漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 110

2023-08-04 05:46:36 | 貫之集

小鷹狩りしたるところ

はなのいろを ひさしきものと おもはねば われはやまぢを かりにこそみれ

花の色を 久しきものと 思はねば われは山路を かりにこそ見れ

 

小鷹狩りをしているところ

花の色をいつまでも変わらないものとは思わないから、私が山路で狩りをしながら、そこに咲く花をかりそめのものとして眺めるのであるよ。

 

 「小鷹狩り」は 015 にも出てきました。第五句の「かり」は「狩り」と「仮」の両義で、これも良く用いられる掛詞ですね。