山辺に、藤の花松にかかれる
ふぢのはな もとよりみずは むらさきに さけるまつとぞ おどろかれまし
藤の花 もとより見ずは むらさきに 咲ける松とぞ 驚かれまし
山辺の松に藤の花がかかっている
松に藤の花がかかっていて、その元から見なかったら松が紫の花を咲かせているのかと、驚いたことだろう。
「山辺」とありますから、遠くから見た光景なのでしょう。一見してすぐに藤とわからないので、松に紫の花が咲いたかと思って驚いてしまうという歌。最後に「まし(=反実仮想)」がついていますので、実際には根本から良く見たので藤の花とわかり、驚きはしなかったということですね。