わがきみは ちよにやちよに さざれいしの いはほとなりて こけのむすまで
わが君は 千代に八千代に さざれ石の いはほとなりて 苔のむすまで
よみ人知らず
わが君には千代にも八千代にも、小石が成長して巌となり、そこに苔がむすまでずっと長寿でいていただきたいことよ。
古今和歌集巻第七「賀歌(がか)」の冒頭を飾るのは、国歌「君が代」のもととなったこの歌。0003 でもご紹介済みのほか、本ブログでは2年半ほど前の記事「きみがよは ちよにやちよに」でも触れていますので、よろしかったらそちらもご参照ください。
初句は現在の国歌が「きみがよは」なのに対して「わがきみは」。ここでの「君」は必ずしも帝や主君に限らず、長寿を祝おうとする相手のこと。後の写本では「きみがよは」となっているものが圧倒的に多いとのこと。また、第二句を「ちよにましませ」としている写本もあるようです。
29首収録の「冬歌」よりもさらに少ない22首の「賀歌」。どうぞお楽しみください。 ^^