古今和歌集 0360 2020-10-24 19:06:28 | 古今和歌集 すみのえの まつをあきかぜ ふくからに こゑうちそふる おきつしらなみ 住の江の 松を秋風 吹くからに 声うちそふる 沖つ白波 凡河内躬恒 住の江の松に秋風が吹きつけるやいなや、それに合わせて音を響かせて寄せる白波であるよ。 初めてこの歌に接したときは「それがどうしたの?」と言いたくなりました(汗)が、情景を思い描きながら繰り返し読んでみると、松に吹き付ける風の音と打ち寄せる波の音、松の緑と波の白、二重のシンクロが詠み込まれた、味わい深い歌であることがわかってきます。