貫之集 122 2023-08-16 05:26:54 | 貫之集 女の家に男いたりて、籬の尾花のもとに立てり ふくかぜに なびくをばなを うちつけに まねくそでかと たのみけるかな 吹く風に なびく尾花を うちつけに 招く袖かと たのみけるかな 女の家に男がいて、籬の尾花のもとに立っている。 吹く風になびく尾花を、とっさに女が自分を招いている袖かと思って、頼もしく感じたことよ。 尾花が風になびいて揺れているのが、まるで女性が手招きしているように見える、ということですね。言われてみればわからないでもない気もしますが、歌人の感性というところでしょうか。