Year In, Year Out ~ 魚花日記

ロッドビルドや釣りに関する話題を中心に。クラシック音楽や本、美術館巡りに日本酒も。

ヴィヴァルディ/L'estro Armonico (「調和の霊感」 作品3)

2012年07月06日 | 音楽

以前、ラ・ストラヴァガンツァ東京という弦楽合奏団がヴィヴァルディを入れたCDをご紹介しましたが、それを機にいくつかの演奏家によるヴィヴァルディを聴いています。

演奏家と言ってもそれは弦楽合奏団もしくは室内管弦楽団のことですが、世の中便利になったもので、YouTubeにあがっている演奏をあれこれ聴いて、何となくピンと来るものがあったら改めてCDを買う、ということを繰り返しています。

このCDもその一つ。演奏しているのは St. Petersburg Soloists。ロシアのサンクト・ペテルスブルク(旧レニングラード)室内管弦楽団、とでも訳すのでしょうか。

聴く前にこういう先入観を持っていても外れることも多いのですが、この演奏はまさに、私がロシアの弦の音として持っているイメージそのもの。

鉄壁の技巧。そして、線が細いのに強い、筋金入りの音。大勢で弾いているのに1本に聴こえる、完璧なアンサンブル。

それでも決して冷徹なだけの薄っぺらい音ではなく、艶やかで気品に溢れた音色。

最近の古楽器の演奏を聴くと、ともすれば奇を衒い過ぎて弾けた印象を持つことも多いのですが、こういう古き良き演奏を聴いていると、こうした長年の伝統に裏打ちされた正統的な演奏も捨てがたいなぁと思います。

ご参考に、私がこのCDを買うきっかけとなったYouTubeの動画を貼っておきます。

因みに。画面左手のヴァイオリンは、手前からエライ人(1番=オジサン)、次が2番(=オバサン)なのですが、マイクの位置によるのかも知れませんが、何気にこの2番のオバサンのヴァイオリンの方がよく鳴っています。また、勿論花型は1番のオジサンなのですが、ややもすると走りがち(演奏しているうちにだんだんと速くなっていくことを「走る」と言います)のこのオジサンを、2番のオバサン以下(恐らくお弟子さんたち)がうまく支えている(しかも、それでいてアンサンブルが乱れない、狂わない!)のが何とも微笑ましくもあります。



                    

さて、このCD。実は探すのに少し苦労しました。

恐らくあまり評判がよろしくなかったか売れなかったか、ともかくまず新品がどこにも見つからず、ようやく見つけたのがアメリカのAmazonの、しかもマーケットプレイス(いわゆる中古)。

売主を見るとこれがUK(イギリス)とあって、けれど送料込みで863円と格安だったことから、まぁダメでも諦めがつくわなぁ・・・と覚悟して、オーダーを入れました。

この送料だと勿論船便で、まず1ヶ月は掛かるだろうと踏んでいたのですが、何とも不思議なことに、オーダーを入れてちょうど1週間で届いてしまいました。

さらに、驚いたのはその中身。冒頭の写真は外側の梱包資材を剥がして中身を取り出したところですが、分かりますか、これ?



2枚組のCDが紙のケースに入って、しかも掛かっているビニールのパッケージは未開封。しかも、これはどう見ても値札を剥がしたシールの跡。

まぁ、ケースの1枚に少し割れが入っていたのはご愛敬で、



けれど中身は正真正銘の新品で、勿論無傷でした。

しかも、その演奏は上に書いたようにとても気に入りましたし、こんな出会いもあるんだなぁと、夜な夜な爆音で聴いているところです。

他の演奏家によるCDはまた次回以降に・・・

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