【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

新型コロナ災害緊急アクション・省庁への緊急要請(2020年4月16日)のご報告

2020-05-20 01:52:50 | 言論と政治
はじめに
4月16日(木)に、希望のまち東京をつくる会(以下、当会)代表・宇都宮けんじが共同代表を務める反貧困ネットワークも含む27団体(4月26日現在)ほどが参加する新型コロナ災害緊急アクションが、生活保障に関係する省庁への緊急要請を行いました。参加した当会スタッフのレポートを、当会ブログにて、掲載させていただきます。

【新型コロナ災害緊急アクション】
主催:新型コロナ災害緊急アクション
開催日:2020年4月16日(木)12:00~15:00
開催場所:国会議員会館

スタッフによるレポート
はじめに
4月16日(木)、新型コロナウイルス感染拡大に伴う生活困窮者や学生への支援強化を求める省庁との緊急の話し合いが行われました。

主催団体の新型コロナ災害緊急アクションは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う貧困問題に取り組むため、反貧困ネットワークが呼びかけて3月に結成されたもので、官製ワーキングプア研究会、つくろい東京ファンド、非正規労働者の権利実現全国会議など、4月23日現在で27団体が参加しています。

16日の緊急の話し合いは、生活保護や居住、雇用と労働、障がい者、奨学金などの問題について、新型コロナ災害緊急アクションの参加団体などが事前に提出した要望書に対して、省庁が回答するもので、会場の衆議院第一議員会館には、21団体が参加し、厚生労働省と文部科学省の担当者が回答しました。

冒頭には、立憲民主党や共産党、社民党の国会議員も立ち合い、共闘を表明しました。


その後、まず厚生労働省、次に文部科学省の担当者が前に並び、事前に提出された要望を基に、提出団体との話し合いが行われました。

各分野からの発言
生活保護については、生活保護問題対策全国会議やNPO法人自立生活サポートセンター・もやいの代表などから、オンライン申請も認めてほしい、環境が劣悪な無料低額宿泊所に誘導するのではなく、個室での生活を優先させてほしい、といった要望が出されました。後者については、個室での生活を優先させるようにという厚労省通達につながりました。

居住については、住まいの貧困に取り組むネットワークなどから、生活困窮者自立支援法に基づく住宅確保給付金の支給が、ハローワークで求職活動をすることが給付条件となっているが、例えば音楽活動を続けたい人などは条件に合わず、利用できないので配慮してほしい、といった要望が出され、これも後の条件緩和につながりました。

労働に関しては、若者の雇用問題に取り組むNPO法人POSSEなどから、従業員を解雇せずに休業させる企業に対して支給される雇用調整助成金の上限額をもっと引き上げないと利用が増えない、といった要望が出されました。


障がい者問題については、共同連から、障がい者が働く事業所では、感染を恐れて事業所に通勤できなくなっている人が増えているので、送迎する車の購入補助をしてもらえないか、などの要望が出されました。

学生への支援については、奨学金問題対策全国会議から、奨学金返済の猶予措置の拡大、学費の延納や分納の実施と徹底、などが求められました。

前に並んだそれぞれの省庁担当者からは、望ましい回答が得られないことも多くありましたが、市民からの要望を直接伝え、話し合うことで、今後の対応につながっていく可能性を感じました。

おわりに
最後に、新型コロナウイルスの影響による貧困問題に取り組む団体を支援する「新型コロナウイルス:緊急ささえあい基金」の紹介と、同基金を発足させた反貧困ネットワークの代表世話人・宇都宮けんじからのあいさつがありました。


「非正規労働者やネットカフェ難民、シングルマザー、障がい者、外国人労働者など、困難を抱えている国民の声を政府に直接届ける意義は大きい。新型コロナウイルス感染症の拡大は、社会保障の削減や、学費の高騰、非正規労働者の増加など、日本社会の歪を露わにした。今、国の在り方が問われている。社会的・経済的支援を必要としている人々を支援しながら、この国の在り方を変えていく闘いが必要。ネットワークを強化し、共に闘いましょう。」という力強いあいさつで、長時間にわたった会合の疲れも、充実感に変わりました。

(希望のまち東京をつくる会 スタッフM)

シンポジウム「宇都宮健児さんと東京都政を語る会in江東」(2020年3月12日)のご報告」

2020-05-20 01:19:50 | 転載
2020.03.18レポート
はじめに
3月12日(木)に、希望のまち東京をつくる会(以下、当会)代表・宇都宮けんじが共同代表を務める市民と政治をつなぐ江東市民連合主催のシンポジウム「宇都宮健児さんと東京都政を語る会in江東」が江東区文化センターで開催されました。
参加した当会スタッフのレポートを、当会ブログにて、掲載させていただきます。

【宇都宮健児さんと東京都政を語る会in江東】
主催:市民と政治をつなぐ江東市民連合
開催日:2020年3月12日(木)18:30~21:00
開催場所:江東区文化センター
https://www.facebook.com/events/492445201632306/

レポート
3月12日(木)に、宇都宮けんじが共同代表をしている「市民と政治をつなぐ江東市民連合」の主催で、「宇都宮健児さんと東京都政を語る会in江東」が、東陽町にある江東区文化センターで開催されました。新型コロナウィルスが蔓延する中、参加者が少ないのではないかと心配されましたが、会場満席の76名が参加し、資料が足りなくなるほどでした。希望のまち東京をつくる会からも何人か参加しました。隣の墨田区の区議2人も参加していました。

宇都宮けんじの講演
「市民と政治をつなぐ江東市民連合」の芦澤礼子さんが司会をされ、宇都宮けんじが「今、都政にもとめられているもの」と題して講演しました。
1.「私たちの生活はどうなっているか」の現状を、国民の6人に1人、子どもの7人に1人、一人親世帯の2世帯に1世帯が貧困に陥っているなど、貧困と格差が拡大している現状を述べた後、その原因は「社会保障の貧困」と「労働政策の貧困」にあり、つまりは「政治の貧困」にあること、それを変える必要性について述べました。江東区で起こった兄弟餓死事件の痛ましい事例にも触れ、それを防げなかった行政の対応の問題性も述べました。
2.「都政の役割」について、(1)「住民の福祉の増進」(地方自治法第1条の2第1項)、都民(外国人を含む)の命と暮らしを守る都政、都民一人ひとりの幸せを考える都政、(2)憲法が保障する基本的人権が守られる都政、(3)選別的福祉ではなく、普遍的福祉を重視する都政にすることが重要で、そのためには、スウェーデンの国家予算を超える東京都の予算(2020年度の一般会計予算7兆3540億円、特別会計、公営企業会計も合わせると15兆4522億円)を、都民の生活を豊かにするために重点的に使っていく必要性について述べました。


3.「今、都政に求められているもの」として、学校給食の完全無償化や義務教育の完全無償化、都営住宅の新規建設と家賃補助制度の導入、公契約条例の制定、非正規労働者を減らし、正規労働者を増やす、都立病院・公社病院の独立行政法人化(実質的な民営化)反対、カジノ誘致反対、災害対策の強化、環境問題への取り組み、道路政策(外環道、特定整備路線)の見直し、待機児童、待機高齢者対策、障害者差別のないバリアフリーなまちづくり、羽田空港新ルート低空飛行の実施反対、ヘイトスピーチ対策の強化や外国人を含む都民の人権を守ること、出前福祉制度(ソウル市で行っている)を導入するなどして、福祉の行き届かない死角地帯をなくす、都民参加予算制度の導入など15の具体的な課題と政策を示しました。(それに加えて横田基地問題も)

質疑応答・会場発言
その後、フロアーからの質疑応答も行われ、新型コロナウィルス問題により経営困難を抱える中小企業への支援策、オリンピックや開発政策の問題、道路問題や陳情に対する行政の対応等の質疑が出されました。


また各現場で課題に取り組んでいる3人の方から発言があり、教育現場からは、東京都教職員組合の女性から、新型コロナウィルス対策として行われている休校措置に伴う問題、公立学校に導入されようとしている「変形労働制」の問題などについて述べられました。
「都立病院の充実を求める連絡会」の女性からは、都立病院・公社病院の独立行政法人化の問題について詳しく述べられました。新型コロナウィルスなどの新型感染症への対応にも、この独立行政法人化は悪影響をもたらす懸念も述べられました。
「臨海部開発問題を考える都民連絡会」の代表の方からは、江東区青海地区に誘致されようとしている、カジノ問題について述べられました。安倍政権や小池都政はカジノで経済成長させようとしているが、そもそも「経済」とは「経世済民」であって、カジノのように人の不幸の上に成り立つものであってはいけないことを述べ、江東区と東京都宛てのカジノ反対署名を行っていること、カジノ問題を都知事選の一大争点にしようと述べました。
宇都宮けんじの新著『『韓国市民運動に学ぶ』(花伝社)などの販売も行われ、集会終了後は、同書を購入された方々への宇都宮けんじのサイン会も行われました。


 (希望のまち東京をつくる会 スタッフK)