散る桜
おなじいろに ちりしまがへば さくらばな ふりにしゆきの かたみとぞみる
おなじ色に 散りしまがへば 桜花 ふりにし雪の かたみとぞ見る
散る桜
桜の花は雪と同じ色になって散り、雪と見紛いそうになるので、以前に降った雪の形見として今は桜を見るのであるよ。
第二句「散りしまがへば」の「し」は強調の副助詞。第四句の「ふり」は「降り」と「古り」の掛詞になっています。桜を雪の形見と見る発想は 404 にも登場します。
ちりまがふ いろをみつつぞ なぐさむる ゆきのかたみの さくらなりけり
散りまがふ 色を見つつぞ なぐさむる 雪のかたみの 桜なりけり