大久保公園付近には日没とともに売春行為を行う「街娼」が現れる=13日午後、東京都新宿区(岩崎叶汰撮影、画像の一部を処理しています)
「若いね。大学生?」 「ううん、専門。最近ここに立ち始めたんだ」 短いやり取りの後、男女は「値段」の交渉を経て、ホテル街に消えていく。東京・歌舞伎町の大久保公園では、街頭に立って売春の客待ちをする「立ちんぼ」が並ぶこうした光景が「日常」となっている。
11月上旬、付近のネオンに照らされ、薄明るい夜空の下で、公園周辺の狭い路地にはガードレールに腰掛ける10~20代とみられる複数の女性の姿があった。視線の先にあるのは、煌々(こうこう)と光るスマートフォン。ホストらしき男性の顔写真や動画、ホストクラブのサイトが表示されている。
「今年の夏ごろまで通ってた。『担当』(指名したホスト)がいて、月20万円くらい使ってた」 18歳という女性はこう打ち明けた。実家は都内にあるが、家出中。語る表情にはあどけなさが残る。「ナンバー(ホストの店内ランキング)に入るならいいかなって」。「推し」のステータスを高めることに夢中になった。売春で稼いだ金を貢ぐことに、抵抗や負担は「感じなかった」。
現在はホストクラブに入り浸ることもなくなったが、生活費を稼ぐために立ちんぼを続ける。 午後9時過ぎ、既に3人の客を取った。「あと1人で帰るよ」。屈託なくほほ笑んだ。 約600メートル四方に飲食店などが密集する歌舞伎町は、老若男女が行き交うアジア最大の歓楽街だ。ただ、大人の遊び場だった街は近年、違う顔をのぞかせ始めた。中心部の「トー横」には行き場のない少年少女が集結。そこから徒歩5分の大久保公園でも立ちんぼの低年齢化が顕著だ。 「昔は風俗店で稼げなくなった年齢層が高めの女性が多かった」。
警察関係者はこう明かす。 地元関係者によると、変化のきっかけは新型コロナウイルス禍。生活苦の若い女性が目立つようになり、コロナ禍が明けると、ホストクラブのつけ払い(売掛金)の返済目的が増えたという。 この関係者は「夜の街も営業を本格化したからだろう」と推察。実際、警視庁が9月に売春防止法違反容疑で摘発した35人のうち、約4割はホストクラブの売掛金返済などが動機だった。 春頃に公園前に列をなしていた立ちんぼたちは現在、公園東側のホテル街や新大久保駅側に散り散りに立つようになった。
警察の取り締まり強化に加え、「公園が有名になりすぎ、やりづらくなったのだろう」と地元関係者は話す。 変化はほかにもある。ホテル前で露出の多い服装に身を包んだ外国人風の「女性」たちだ。客待ちではなく自分から声をかける特徴がある。 「あれは実は男性。コロナ禍明けから急激に増えた」(地元関係者)。これまで中南米や東アジアの女性が主流だった外国人の立ちんぼは、コロナ禍が明け、東南アジアの男性になってきているという。 「カオス化」が進む歌舞伎町。長年にわたり、地域を見続けてきた関係者はこう吐き捨てる。 「ここでは、時代が変わっても新しい闇が次々と生まれるんだ」(外崎晃彦) 立ちんぼ、ホストクラブ、ギャング化する若者、流入する外国人-。変貌し、混迷を深める歌舞伎町のいまと、深層を探る。
感想;
何とかできないのでしょうか?
確かにホストにお金を貢ぐのは本人の責任です。
しかし、人は弱いのです。
お酒があるとアルコール中毒になる人もいます。
本人のせいですが、きちんと助ける仕組みがあっても良いと思います。