を二度と繰り返さないために、万全の対策を講じる。

(7)各自治体が取り組む地域経済対策を支援するために、「地方臨時交付金」制度を創設すること。
2、医療・介護・障害者等の社会保障の体制を崩壊させないための予算措置を行うこと
 “医療崩壊”への危機感が専門家会議をはじめ、関係者から相次いで表明されているにもかかわらず、現場の体制確保、ベッドや軽症者のための療養・宿泊施設の確保をはじめ、医療のための本格的な財政措置が、いまだにとられていない。

 また、感染拡大への不安から、受診抑制、介護の訪問サービスやデイサービスの利用を控えるなどにより、医療・介護などの事業所も大幅な減収となっている。このままでは次々と事業所がつぶれる危険性がある。社会保障の体制崩壊を起こさないための予算措置は急務である。

(1)新型コロナウイルス感染症への対応として、病床確保が急がれる。空き病床を準備する場合の減収分をはじめ、感染症対応で必要となる経費は、全額国が補償すること。
 政府は「ベッドの確保」を要請しながら、それに伴う必要な財政措置を行っていない。医療体制確保に必要な経費は全額国が負担をすることを明確にする必要がある。

(2)軽症者への対応のために、宿泊・療養施設の確保と運営など必要経費は国の責任で確保すること。
 軽症者対応は宿泊・療養施設を基本にすべきである。政府は、ホテルなどを借り上げた宿泊・療養施設を確保することを自治体に要請しているが、ここでも財政措置をとっていない。確保と運営に必要な経費は国の責任で確保する。

(3)医療機関を、新型コロナ対応の病院と、一般患者対応の病院に役割分担を行い、それぞれについて手厚い支援を行うこと。
 役割分担をはかることは、医療崩壊を阻止するうえでも急務となっている。

(4)医療機関に、必要な装備・備品を速やかに供給すること。
 医療関係者を感染から防護するために、医療用マスク、ゴーグル、防護服などを速やかかつ十分に供給すること。人工呼吸器の供給の抜本的強化をはかること。

(5)医療を最前線で担っている医療機関への補償を適切に行うこと。
 患者発生にともなう減収および、外来患者の減少にともなう損失など、医療機関への補償を行う。

(6)急性期病床の大幅削減となる公立・公的医療機関の再編・統合を直ちに凍結し、撤回すること。
(7)介護事業所の感染症対策の必要経費、デイケア中止などによる減収分を全額補償すること。
(8)障害者施設に対する報酬を月額方式にすること。就労支援施設での自粛の影響による減収、利用者の工賃について全額補償すること。
3、PCR検査の問題点を明らかにし、ただちに改善策をとること
 感染確認から短期間で重症化する事例が報告されている。重症者・死亡者をできる限り抑えるためには、迅速なPCR検査が必要なことは明らかである。また、医師が必要と判断しても、PCR検査にたどりつかない、検査までに相当な時間を要しているなどの指摘は後を絶たない。PCR検査の現状の問題点を明らかにするとともに、早急に以下の改善を行うこと。

(1)医師が必要だと判断したら、帰国者・接触者相談センターを介さずとも、速やかに検査が受けられる体制をつくること。
(2)相談センター、行政検査、クラスター対策など、対策の中核となる保健所体制の抜本的な強化に予算措置をふくめ国が全力で支援すること。
(3)抗体検査を早期に導入すること。
(4)帰国者に対して、公共交通機関の利用をしないよう求めるだけでなく、ホテル等の待機場所の確保や必要経費の補償をすること。
4、消費税5%への減税に踏み切ること
 消費税10%への増税の影響で、経済指標がマイナス傾向を強めていたところに、新型コロナウイルス感染症の巨大な打撃が加わった。

 政府は、消費税率引き上げについて「リーマン・ショック級の出来事がないかぎり、予定通り引き上げを行う」と説明していたことを見ても、消費税率の引き下げに踏み切ることは当然である。

 消費税減税は、食料はじめ生活必需品はどんな時期にも購入するのであり、所得の少ない人ほど手厚くなる重要な生活支援策となる。さらに、新型コロナ感染が終息に向かう時期には消費喚起、需要拡大効果となる。

 ただちに消費税率5%への引き下げを行い、一時的ではない経済対策として、応能負担を原則とした税制の見直しを迅速にすすめること。

「主張」コロナの医療体制 抜本的強化の予算措置が要だ

2020-04-07 21:01:10 | 転載
2020年4月7日(火)しんぶん赤旗 転載

 新型コロナウイルスの感染者が都市部を中心に急増する中、医療体制の抜本的強化が焦眉の課題です。現場や専門家からは、感染者の受け入れ体制がひっ迫し、機能しなくなると強い警告が出されています。しかし、安倍晋三政権の医療をめぐる対策は、危機的事態を訴える声にこたえる規模ではありません。感染者を受け入れる病床や人的体制の確保、治療に必要な器材の調達などへのまともな財政支援がありません。「医療崩壊」を招かないために政府による万全の予算措置は待ったなしです。

【「危機的状況」の声次々】
 医療体制整備は文字通り急を要しています。政府の新型コロナ感染症対策の専門家会議は1日の提言で、「新規感染者が急増し、クラスター感染が頻繁に報告されている現状を考えれば、爆発的感染が起こる前に医療提供体制の限度を超える負担がかかり医療現場が機能不全に陥る」と訴えました。日本医師会も同日、感染症対策に多くの医療資源を注入しつつ、他の治療も継続するという「危機的な状況に陥りつつあり」「今のうちに対策を」と強調する「医療危機的状況宣言」を発表しました。

 日本集中治療医学会の同日の理事長声明は、重症患者を救う集中治療体制の脆弱(ぜいじゃく)さへの強い危機感に満ちています。声明は、コロナ感染の死亡率がドイツ1.1%、イタリア11.7%と大きな開きがある点についてICU(集中治療室)の人口10万人あたりのベッド数がドイツは29~30床に対しイタリアは12床程度と差があると指摘し、ベッド数がイタリアの半分以下の日本(5床程度)は、このままではいっそう深刻な状況になりかねないことを訴えます。人工呼吸器など医療機器の調達を急ぐとともに、担い手となる人的体制の支えが不可欠なのは明白です。

 感染者の激増が対応する能力を超えて、医療現場を混乱させ、医療従事者を疲弊させる重大な事態を絶対に引き起こしてはなりません。医療機関は知恵を出し、工夫を重ねながら懸命の努力を続けています。それを支えるために、必要な経費は全額を国が負担し、十分支える方針を、はっきり打ち出す時です。そうしなければ病床確保や医師・看護師の配置など現場は思い切った対策がとれません。

 防護具、医療機器などを行き届くようにするのは急務です。院内感染を防ぐには、コロナ患者を専門に治療する病院と、それ以外の一般患者に対応する病院との役割を明確にすることも重要です。それが可能になるよう、それぞれに手厚い支援を実施すべきです。

 医師が必要と判断した人が迅速に検査できる体制の強化が急がれます。政府は、軽症者は宿泊施設で対応するなど方針を示しましたが、ホテル借り上げの費用負担は国の責任で行うことが求められます。コロナは症状が急変する事例が報告されており、軽症者の見守りと緊急時の対応への仕組みを十分確立することが必要です。

【問われる社会保障政策】
 イタリアの「医療崩壊」という事態は、社会保障切り捨て路線が国民の命を守る体制を弱体化させる現実を浮き彫りにしています。

 日本の社会保障削減政策が厳しく問われています。感染症対応で大きな役割を持つ公立・公的病院の再編統合計画を凍結・撤回することを政府は表明する時です。