・かつて私は、人生のひどく辛い出来事に直面し、心の闇に陥って抜けられなくなった経験があります。その時、私を支えてくれたのが家族の存在とフランクルの言葉でした。フランクル心理学を知っていたからこそ、人生の難局を乗り越えることができたのです。そこで、ひとりでも多くの人にフランクルの教えを知ってもらいたいと本書を執筆しました。
・みなさんの人生はいかがでしょうか? うまくいっていますか? 疲れていませんか? なかなか生きるのに難しい時代です。
でも、どんな時にも人生に意味があります。かつての私のように一冊の本から、人生の難局で自分を支える言葉を、また、そこから抜け出すヒントを見つけていただけたら、それが本書なら、作者としてこれほど嬉しいことはありません。それでは、ちょっと変わった小さいおじさんとボクの不思議な七日間の物語に、最後までお付き合いください。
・過去を愛せる人は、未来から愛される。
・今と未来を変えれば、過去の意味は変えられる。
・自分を超えた大きなものからの呼びかけに応える。
・人生から何を期待されているか。
・どんな時でも人生にイエスと言おう。
・苦悩する人は選ばれた人。
・みんなのために生きる。無我夢中になれ。我を亡くせば夢は手中に。
・「何を学んだ?」
「全ての人の人生に意味があること。
どんなに辛い時でも人生は意味で満たされること。
『創造価値』『体験価値』『態度価値』があること。
人生に意味があるのか無いのかと問うこと。
人間は人生から問われている存在であり、その問いに無我夢中になって答えて行けばいいこと。
自分のことばかりを考えない、ふりかえらない。
反省はほどほどに。
自分を超えた存在からの声に耳を澄ます。
『人生に何を期待できるか』ではなく、『人生から何を期待されていいるか』を考える。
未来で待っている人がいる。
未来で待っている何かがある。
その人やその何かのために今できることが必ずある。
人間がどれだけ人生に絶望しても、決して人生は人間に絶望しない。
この世界は意味で満ち溢れている、くだらなくて愛おしい世界だ。
だから、どんな時でも人生にイエスと言おう」
・諸富祥彦解説
人間は「意味」なしに、つらく苦しい毎日を耐え忍んでいくことはできません。
逆に、その「意味」がわかれば、たいていのことには耐えていけるものです。
「意味」志向の心理療法であるロゴセラピー、そしてその基盤となるフランクルの思想は、多くの人が生きづらさを抱える現代にあって、ますますその必要性が高まっていると言えるでしょう。
感想;
(ロゴセラピーについてのHP)
下記の本は例えば多くわかりやすいです。
NHK『こころの時代』でフランクルが取りあげられ、フランクルの思想に関心が集まっています。
『夜と霧』をまだ読まれたことのない方は、お勧めします。
「怖い」と写真があるのでそう思われる方は、霜山徳爾(旧版)でなく池田香代子(新版) の訳、そのような写真がない、を読まれると良いかと思います。
・人生の意味の問いにたいする答えは、意味それ自体のなかにあります。わたしたちが認識したり変化させたりすることのできる意味が、尽きることなく存在している-このこと自体が、すでに意味にはかなりません。ポイントをはっきりさせて言えば、人生の意味とは、生きることということにはかなりません。つまり、尽きることのない意味に取り組み続けるということです。幸いなことに、尽きることのない意味に参与することが、わたしたちに許されています。そのさい、わたしたちが必ずしもつねに幸福に恵まれているわけではないことは、おのずからわかります。必要のない苦しみや不幸が存在することも事実です。しかし、そのようなことは、人間という存在を新たに考え直し、わたしたち自身を倫理的に向上させていくきっかけとすべきものなのだろうと思います。