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「若者を見殺しにする国」 赤木智弘著 ”希望は自殺!”

2014-04-01 00:40:30 | ブログ

「若者を見殺しにする国」 赤木智弘

2007年に月刊誌「論座」に発表した「『丸山眞男』をひっぱたきたい 31歳、フリーター。希望は戦争」で注目を集めました。

著者によると300万円基準にそれ以上稼いでいる強い男性、強い女性、300万円未満しか稼いでいない弱い男性、弱い女性に分類している。「負け犬の遠吠え」の女性は著者によると強い女性になるそうです。

女性には弱い女性の層にいても専業主婦への逃げ場があるが、男性には専業主夫の道がないのもおかしいと述べています。

例えばアマゾンドットコムでの本のピッキングアルバイトは時給は900円でノルマは3冊/分。コンピューターで働きぶりは管理されているそうです。そのノルマを達成するために倉庫を走り回っているそうです。この層も弱い男性になります。

今の社会は、若者が頑張ろうと思っても300万円未満でうごめいている層から這い上がれない社会になっているとのことです。

著者はその層の若者に、①金を与えてくれ、②仕事を与えてくれと主張しています。金がないと学ぶこともできないからです。

平和とは今の社会が安定することであり、今の社会で裕福な層はその安定を望んでおり、それがその層における平和である。

苦しんでいる若者層にとっては、この平和(安定)が続くと、上(300万円以上)に行くチャンスがないと訴えています。

戦争になるとこの安定が破壊され、若者も苦しむが、それまで安定な社会で恩恵を受けている層も苦しむことになり、国民全員が苦しむ平等をが得られるとの発想で、戦争を希望しているとのメッセージになっています。

「希望は戦争!」は過激な発言ですが、今の安定が続いていると苦しんでいる若者層は引き続き苦しむので、その安定を破壊すれば、上に上がれるチャンスがあるとの考えです。

若者の非定期労働が1/3に達しています。

http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h25honpen/b1_04_02.html

平成24年は年齢階級別にみると,15~19歳が9万人,20~24歳が17万人,25~29歳が18万人,30~34歳が18万人であるとのことです。

貧困層は連鎖すると言われています。貧困層の子供は十分な教育を受けられないために高い収入を得られる仕事に就くことができません。

20数年前に米国で学生と話した時に、大学の入学者は人種の人口比率に合わせているのは逆に不平等だと白人の米国人が言っていました。その仕組みは貧困層を失くそうとの意図的な考えでした。

若者層が貧困で苦しんでいるのは、頑張らないからだとの考え方もあります。若者にも責任があるとの説です。若者側からは今の社会に問題があるとの主張です。どちらの説が影響しているかはわかりませんが、わかっていることは多くの若者が貧困に苦しんでいる事実です。

その層が歳を取って行きます。新たな若者も貧困層にある割合でなって行きます。将来の日本を支える若者層が苦しんでいる状態では、日本の将来もボディブローのように体力を失くして行くのではないかと思います。