あきののの くさのたもとか はなすすき ほにいでてまねく そでとみゆらむ
秋の野の 草のたもとか 花すすき ほに出でて招く 袖と見ゆらむ
在原棟梁
花薄は、秋の野の草のたもとなのだろうか。穂がでて風に揺れているのが、手招きをする袖のように見えることだ。
秋の野に生える草を着物に、穂がでて風になびく薄をその袂(たもと)に見立てています。作者の在原棟梁(ありわらのむねやな/むねはり)は業平の子。0015 以来久しぶりの登場ですが、次に出てくるのは 0902 。古今集冒頭から読み進むと、「忘れたころにやってくる歌人」という感じでしょうか。(なんて言ったら失礼ですね ^^;;)