漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0346

2020-10-10 19:01:48 | 古今和歌集

わがよはひ きみがやちよに とりそへて とどめおきてば おもひいでにせよ

わが齢 君が八千代に とりそへて とどめおきてば 思ひ出にせよ

 

よみ人知らず

 

 私の残りの寿命をあなた様の八千代に続く歳月に譲り添えることができたならば、ご自身の長寿の折々に私を思い出してください。

 現代人にはとても分かりづらい歌なので、かなり意訳してみました。平均寿命が40歳程度だった当時、まずなによりも長寿が「お祝い」の対象であり、「自分の寿命を譲る」というのは最大限の祝意の表明だったようです。