写真は内田聖子さん撮影の写真
❶東京新聞はこう伝えた
東京都杉並区長選は20日開票され、無所属新人の公共政策研究者、岸本聡子氏(47)=立民、共産、れいわ、社民推薦=が、4選を目指した無所属現職の田中良氏(61)ら2人を破り、初当選した。投票は19日に行われ、投票率は37.52%(前回32.02%)だった。
岸本氏は、東京23区では、2002年から14年まで3期務めた新宿区の中山弘子元区長、07年に初当選し、現在4期目の足立区の近藤弥生区長に次ぐ3人目の女性区長となる。
市民団体が擁立し、国政野党が支援した岸本氏は、区が進める道路拡幅や、児童館廃止計画の見直しを訴えた。現職の田中氏は、緊急事態宣言下の昨年7月に群馬県のゴルフ場に出張していた問題が批判され、支持離れを招いた。
田中氏は同日午後12時10分過ぎ、区内の選挙事務所で支援者の前に姿をあらわし、「厳しい結果が出た。政策伝えきれなかった。私の力不足」と述べた。
▽得票数
岸本聡子氏 7万6743票
田中良氏 7万6556.724票
田中裕太郎氏 1万9487.275票
❷讀賣新聞はこう伝えた
東京都杉並区長選が20日、開票され、立憲民主や共産、れいわ新選組などが推薦する新人で国際NGO研究員の岸本聡子氏(47)が、自公などの支援を受けて4選を目指した現職の田中良氏(61)らを破って初当選を果たした。
次点の田中氏とは187票(有効投票数の0・1%)差だった。投票は19日に行われ、投票率は37・52%
❸私はこう考えた
市民の中に渦巻く社会不安と救済を求める潜在的願望。岸本聡子候補は論理的にも庶民感覚も市民が求める杉並区長像のテーマと合致する。技術的なインターネット駆使戦術も道端説法も市民の関心を一気に集める結果を得た。
得票数の差が少ないという讀賣新聞の指摘はそうなのだが、今まで2期3期とつとめ政府与党の自民党公明党が首都でつぎつぎに足元の砂がくずれていく。そんな感情を感じた市民も保守層にはいたのではあるまいか。
れいわ新選組の大衆をひきつける要素で、共産党の計画的な積み重ね、立民党の良心派の訴え。さらに、政党ではなく政治団体の緑の党、生活者ネット、新社会党などの共闘も効果的だった。
その中で、岸本聡子候補自身に政治の貧困と生活困難で苦しむ庶民の眼の高さに応じて運動を進めていくデモクラットの感覚と広く寛容し杉並区住民のこころをつかむ政治センスがある。
今後区の政治を展開するために、どう区政を展開していくか。すでに岸本さんは把握している。政党団体の言われるままにではなく、ひとつひとつの課題がどれだけ区民の暮らしを支えていくかを基盤に考えて実践していくことだろう。杉並区議会の区長与党を増やすことも大事だ。ただ区民の暮らしと幸福感を高めるためにひとつひとつの取り組みが大事だ。
フェミニズムが国際的に高まる時代に、首都で極右派の都知事がいるが、小池都知事も都民に対応していくことを増やしていかなければ都政がとまる。政治的立ち場は異なる。岸本区長が女性の社会的自己実現を広げていくために、時には都政とも連携する場面もあろう。
参院選が政府の争点隠しで一気に圧倒的多数派をめざしている中で、岸井聡子氏の当選は大きな励みを反政府派の国民本位のひとびとに大きな勇気と希望のともしびに点火してくれた。<了>