【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

『報道特集2022・6・11』の充実

2022-06-12 16:01:45 | 転載
『第21回平和のためのコンサート』を聴きに新宿区内のホールを往復し、帰宅時には6時を過ぎていた。番組の前半を見逃し、特例制度から視聴した。

 番組の中の人間模様を見ていて、ふと『レ・ミゼラブル』のジャンバルジャンを思いうかべた。貧困で弟に一個のパンを食べさせるために一個のパンとひきかえに懲役数十年。親鸞の悪人正機説。私たちは貧しく犯罪をおかす国民をみる。国の政治が根本を見失って自衛隊を増やし看護師保健師を減らす。

「少年院 心に傷を負った若者たち」
凶悪な犯罪。ただ犯罪をおかす動機は絶望感や自己尊重を見失う虚無であり自己喪失だ。少年院、昔は感化院と呼んだ教護施設。北海道の教護院「家庭学校」を斉藤茂男氏のルポ『父よ母よ!』のルポ作品と、映画化された作品を見た。更生した若者たちが出会う偏見と失意は凄まじい。
 少女たちの虐待は、家族内で強姦などの暴行をうけ深く心理的迫害を受ける。このような少年少女が、なんら自分が迫害に対応できない親や教師や大人たち。18,19の若者たちを法的に成人扱いして選挙に一票を投ずることができる。それにふさわしい公民教育を学校教育が保障すればのことだが。
 次の世代は数も減り就職も不安定。必要なのは若者の心を想像力で共感できる大人の力。

 北海道沼田町の就業施設は、農業を通して達成感や自立感を体得させている。別の話だがソビエト教育学で労働で総合技術教育や労働をとおして人格の陶冶をはかる。これらは長い歳月で実証されている。イデオロギーでなく、実際の労働を通じて人格に意義ある取り組みも国内で行われている。

 だがかつては国際的な意義を果たしたソビエト教育学やソ連文化は、歴史的にどう評価されるか。プーチン大統領が軍事紛争で見せた専制政治は、危険な様相を孕んでいる。ウクライナ・ロシア戦争の表面にはでない米欧の軍事産業資本の破滅的暴利むさぼりの傀儡に近くなったアメリカ大統領は土壇場にたっている。