【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

【色平哲郎氏のご紹介】命ちもいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕抹に困るもの也

2021-06-07 21:43:24 | 転載
対抗政府のNUGが、軍政時代の国籍法を廃止して、ロヒンギャにも市民権と声明を発表したとの記事

https://bit.ly/356xpkN
Unity promises Rohingya citizenship, repatriation
JUNE 3, 2021


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命ちもいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕抹に困るもの也。此の仕抹に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり。去れども、个様(かよう)の人は、凡俗の眼には見得られぬぞと申さるるに付き、孟子に、「天下の広居に居り、天下の正位に立ち、天下の大道を行ふ、志を得れば民と之れに由り、志を得ざれば独り其の道を行ふ、富貴も淫すること能はず、貧賤も移すこと能はず、威武も屈すること能はず」と云ひしは、今仰せられし如きの人物にやと問ひしかば、いかにも其の通り、道に立ちたる人ならでは彼の気象は出ぬ也。

南洲翁遺訓  1890


命もいらぬ、名もいらぬ、官位もいらぬ、金もいらぬ、というような人は始末に困るものである。このような始末に困る人でなければ、困難を共にして、一緒に国家の大きな仕事を大成する事は出来ない。しかしながら、このような人は一般の人の眼では見ぬく事が出来ない、と言われるので、それでは孟子(古い中国の聖人)の書に『人は天下の広々とした所におり、天下の正しい位置に立って、天下の正しい道を行うものだ。もし、志を得て用いられたら一般国民と共にその道を行い、もし志を得ないで用いられないときは、独りで道を行えばよい。そういう人はどんな富や身分もこれをおかす事は出来ないし、貧しく卑しい事もこれによって心が挫ける事はない。また力をもって、これを屈服させようとしても決してそれは出来ない』と言っておるのは、今
、仰せられたような人物の事ですかと尋ねたら、いかにもそのとおりで、真に道を行う人でなければ、そのような精神は得難い事だと答えられた。


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皆さんは「公共の福祉によって人権が制限される」と聞くと、どのようなことを思いうかべますか。「社会の秩序や平穏という公共的な価値のために、個人はわがままをいってはいけない」というイメージを持ちませんか。または、「多数の人の利益になるときには、少数の人はガマンすべきだ」という意味だと感じませんか。

実はこれらの理解は、正しいものとはいえないのです。

仮に「社会公共の利益」といった抽象的な価値を根拠に個人の人権を制限できるとすると、「個人よりも社会公共の利益の方が上」ということになってしまいます。これでは「個人が最高だ」とする個人の尊重の理念に反してしまうのです。

個人が最高の価値であるのならば、その個人の人権を制限できるものは別の個人の人権でなければなりません。つまり個人の人権を制限する根拠は、別の個人の人権保障にあるのです。

私たちは憲法によって人権を保障されていますが、当然のことながら、他人に迷惑をかけることは許されません。たとえば、いくら私たちに「表現の自由」が保障されているといっても、他人の名誉やプライバシーを侵害してまで表現する自由が無制約に認められているわけではないのです。どのような人権であっても、他人に迷惑をかけない限りにおいて認められるという制限を持っています。

私たちが社会の中で生活をしていく以上、ときに、「ある人の表現の自由vs別の人の名誉権やプライバシー権」のように、人権と人権は衝突します。そしてその衝突の場面においては相手の人権をも保障しなければなりませんから、自分の人権はそのかぎりで一定の制約を受けることになります。

すべての人の人権がバランスよく保障されるように、人権と人権の衝突を調整することを、憲法は「公共の福祉」と呼んだのです。けっして「個人と無関係な社会公共の利益」というようなものではありません。また「多数のために個人が犠牲になること」を意味するのでもありません。

「公共の福祉」による人権制限の問題を考えるときには、対立する利益をつねに具体的に考えなければなりません。「誰のどのような利益を守るために人権を制限するのか」をしっかりと意識しないと、「国益」というような抽象的なものでの制限を許してしまいかねないからです。仮に「国益のため」という理由が語られたときには、その「国益」の中身が具体的にどのようなものなのかを考えてみることが必要です。

たとえば以前に、イラクで日本人が人質に取られるという事件が起こりました。このときに「自衛隊を撤退させずに国益を守るというのであれば、「生命という最大の人権を犠牲にしてまで守るべき国益とは何か」を具体的に考えなければなりません。そうでないと、「国益」という言葉に安易に流されてしまいます。国の都合で人権が制限されることがあってはなりません。

そもそも「公共の福祉」のことを英語ではpublic welfare といいますが、このpublicとは、「人民」がもともとの意味です。つまり「人びと」ということです。ところが、日本語の「公」はもともと、「天皇」や「国家」をさしました。

人権を制限するときに「公共の福祉」とか「公のため」という言葉を使うときにも、私たちはあくまでも、具体的な人びとの幸せを想定して考えていかなければならないのです。


https://bit.ly/3uUyDtO


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なぜ,日本国憲法「公共の福祉」概念が, 国連人権機関で問題とされるのか?


第6回日本政府報告書審査最終見解における該当部分を確認しよう。

・「公共の福祉」を理由とする基本的人権の制限
委員会は,「公共の福祉」の概念が曖昧かつ無限定であり,かつ,規約(2条,18条及 び19条)の下で許容される制約を超える制限を許容する可能性があることについて,繰 り返し懸念を表明する。委員会は,前回の総括所見(CCPR/C/JPN/CO/5, para. 10)を 想起し,かつ,締約国に対して,規約18条3項及び19条に定める厳格な要件を満たさない 限り,思想,良心,宗教の自由又は表現の自由を享受する権利に対して,いかなる制限 も課すことを差し控えるよう,強く求める。3)

「繰り返し懸念を表明する」とあるが,その前の第5回審査において,規約委員会は,「繰り返し懸念を表明」していた。4)、、、

3 )CCPR/C/JPN/CO/6, para.22. 外務省「日本の第6回定期報告に関する最終見解」

4 )「委員会は,『公共の福祉』が人権に対して恣意的な制限を課す根拠とはなり得ないとの締約国の説 明を考慮に入れても,『公共の福祉』の概念は曖昧かつ無限定で,規約の下で許される範囲を超える制 限を許容しかねないとの懸念を,繰り返し表明する(規約2条)。


https://bit.ly/3fVSqoj


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”非正規滞在者を原則収容せず” 入管難民法「幻の修正案」

親族らが監理 社会生活を容認   東京新聞 2021年6月3日

在日外国人の収容や送還の在り方を見直す入管難民法改正案について、政府・与党は今国会での成立を断念したが、与野党がいったん合意した「幻の修正案」の全容が関係者への取材で判明した。

在留期間を過ぎた非正規滞在者らも、逃亡の恐れがない場合は原則として入管施設に収容しないなど、政府案より人権保障を進めたもので、法改正に向けた今後の議論の出発点になりそうだ。

政府案は、非正規滞在者を親族や支援者が「監理者」として監視することなどを条件に、収容せず社会生活を容認する「監理措置」を新設。
ただ、入管が「相当と認めるとき」に限定していた。

修正案は「逃亡と証拠隠滅の恐れがないときは、監理措置に付する」と定め、収容ではなく監理措置を原則と位置付けた。
監理人に経済的な支援を検討するとの条文も盛り込んだ。

また、現行法では収容期間には上限がないが、修正案は逃亡の恐れが高いケースなどを除き、収容は6カ月以内と規定。
その後は監理措置に移行すると明記した。

さらに修正案は、飛行機で暴れるなどして強制送還を妨害した際の罰則を政府案の懲役1年から6月に引き下げた。

このほか政府案は、難民認定申請を3回以上繰り返せば送還可能にし、監理措置中でも国外退去処分が出た後は就労を禁止するなどと定めており、
野党は削除を求めたが、与党は応じなかった。

政府案を巡っては、国連機関や外国人支援団体から「難民が迫害国に送還されかねない」などと批判が続出。
名古屋出入国在留管理局に収容中のスリランカ人女性が3月に死亡したこともあり、野党の要求を与党が一部受け入れる形で5月14日、
自民、立憲民主両党の衆院法務委員会理事らの間で修正案がまとまった。

だが、野党がスリランカ人女性の監視カメラ映像を直ちに公開するよう迫ったのに対し、与党は女性の死亡に関する最終報告書を法務省がまとめた後の開示を提案、同日中に修正協議は決裂した。
政府・与党は5月18日、衆院選への影響などを考慮し、事実上廃案とすることを決めた。(共同)



「入管難民法改正の政府案と修正案、野党案」



「収容」 

・政府案 収容に代わる監理措置を新設。
国外退去処分後は就労不可。
監理人が入管に報告を怠れば10万円以下の過料

・修正案 逃亡と証拠隠滅の恐れがないときには監理措置に。
監理人への支援を検討。
収容は原則6カ月以内に(就労不可や罰則は維持)

・野党案 収容は逃亡の恐れのある場合に限定。
最長でも6カ月。
司法審査を導入



「送還」

・政府案  難民申請3回目以降は、認定すべき相当の理由がある資料を提出した人を除き、送還可能に。
送還妨害に懲役1年以下の罰則

・修正案 罰則は懲役6月以下に。
(難民申請3回目以降の送還はほぼ維持)

・野党案 難民申請中や提訴可能期間中は送還停止。
罰則なし



「その他」

・政府案 非正規滞在者が自ら出国すれば、上陸拒否期間を5年から1年に短縮

・修正案 治療などを緊急に行う必要が生じた場合、収容を解き仮放免に。
在留特別許可の類型に、日本で生まれた日本人の実子などを追加

・野党案 難民認定を入管庁から専門の独立行政委員会に移管。
在留特別許可を拡大し、改正法施行時に日本在留が10年を超えた非正規滞在者らを正規化


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「下水疫学」の北大工学部 北島正章・(現)准教授

「私を含めた水中ウイルスの研究者は、これまでノロウイルスやポリオウイルスなどの腸管系ウイルスを主な研究対象としていました。当初、新型コロナウイルスは呼吸器系ウイルスであるため、我々水中ウイルスの研究者が感染制御に貢献できることはあまりないと考えていましたが、流行の早い段階から感染者の糞便からウイルスが検出されたという報告があったため、下水中のウイルスも検出できるのではないかと考え調査を始めました」


https://bit.ly/34Syool


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<文字化け>
�讃�燭砲蓮¬啾�譴�發�床舛靴討い申�膩�蕕�い神硝務很榛�鮹呂梁減濂礎佑魏燭箸靴討眷�瓩茲Δ箸��う狙いがあった。

「革命の聖地」と言われた延安は、習仲勲らが1920年代末から築いてきた西北革命根拠地にあった。毛沢東が長征(1934年~36年)の末にようやく辿り着いたのが西北革命根拠地で、その時には中国全土の革命根拠地は全て蒋介石・国民党軍によって殲滅されていて、もし西北革命根拠地がなかったら、毛沢東の革命は失敗し、新中国は誕生していなかっただろう。

1978年に政治復帰した習仲勲を1990年に再び失脚させたのは、やはり�讃�燭澄��

天安門事件後になってもなお、習仲勲が「異なる意見を認める法律を制定すべきだ」と主張したからである。

だから習近平は国家のトップに立つやいなや、毛沢東を礼賛し革命根拠地を重視し、言論弾圧を強化するので
ある。言論の自由認めよと主張したが故に、父の習仲勲が再度の失脚を余儀なくされたことを熟知しているからだろう。

中国共産党が統治している限り、誰がトップに立とうと言論弾圧は消えない。父の理念に背いてでも言論弾圧をしていること自体が、それを証明している。


https://bit.ly/3z4lMsf


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合意ができて蒋介石は解放された。翌1937年2月の三中全会では西安事件をきっかけに国民政府の態度が硬化し、中国共産党の完全掃滅を決議し、その後も妥協を行わず中共を追詰めたが、日中戦争が勃発し、国民政府は中共掃滅を放棄し、第二次国共合作が成立する。蒋介石と周恩来との間でどのような会談が持たれたかは、戦後も一貫して張学良は語らなかった。

蒋介石監禁の報を受けた中国共産党は、蒋介石殺害を検討したが、スターリンの鶴の一声で立ち消えとなった。スターリンは「蒋介石を釈放しなければコミンテルンを除名する」と恫喝している。これは陳立夫のスターリンへの働きかけもあったし、蒋介石と和睦することで、共産党勢力を温存し、国民党と手を組んで抗日戦を継続することで、日本を中国に釘付けにして対ソ戦を回避させられるというスターリンの思惑が働いたという、、、

後年、蒋介石は数々のインタビュー内において、西安事件に関して一切発言しようとはしなかった。この会談で具体的に何が話し合われたのか、なぜそれまで頑なに共産党との合意を拒否していた蒋介石の態度が変わったのかについては、関係者が全て鬼籍に入った今となっては、永遠の謎となってしまった。

胡適は「西安事変がなければ共産党はほどなく消滅していたであろう。・・西安事変が我々の国家に与えた損失は取り返しのつかないものだった」と述べている。


https://bit.ly/2RxA0Ry


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裏切りと陰謀の中国共産党建党100年秘史


(書評より)知っていたつもりの中国現代史は謎だらけだった!

 中国研究の第一人者が謎だらけの中国共産党100年の歴史に挑んだ。

 2021年7月に建党100年を迎える共産党だが、じつは1935年に存亡の危機を迎えていた。そのとき、蒋介石率いる国民党軍の攻撃から毛沢東を救ったのは陝西省を中心とした西北革命根拠地であり、それを創ったのが劉志丹、高崗、そして習近平の父・習仲勲という3人の「英雄」たちだった。

 戦死した劉志丹以外のふたりに毛沢東は将来を託すも、高崗は「反党分子」として自殺に追い込まれ(1954年「高崗事件」)、習仲勳も失脚し16年に及ぶ投獄生活を強いられた(1962年「小説『劉志丹』事件」)。これらの事件は真相が不明なまま長らく謎とされてきた。

 本書はこの2つの「謎の事件」の犯人が�讃�燭任△襪海箸魏鯡世垢襦�犬弔蓮�讃�燭塙瞞勝⊇�膩����ぢ人は「五馬進京(1952年、毛沢東が解放戦争の時に地方局に分散していた書記たちのうちの5人を中央に呼び寄せ、大きな政府を作ろうとした)」のメンバーという因縁があった。事実、�讃�燭蝋瞞召��Δ靴燭△��出世街道を走り始め、西北閥最後の雄である習仲勲を失脚させその手柄を奪っていた(有名な「改革開放」は華国鋒、「経済特区」構想は習仲勳から横取りしたものだった)。

 いわゆる「�讃�真析叩廚鮴擇衒�掘�渋綯羚颪領鮖冒釮療彰垢鬚呂�襪海箸砲茲蟒�疂神�△遼榲�了僂�見えてくるという。毛沢東返りも香港問題も一体一路も軍民融合も脱貧困も、習近平の国家戦略には一貫して父を破滅させた「�讃�燭悗良錥押廚�△辰拭�� 習近平の狙いは尖閣を拠点にした台湾統一。そのうえで軍事的・経済的に米国を凌駕する。その王手をかけるまで復讐は終わらない。だが、そこにこそ習近平の「脆弱性」が潜んでいると著者は説く。

 一党支配体制の中国に世界を制覇されないために、日本の役割の重要性を強調する。

 約400頁とボリューム満点で、現代中国100年の歴史を展望し、今の共産党政権の戦略がわかるお得な1冊。


「習近平 父を破滅させた�讃�燭悗良錥押��


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習近平の「愛される国」外交指示を解剖する
遠藤誉 6/4(金) 11:55

5月31日、習近平は中共中央政治局の学習会で「愛される国」になる外交を展開せよと強調した。これを中国が外交方針を変えるシグナルかと受け止める向きもあるが、そのような甘い夢は抱かない方がいい。 

◆習近平、「信頼され、愛され、尊敬される中国の印象」を形成せよ!

習近平が中国を「愛される国になるために」外交方針を展開せよと言ったということが注目されているが、いかなる文脈の中で言ったのかを詳細に把握しないと、その意図を正確に分析することは出来ない。そこで、何を言ったのかを詳細に見てみよう。

5月31日午後、習近平総書記は中共中央政治局・第30回集団学習会を開催し以下のような骨子の講話を行った。


https://bit.ly/3x6Tg7D


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習主席、「愛される」中国外交を指示 友好国増やすため
BBC 2021年6月3日

ツイッターで中国の外交官をフォローしていれば、書き込みの調子や内容が近年どれだけ外交的とは程遠くなったか、承知しているはずだ。

なぜかというと中国の外交官は、「戦狼外交」を推進するよう、奨励されているからだ。そのため好戦的で時に中傷的な発言を繰り広げ、時には外国政府を直接非難もする。

それだけに、もしも習主席が本当に「愛される」中国政府を目指すのなら、これはいきなり180度の方針転換を指示したことになる。

フィリピンからオーストラリア、そして欧州に至るまで、中国政府に対する世間の好感度は急落し続けている。中国政府が世間に向けて続ける高圧的な発言が、その理由の一端だと言われている。

中国共産党に忠実な人たちの間にも、このような「戦狼外交」はむしろ中国にとって逆効果だと言い続けてきた声は以前からあった。習主席がそうした意見に今や説得された可能性はある。

党の中央政治局に対する主席発言で最も大事なのは、対外的なメッセージのトーンを党幹部が「なんとかする」必要があると言った部分だ。これはつまり、最近はそのトーンが手に負えない、たがが外れたものになっていたという意味だろうか? 「その通り」と大勢が言うだろう。

もちろん、これまでの高圧的な外交姿勢は中国の国際的評価をあまりに傷つけてきたので、ただ単に物言い変えれば修復できるはずもない。評価を挽回するには、行動そのものを変える必要があるだろう。

あるいは、習主席の発言を大勢が読み違えているだけという可能性もある。


https://www.bbc.com/japanese/57339921


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6/6 国会議員×研究者「最新情勢を学び、次の一手を考える勉強会」第二回 
-ミャンマーの悲劇を食い止め、市民の希望をかなえるための日本の役割


映像トータル 3時間0分22秒 

12分過ぎから35分過ぎまで、ドクター・ササ(英語) それ以降もほぼ英語

2時間41分過ぎから、日本に暮らす3名の若手ミャンマー人アピール(日本語)


開催主旨:

2021年2月1日にミャンマーで軍事クーデターが起きてから4ヵ月、事態は悪化の一途をたどっています。こうした中、2020年総選挙で選ばれた国会議員は連邦議会代表委員会(CRPH)を組織し、国民統一政府(NUG)を組閣。市民側の政権であるNUGには、多くの少数民族が内閣入りし、積年の課題であった民族間の軋轢の解消への一歩を踏み出しました。

民族の自治独立を求める少数民族武装勢力(EAO)とビルマ族への同化による国家統合をめざす国軍との間の内戦が絶えなかったミャンマーが、連邦国家としてまとまっていこうとする歴史上の転換点にあると言えるでしょう。

多民族国家をまとめるためには強権政府が必要だとしてきた国軍側に対し、市民側は、クーデターを起こした軍を反国民軍/破壊者とみなし、反国民軍がいなくても国民の力で国家をまとめられる、文民統制を実現したい、と抵抗を強めています。

しかし日本国内では、“市民の武装化によりEAOとの共闘が進み、大規模な内戦に発展しかねず、このままでは破綻国家へと突き進んでしまう。市民側が軍からの再選挙提案を受け入れることで、最悪の事態を防がなければならない”との見方も根強くあるように思われます。

では日本は、今後、どのような認識を持ち、どのような働きかけを行っていけばよいのでしょうか。本勉強会では、NUGの方々から、連邦国家への課題と展望を学ぶとともに、日本の国会議員、研究者、そして在日ミャンマー人を交えて、どのようにミャンマーに平和と自由を取り戻したらいいのか、日本政府と日本国民の役割を討論します。


https://bit.ly/3gfps1K


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貧しい国々へワクチン 先進国にとって最高の投資 ニコラス・クリストフ
Vaccinate the World! The Best Investment Ever.
朝日新聞2021/6/4「コラムニストの眼」

 最高のリターンが得られる投資はなんだろう? 未公開株だろうか? それともヘッジファンド?
 それらより、はるかに高いリターンを生む投資がある。地球規模で貧しい国の人々に新型コロナウイルスのワクチン接種を行うことだ。
 これまでのところ、米国をはじめとする「指導的な立場」であるはずの主要7カ国(G7)は、世界のパンデミック(感染爆発)との闘いで指導力を示していない。米国が「ワクチン・ナショナリズム」でワクチンと原材料を抱え込んでいるせいで、他国で救えるはずの命が失われ、米国自身の復興も損なわれている。
 「G7の大きな倫理的な過ちだ」とノーベル経済学賞を受賞したマサチューセッツ工科大学のデュフロ教授は言う。「私たちは自分たちの問題に注目しすぎていて、先が見えていない」 デュフロ教授の夫で、共にノーベル経済学賞を受賞している同大学のバナジー教授は、貧しい国々で変異株が出現するリスクがあり、「大きな失敗であるだけでなく、私たちに跳ね返ってくることになるだろう」と続けた。
 もちろん、これは一義的にはお金の話ではない。命の問題であり、人類が進む道筋の問題だ。とはいえ、倫理的な問題においてもコストを重視する人々に向けて、国際通貨基金(IMF)の最近の報告書は、世界的なワクチン投資の重要性を数字で示してくれている。
 今すぐに、主として裕福な国々が500億ドル(約5兆5千億円)の緊急投資を行って貧しい国々でワクチン接種を行えば、早期にパンデミックの制御ができ、2025年までに9兆ドル(約1千兆円)もの追加の経済成長をもたらすという。
 専門家によると、4年間にわたって毎年約267%のリターンが得られるのだという。これに対して、未公開株の平均リターンは1年あたり11%にすぎないことがオックスフォード大学の研究でわかっている。
 IMFのゲオルギエバ専務理事は、このような世界規模のワクチン投資はおそらく「現代史における公共投資で最高のリターン」をもたらすだろうとzする。今年中に世界人口の少なくとも40%、22年前半までに少なくとも60%に、ワクチンを接種することが目標だ。
 世界的なワクチン接種プログラムを進めてパンデミックを抑制すれば、富裕国では経済が大幅に好転し、税収が1兆ドル(約110兆円)上乗せされるとIMFは試算する。つまり、この投資は、税収の追加分だけで何倍も回収できるのである。

     *

 我々ヒトという種がどうなるかがかかっている。人類はここ数十年、極度の貧困や非識字、病気、失明、飢餓に関して、目覚ましい進歩を遂げた。しかし、新型コロナのせいで大きくつまずき後退している。ウイルスが低所得国で猛威をふるうと、少女たちは学校に通えなくなり、結婚させられる。ビタミンAの配布が滞れば、栄養素が欠乏し、失明や死が増える。子どもの寄生虫駆除が行われなくなり、栄養を寄生虫に取られて自分の体や脳にいかなくなって、貧血や栄養失調に陥る。女性が避妊や母体の健康管理を受けられなくなり、出産時に死亡したり傷を負ったりする。
 これらのすべてが、世界の不平等を拡大させる恐れがある。
 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は「世界のワクチンの大半を製造、購入する少数の国々が、世界の他の国々の運命を握っている」「今起きているワクチン危機はスキャンダラスな不平等であり、これこそがパンデミックを長引かせている。全ワクチンの75%以上がわずか10カ国で投与された」と語っている。
 ザンビア、スーダン、タジキスタンといった国々では、1回目のワクチンを受けた人すら人口の1%にも達していない。
 国のリーダーが自国民を優先させたいという気持ちはもちろん理解できる。だが、ワクチンの備蓄が増えるにつれ、世界全体での新型コロナとの闘いへ方向転換する必要がある。正しいことだからというだけでなく、私たちの国益にもかなうからだ。
 私たちが無視するザンビアのウイルスが、その後私たちを襲うウイルスになるかもしれない。また、このワクチン接種プログラムを生かし、トランプ政権中にぼろぼろになってしまったこの国の善意やソフトパワーを再構築するチャンスにもなる。それが次の国連気候変動枠組み条約締約国会議での進展につながるかもしれない。

     *

 率直に言って、私はIMFの出した数字に少し懐疑的だ。難しい当て推量が行われている上、貧しい国々でのワクチン接種は困難を伴うからだ。
 しかし、たとえIMFの示した数字が1桁違っていて、利益が9兆ドルではなく9千億ドルにすぎなかったとしても、それでも500億ドルの投資に対して18倍ものリターンとなる。西側諸国は、それをみすみす見逃している場合ではない。
 これはバイデン米大統領にとって、世界全体に恩恵をもたらし、米国経済も保護しつつ、G7での米国のリーダーシップを強化し発揮できるチャンスである。
 「パンデミックを終わらせる方法はわかっている」。国際組織「Gaviワクチンアライアンス」のバークレーCEOはそう話す。「やるべきことをする機会を私たちに与えないことは、ほとんど犯罪だ」

 (〈C〉2021 THE NEW YORK TIMES)
 (NYタイムズ、5月26日付電子版 抄訳)


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日本の政治は、異次元の領域に入ったのだろうか。

感染力の強いインドの変異株については、3月下旬には既に広く報道され、インドの感染者数は急増していた。4月に入り、その感染者数は爆発的な増加の段階に入っていたが、日本が対インドの水際対策を「強化」したのは、恐るべきことに5月1日になってからだった。しかもかなりザルの対策で、渡航者の隔離期間をやっと10日間まで延ばしたのは、なんと5月28日からになる。

この異常な遅れ。正気とも思えない。こんな水際対策をしておきながら、国民には自粛を強いている。

その政府が今、五輪開催を強行しようとしている。自分たちと関連企業のことしか、考えていないのかもしれない。五輪をし、日本人選手が活躍すれば「何だかんだいってやってよかった」となり、選手の活躍をなぜか自分たちの手柄のように語り、控えている衆院選で勝つつもりかもしれない。

もしかしたら、五輪で感染は広がらないかもしれない。でもそれは賭けだ。五輪で膨大な人数が国内に入る中で、完璧な感染対策など不可能だから(人類史上前例がない)、どうしてもここにはイチカバチカの、つまり賭けの要素が強くなる。賭けられているのは国民の命だ。あらゆる地域の人たちが一度に混ざるから、新たな変異株誕生の可能性もある。

これほどのパンデミック下で、通常の五輪を行う人類史上初の愚行、そして国民の命を賭ける前代未聞の大ギャンブルが始まろうとしている。


https://mainichi.jp/articles/20210603/ddl/k23/070/173000c


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Otto von Habsburg-Lothringen

オットーは全てのオーストリア人がスペインへイギリスへと脱出するよう手助けをした。陥落が迫るパリから
脱出するための書類をもたない共産主義者たちが「革命的」社会主義者と全く同じようにそのホテルに来た。
オットーが命を救うべき人々の出国許可のスタンプのない旅券と必要書類の大きな束をもって内務省に行った
とき内務省職員はきわめて現実的な質問をした。「貴方は出国許可のスタンプを押してもらっているのだから
貴方には関係ないでしょう」。オットーの答えは簡単だった。「しかし沈みかかった船を最後に離れるのは船
長です」(126p)

「ハプスブルク帝国、最後の皇太子 激動の20世紀欧州を生き抜いたオットー大公の生涯 」


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これから書く信じがたいようなことは、すべて田中清玄が本書で語っていることだけである。ぼくは何も手を
加えない。インタビュアーは毎日新聞社の大須賀瑞夫で、金大中事件などを追いかけた筋金入りのジャーナリ
スト、、、

最後に「田中さんは右翼だと思っていましたが」と尋ねられると、こう答えた。〔あんた、なんだと聞かれた
ら、本物の右翼だとはっきり言いますよ。右翼の元祖のようにいわれる頭山満と、左翼の家元のようにいわれ
る中江兆民が、個人的には実に深い親交を結んだことをご存じですか。一つの思想、根源を極めると、立場を
越えて響き合うものが生まれるんです。中途半端で、ああだ、こうだと言っている人間に限って、人を排除し
たり、自分たちだけでちんまりと固まったりする〕。

また、こう、続けた。〔政治家なら国になりきる、油屋なら油田になりきる、医者ならバクテリアになりきる
。それが神の境地であり、仏の境地だ〕と。


https://bit.ly/3chr5L9
田中清玄自伝 文芸春秋 1993 ISBN:4163475508