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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

八重の桜 第32回「兄の見取り図」~「これからは学問がお前の武器だ」

2013年08月12日 | 大河ドラマ・時代劇
 覚馬(西島秀俊)のいくさ。
 それは京都に<文明の町>をつくることだった。
 京都については「会津が命がけで守った場所」とも発言。
 覚馬にとって京都は<第二の会津>だったんでしょうね。
 そして、この場所に新しいふるさと、覚馬の言葉を借りれば「薩摩や長州に関係のない豊かで広い世界」をつくろうと考えた。
 山川浩(玉山鉄二)が斗南にふるさとをつくろうとしたのと同じように。

 以前にも書きましたが、それは<創造>の行為。
 幕末編が<破壊>だとしたら、明治編は<創造>。
 地面の種が芽を出し、成長して、花を咲かせるまではまだまだ時間がかかるでしょうが、創造の行為は美しい。
 なのに人はなぜ破壊をやめないのだろう?
 この作品には<破壊>と<創造>の対立葛藤がある。
 歴史は<破壊>と<創造>の繰り返し。
 <破壊>は今後、西南戦争や日清日露戦争で描かれていくのかな?

 対立葛藤といえば、今回は新しいテーマが提出された。
 <武器=鉄砲>と<知識>の対立葛藤だ。
 覚馬は八重(綾瀬はるか)に言う。
「これからは学問がお前の武器だ」
「知恵と知識が一番の武器になる」
 八重に鉄砲を捨て、知識を手に入れろと説く覚馬。

 <知識>
 たとえば、万国公法は外国と交渉し、戦っていくための武器になる。
 英語も交渉のためには欠かせない。
 <知恵>
 たとえば「ひな人形を外国に売る」という発想が知恵だ。
 新島襄(オダギリジョー)も山川捨松(水原希子)に「国費を利用しておおいに学べ。美味いものを食べろ」と言った。
 これも発想の転換であり、知恵だ。
 知識と知恵があれば、いくらでも戦えるし、世の中を豊かに出来る。

 <創造><知識><知恵>、じつに前向きで明るい言葉ではないですか。
 山川捨松の美しさはその象徴。
 それに比べて<破壊><武器>という言葉は、やはり後ろ向きだ。
 鉄砲を撃つ八重より書物に向かう八重の方が魅力的に見える。


コメント (4)
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