平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

八重の桜 第33回「尚之助との再会」~あなたは新しい時代を生きる人だ

2013年08月19日 | 大河ドラマ・時代劇
「私は何もなせなかった。これが私の身の丈にあった暮らしです」
「八重さんの夫になれたことが私の人生の誇りです」
「あなたは新しい時代を生きる人だ。生きなさい」

 作中、咳をするシーンがありましたが、尚之助(長谷川博己)は不治の病にかかっていて自分の命が永くないことを知っていたんでしょうね。
 だから、こんな諦めの境地の言葉を吐いた。
 でなければ、斗南藩のために自己犠牲で闘ってきた尚之助はもっと胸を張っていてよかったはず。
 八重(綾瀬はるか)とともに自分も新しい時代のために再起しようと思ったはず。
 しかし、自分の死は間近。
 八重がこのことを知ったら、必ず看病など言い出し、未来を犠牲にするだろうから、敢えて突き放した。
 尚之助の心情はこんな感じでしょうか?
 単に人生に疲れ、絶望したから、諦めの境地で暮らしているというのでは少し足りない気がする。

 一方の八重。
 尚之助のこんな諦めの姿を見たら、「しっかりしなさい!」と叱咤しそうなんですけどね。
 あるいは、なぜ夫がこんなことを言っているのか、を考えるはず。
 槇村正直(高嶋政宏)や岩倉具視(小堺一機)には食ってかかれる八重なのに、尚之助に対してはあっさりすぎる。
 よくわからない。

 今回のもうひとつのモチーフは<藩閥政治>。
 薩長が握っている実権を切り崩そうとする土佐、佐賀などの野党勢力。
 これはいつの時代でも同じですね。
 政治家は権力を握ることだけに一生懸命で、国のことは二の次。
 現代で言えば、小沢一郎氏。小沢さんは「政権交代」、選挙で勝つこと、権力を握ることにしか興味がない感じ。
 なので、そんな政治家たちには八重のこんなせりふを。
「権力は道具。たかが道具に足を取られてまともな政治が出来ますか!?」
 八重が言うとおり、権力は道具であり、その道具を使って何をするかが大事なのに、政治家は道具を奪い合うことに汲々としている。
 もっとも、これが民主主義なんですけどね。
 京都の槇村のような強力な指導者による独断専行の方が、物事は効率よく進むのですが、このやり方の行き着く所は<独裁者>。
 どちらがいいかと言えば、「ああでもない、こうでもない」とワチャワチャやってる方がいいかもしれない。

 最後に<教育>。
 あの時代に<教育>、特に<女子教育>に着眼した覚馬(西島秀俊)は大したものですね。
 道路や橋はハードウェア、人はソフトウェア。
『コンクリートから人へ』の民主党の政策は正しかったと思うのですが、挫折しましたね。
 思い描いた設計図どおりに国を作っていくことは、いつの時代も大変な作業です。

コメント (14)
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