帝に贈る「源氏物語」の装飾本。
その制作過程を丁寧に描いたことが素晴しい。
きらびやかな紙、藤原行成(渡辺大知)ら能筆家による清書、女房たちの製本。
平安時代の雅が味わえるし、彰子(見上愛)のワクワクな想いも、
まひろ・藤式部(吉高由里子)の成功も同時に理解できる。
完成した装飾本を見た時の一条天皇(塩野瑛久)のリアクションも気にかかる。
ひとつのシーンに四つの意味を含ませる、見事な作劇だ。
道長(柄本佑)はおかしくなっている。
先回は皆の前で藤式部へ返歌をして空気が変になったのに気づかない。
今回は──
「敦成親王は次の東宮になる御方ゆえ」
道長は敦康のことを忘れている。
敦成を東宮にすることは「敦康の排除」であることに気づいていない。
藤式部が「次の?」と問うても
「警護が手薄なことをわかって忍び込んだということは、ただの賊ではないやもしれん」
と、藤式部の疑問がまったく耳に入っていない。
自分の行動にためらいや葛藤がなくなった道長はどこに行く?
おそらくここで道長はいったん闇落ちするのだろう。
何しろ敦康を排除しなければなりませんからね。
権力は人を狂わせる。
そんな闇落ちした道長をふたたび「光る君」に戻すのは、まひろなのだろう。
今回登場した盗賊・双寿丸(伊藤健太郎)は「直秀」を想わせるから、
双寿丸を通して道長はかつての自分を取り戻すのかもしれない。
まひろも少しおかしくなっている。
実家に帰って藤壷での自慢話。
酔っているせいもあるが、まわりの空気がおかしくなっていることに気づいていない。
そして「この家がみすぼらしく思えた」
まひろは上級貴族の人間になってしまった。
父・為時(岸谷五朗)は官位を得たことも当然のことのように思っている。
環境は人を変える。
そんなおかしくなったまひろを元に戻すのが賢子(梨里花)なのかな?
彰子はますます覚醒。
賊が入っても慌てず、「何事だ!?」「しばし待て」
「上に立つお方の威厳と慈悲に満ちあふれた行動」を取った。
敦康の排除に対して彰子はどのように反応するのだろう?
清少納言(ファーストサマーウィカ)の『源氏物語』のリアクションは次回にお預け。
倫子(黒木華)は気づいているかどうかは不明だが、まひろに対する表情が今までと違う。
←逆にこれが怖ろしい……!
いろいろ引っ張りますね。
その制作過程を丁寧に描いたことが素晴しい。
きらびやかな紙、藤原行成(渡辺大知)ら能筆家による清書、女房たちの製本。
平安時代の雅が味わえるし、彰子(見上愛)のワクワクな想いも、
まひろ・藤式部(吉高由里子)の成功も同時に理解できる。
完成した装飾本を見た時の一条天皇(塩野瑛久)のリアクションも気にかかる。
ひとつのシーンに四つの意味を含ませる、見事な作劇だ。
道長(柄本佑)はおかしくなっている。
先回は皆の前で藤式部へ返歌をして空気が変になったのに気づかない。
今回は──
「敦成親王は次の東宮になる御方ゆえ」
道長は敦康のことを忘れている。
敦成を東宮にすることは「敦康の排除」であることに気づいていない。
藤式部が「次の?」と問うても
「警護が手薄なことをわかって忍び込んだということは、ただの賊ではないやもしれん」
と、藤式部の疑問がまったく耳に入っていない。
自分の行動にためらいや葛藤がなくなった道長はどこに行く?
おそらくここで道長はいったん闇落ちするのだろう。
何しろ敦康を排除しなければなりませんからね。
権力は人を狂わせる。
そんな闇落ちした道長をふたたび「光る君」に戻すのは、まひろなのだろう。
今回登場した盗賊・双寿丸(伊藤健太郎)は「直秀」を想わせるから、
双寿丸を通して道長はかつての自分を取り戻すのかもしれない。
まひろも少しおかしくなっている。
実家に帰って藤壷での自慢話。
酔っているせいもあるが、まわりの空気がおかしくなっていることに気づいていない。
そして「この家がみすぼらしく思えた」
まひろは上級貴族の人間になってしまった。
父・為時(岸谷五朗)は官位を得たことも当然のことのように思っている。
環境は人を変える。
そんなおかしくなったまひろを元に戻すのが賢子(梨里花)なのかな?
彰子はますます覚醒。
賊が入っても慌てず、「何事だ!?」「しばし待て」
「上に立つお方の威厳と慈悲に満ちあふれた行動」を取った。
敦康の排除に対して彰子はどのように反応するのだろう?
清少納言(ファーストサマーウィカ)の『源氏物語』のリアクションは次回にお預け。
倫子(黒木華)は気づいているかどうかは不明だが、まひろに対する表情が今までと違う。
←逆にこれが怖ろしい……!
いろいろ引っ張りますね。
人間関係が気になる人たちはいるのですが、少なくとも現時点では「絶頂」にあるまひろにはそれなりに「力」があったようですね。
道長の揺るぎない後ろ盾、彰子を覚醒させた功績、彰子自身からの絶大な信頼。
赤染衛門も「お方様だけは傷つけないでくださいね」と釘を刺しただけ。
次回、清少納言(ききょう)もまひろに「恨み言」をぶつけるかもしれませんが、差し当たりまひろの脅威となるほどのことはないのかもしれません。
ただし、
>まひろも少しおかしくなっている。
たしかに、まひろの心の中に明確な「奢り」を描いていますね。
これは危うい兆候。
賢子の反抗は至極健全なもので、仰るとおり「まひろを元に戻す」のが彼女だと良いのですが。
やはり現時点での最大の問題は、敦康親王VS敦成親王の「次期東宮」をめぐる政治闘争ですね。
>おそらくここで道長はいったん闇落ちするのだろう。
道長には闇落ちさせないとの大石さんの言葉と、この問題とでどう折り合いがつけるのか、今後を見てみたいところです。
敦康親王を推す伊周がどれだけ「悪役」として前面に出るかがが鍵でしょう。
>敦康の排除に対して彰子はどのように反応するのだろう?
彰子の敦康との親密さは本物のようで、各所からの情報では、彼女は道長の敦康排除には反対するようです。
従って、一定の父子対立もあるようです。
道長と彰子との間にあって、まひろはどのような立ち位置をとることになるのでしょうね。
双寿丸はたしかに直秀を思わせますが、彼自身は盗賊ではなかったのではないでしょうか。
盗賊は黒覆面でしたが、双寿丸は白布の面で何やら呪術をしており、走り去った盗賊が捨てた着物を見ていただけ。
盗賊はことによると伊周の手先かもしれません。
今の世の中でも、田舎のおっさんたちが寄り合いなどで集まって酔っ払っては、地区のボス格の人物が「オレはJ民党のナントカ先生とマブダチなんだ」と偉そうに自慢する風景が、こういう感じです。
ちなみにまひろはまだマトモな方です。結果として自慢話になってますが、あったことを話しているだけで、自慢したりマウントしたりする意図は薄いですからね。
そういう空気感が分かるので、九州の下級士族にルーツを持つ福沢先生が、庶民に対して差別的だったかもしれないと聞いても、あってもおかしくない話と思うわけです。
今後の展開ですが、もしかすると「自慢話?を垂れ流すまひろの目を覚まさせる」役回りとして、ウイカお嬢さんが出てくる可能性もありますが、あの怖い顔からすると、そういった感じではなさそうです。
ちょっと読めなくなってきましたね。
いつもありがとうございます。
まひろは「絶頂」であるがゆえに奢ってしまったのでしょうね。
とはいえ、それは少し得意になっているというレベル。
吉高由里子さんに酔っ払った演技をさせたかったという意図もあるのでしょう。笑
道長は、大石静さんの言葉が気になりますね。
いったん闇落ちして、まひろと彰子が諫めて自分を取り戻すという展開になるのではないかと僕は考えています。
ここが闇落ちしたまま変われず、死によってやっと解放される「鎌倉殿」の北条義時や「清盛」の平清盛と違う所。
ジェンダー論にしてしまうとお叱りを受ける昨今ですが、大石静さんのスタンスは「女は強し!」。
それと、まひろが書いていた「罪」と「罰」が何を意味するのか気になります。
確かに双寿丸の立ち位置はまだわかりませんね。
盗賊が盗んだ着物を落としていったのは、盗品を持っていたら双寿丸たちから逃げ切れないと考えたからなのか?
一方、双寿丸は上級貴族たちに対して何を考えているのか?
いつもありがとうございます。
清少納言は何を語るのでしょうね?
文学論を語るのか?
政治論にまで踏み込んで、伊周・定子・敦康の系統をなきものにする道長とそれに荷担するまひろを責めるのか?
福沢については、お仕事が忙しいとは思いますが、イメージでなく調べてから判断しましょう。
僕は曖昧な状態が気持ち悪いので、図書館で福沢に関する本を借りて、斜め読みですが、読みました。
福沢諭吉の基本は「個の自立」。
明治政府が唱えた「君主は民の父母(=親が子供にいろいろなことを教えるように、政府も民を温かく導かなくてはならない)という姿勢や中国の「政府は牧民の職」という考えを否定しています。
中国では「牧」は「家畜を養う」という意味があるそうですね。
つまり「民」は「家畜」?
これらを否定する福沢は民に差別的と言えるでしょうか?
とりあえず原典や関連本を読みましょう。