著者の東田直樹さんは重度の自閉症のため、頭にうかんだことばを覚えていることが難しく、通常の会話ができないそうです。
そこで、手作りの紙の文字盤を指差しながら、一音、一音、発し、一かたまりのことばとして発語します。
「今日は、僕のついに出ることになった本の記者会見の会場に来てくださり、ありがとうございます。
この本を書いたのは、自閉症の人たちは特別な存在ではなく、みんなと同じように悩み、苦しみ、そして喜んでいたり、楽しんでいたりしていることをわかってもらいたかったのです。
自閉症の説明をしていると思われるかもしれませんが、どちらかというと、僕の価値観を表現したものです。
どうか多くの方に読んでもらいたいです。どうぞよろしくお願いします。おわり」
筆談を経てたどり着いたこの独自の発語方法で、ゆっくりと発語する直樹さんのご挨拶で、会見は始まりました。
自閉症の自分は一人では生きられない。誰かの助けが必要。生きててよいのだろうかとの自問自答。
そして、生きていてよい。存在の価値はあると信じてできることを精一杯されています。
先ずは、自分の存在は大切なもの。自分は存在していてよいんだと信じることから始まるのではないでしょうか。
そして、どんな人も生きている価値はあると信じます。相手の尊重です。
その価値をどこまで高められるかは、自分の持っている、あるものを、どれだけ生かすかだと思います。
神様は一人ひとり違う使命を与えてくださっていると考えます。
その使命を遂行するために今の状況を神様が与えている。神様からのプレゼントだと。
神様が他の人に与えているプレゼントを羨ましく思ってもどうすることもできません。
与えられているものを活用して、どうするかは私たちができることではないでしょうか?
それを生かすと、他の人より劣ったと思った(神様からの)プレゼントが大きな輝きを発するのだと思います。(神様からの)プレゼントは大きなプレゼントだったのです。
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