あの名調子、世阿弥と共通点 「ジャパネット」前社長http://digital.asahi.com/articles/ASJ2B3CPDJ2BUCVL004.html?rm=5942016年2月13日 ■『世阿弥の世界』増田正造〈著〉
《思い出す本・忘れない本、ジャパネットたかた前社長・高田明さん》
「風姿花伝」を知ったのは2年ほど前。話し方を特訓中の社員が、世阿弥のことをテレビで見て「社長が言っていることに似ている」って教えてくれたんです。
それで世阿弥を研究したこの本を読んでみたら、確かに似ているな、と。「風姿花伝」は後世のために書いた秘伝の書。僕も退任を宣言した後で、「残したい」という思いに、感じるものがありました。能と通販では次元が違うかもしれないけど、人の心をどうつかむか、考え方は基本的に一緒です。僕はカメラ屋から始めて、現場に立ち、何千回と収録を繰り返す中で、毎日反省しながら、商品の魅力を伝えるためには一体何を磨けばいいのかを、ただただ考えてきたんです。
そうしたら、世阿弥の考えに自然と似ていた。僕がやってきたのは、世阿弥のいう「序破急」や「一調二機三声」だと気がつきました。序破急とは、どう話を展開するかという構成の考え方。一調二機三声は声の出し方や間の取り方。「2万9800円!」「金利負担!」って言う、その間が1秒違ってもだめなんです。最初の10秒でどう関心を持ってもらい、お客さんの心をつかまえるか。どの時点で値段を言うか、工事費込みだと言うか、分割の話に持って行くか。声の高低や、間もとても大事。ちょっとした表現の違いで売り上げが2倍は変わります。
ログイン前の続き若い時には、読んでもきっとわからなかったでしょう。これまでやってきたことの集大成があったからこそ、出合えた本だと思います。
世阿弥の言葉を借りることで、後輩にも伝えやすくなった。以前は「3秒違う」「つかみが弱い」と教えていた。昨日も8時間、みっちりMCの子たちと5商品をどう紹介するかを相談しましたが、今は「序破急」と言えば、社員にはすっと伝わります。
世阿弥は、三つの目が必要だと言った。まずは自分がどう見るか、という「我見」。でもそれだけじゃだめ。「離見」という、見られている目も必要。たとえば消費者はジャパネットに何を求めているかを考えること。これがなければビジネスは絶対に成功しない。そして、もう一つ、とても大事なのが全体を俯瞰(ふかん)する「離見の見」。私にとっては「見せる目」を意識するということであり、プレゼンテーションにつながります。物の値段だけじゃなくて、作った企業の思いや、どのように使えるかという商品の価値をどうやって伝えるか。伝え手が一番陥りやすいのは、伝えたつもりになってしまうこと。
新聞も同じじゃないですか。今の状態で、本当に大衆に届いているのか。朝日新聞デジタルはありますが、これだ、という記事がなかなか思いつきません。ネット世界では、お客さんはサプライズを求める。世阿弥でいうところの「秘すれば花」ですね。サプライズを起こしながら、「これをやってるのは朝日だけだよ」というものを作っていかなければいけない。同じことをやり続けていれば、お客さんには伝わらない。リスクをとり続けないと企業は衰退してしまいます。
退任には早いと言ってくれる人もいました。でも、世阿弥は、老人には老人の役割があると言った。ジャパネットを100年続く企業にするために、67歳の私なりの役割があるはずです。600年以上たっても能の世界は世界で認められている。同じことは企業でも起こりうるし、起こっていかなきゃいけない。私なりの風姿花伝を書いてほしいと言ってくれる社員もいます。僕はあと50年生きるつもりだから、そのうち書いてみるかもしれませんよ。(集英社新書・821円)(構成・守真弓)
感想;
その道で花を咲かせるには、相当な時間をかけて練習が必要なのでしょう。
その人の言葉には重みを感じます。
千里の道も一歩から。日々の取り組みが大切なのでしょう。
その一歩、「いつやるか、今でしょう」ですね。
いろいろ考えますが、一歩歩み出す行動が重要なのだと思います。
《思い出す本・忘れない本、ジャパネットたかた前社長・高田明さん》
「風姿花伝」を知ったのは2年ほど前。話し方を特訓中の社員が、世阿弥のことをテレビで見て「社長が言っていることに似ている」って教えてくれたんです。
それで世阿弥を研究したこの本を読んでみたら、確かに似ているな、と。「風姿花伝」は後世のために書いた秘伝の書。僕も退任を宣言した後で、「残したい」という思いに、感じるものがありました。能と通販では次元が違うかもしれないけど、人の心をどうつかむか、考え方は基本的に一緒です。僕はカメラ屋から始めて、現場に立ち、何千回と収録を繰り返す中で、毎日反省しながら、商品の魅力を伝えるためには一体何を磨けばいいのかを、ただただ考えてきたんです。
そうしたら、世阿弥の考えに自然と似ていた。僕がやってきたのは、世阿弥のいう「序破急」や「一調二機三声」だと気がつきました。序破急とは、どう話を展開するかという構成の考え方。一調二機三声は声の出し方や間の取り方。「2万9800円!」「金利負担!」って言う、その間が1秒違ってもだめなんです。最初の10秒でどう関心を持ってもらい、お客さんの心をつかまえるか。どの時点で値段を言うか、工事費込みだと言うか、分割の話に持って行くか。声の高低や、間もとても大事。ちょっとした表現の違いで売り上げが2倍は変わります。
ログイン前の続き若い時には、読んでもきっとわからなかったでしょう。これまでやってきたことの集大成があったからこそ、出合えた本だと思います。
世阿弥の言葉を借りることで、後輩にも伝えやすくなった。以前は「3秒違う」「つかみが弱い」と教えていた。昨日も8時間、みっちりMCの子たちと5商品をどう紹介するかを相談しましたが、今は「序破急」と言えば、社員にはすっと伝わります。
世阿弥は、三つの目が必要だと言った。まずは自分がどう見るか、という「我見」。でもそれだけじゃだめ。「離見」という、見られている目も必要。たとえば消費者はジャパネットに何を求めているかを考えること。これがなければビジネスは絶対に成功しない。そして、もう一つ、とても大事なのが全体を俯瞰(ふかん)する「離見の見」。私にとっては「見せる目」を意識するということであり、プレゼンテーションにつながります。物の値段だけじゃなくて、作った企業の思いや、どのように使えるかという商品の価値をどうやって伝えるか。伝え手が一番陥りやすいのは、伝えたつもりになってしまうこと。
新聞も同じじゃないですか。今の状態で、本当に大衆に届いているのか。朝日新聞デジタルはありますが、これだ、という記事がなかなか思いつきません。ネット世界では、お客さんはサプライズを求める。世阿弥でいうところの「秘すれば花」ですね。サプライズを起こしながら、「これをやってるのは朝日だけだよ」というものを作っていかなければいけない。同じことをやり続けていれば、お客さんには伝わらない。リスクをとり続けないと企業は衰退してしまいます。
退任には早いと言ってくれる人もいました。でも、世阿弥は、老人には老人の役割があると言った。ジャパネットを100年続く企業にするために、67歳の私なりの役割があるはずです。600年以上たっても能の世界は世界で認められている。同じことは企業でも起こりうるし、起こっていかなきゃいけない。私なりの風姿花伝を書いてほしいと言ってくれる社員もいます。僕はあと50年生きるつもりだから、そのうち書いてみるかもしれませんよ。(集英社新書・821円)(構成・守真弓)
感想;
その道で花を咲かせるには、相当な時間をかけて練習が必要なのでしょう。
その人の言葉には重みを感じます。
千里の道も一歩から。日々の取り組みが大切なのでしょう。
その一歩、「いつやるか、今でしょう」ですね。
いろいろ考えますが、一歩歩み出す行動が重要なのだと思います。